今回のサミットで、アフリカの農業支援をすることになったようである。アフリカの農業・食料の現状、さらには政情不安などのほとんどの責任を、先進国は負っている。
アフリカの人たちを奴隷として売買して、農地を開拓して植民地として収奪し、富を蓄えてきた歴 史がある。今、先進国と呼ばれる地盤を築いてきた。
そして現在、先進国の多くの畜産は穀物の多給によって、肉や卵を生産している。G8のすべての国の畜産は、それぞれの国家で消費する穀物の半分を家畜に給与している。そのことが、穀物の国際価格を底上げしている。
そうした現実をそのままにして、農業援助もないだろう。穀物の生産高は、昨年は21億トン少 々であり、巷間言われている不作などではなかった。豪州やEUでの不作の報道は、恣意的なものである。
単純に一人当たりの平均を出すと、300キロにもなり飢餓など生じないのである。一部をバイオ燃料に回したり、家畜に給与する不均等が飢餓の原因である。少なくとも、富める物が、貧国の食糧事情の大きく絡んでいることは、否めない事実である。
食料の不均等な配分と、人より家畜や車に優先させるシステムを改善しなければ、世界の飢餓は消滅しない。ついでに言うなら、富める国の肥満を減らす効果もあろう。
このG8にあって、日本はさらに大きな事情を抱えてりる。自給率が極端に低いのである。つまり、海外からペットを含め、大量の食料を買い漁っている現状がある。
先進国が、自らの国の食糧生産のシステムを見直さない限り、貧国の食糧事情や政治事情の不安はなくならない。