政府が打ち出した「エコポイント」。何か旅行したり家電などを買うとついてくる。環境に優しい家電を買うと金額に比例したポイントがもらえる。家電業界は大喜びである。
しかし、エコポイント対象家電は、エアコンと冷蔵庫と地デジ対応テレビだけである。それぞれ機種を決められている。金額に比例するとは、高い家電を買うと多くのポイントがつく。つまり消費電力の多い家電がより、エコだと政府は言うのである。たった3種の家電しかないのも肯けない。
家電は買い替えるより、多少消費電力が多くても長く使うほうがエコである。買い替える場合の方が、絶対に反エコである。買い替えなければ対象にならないのを見てもわかるように、これは消費活性のばらまき政策でしかない。定額給付金と同じ思想であって、エコ対策などでは断じてない。
日本人の環境感覚は極めて偏狭なものがある。私の住む根室台地には、針葉樹が全くない地域である。ここに植林となると、針葉樹ばかりを植える。左の写真は、その典型で、広葉樹林に針葉樹を植林している。植林した針葉樹は、保護のために下草を刈ることになる。本来の広葉樹の若木を摘むのである。
これが環境対策と営林署は自慢する。植林は、その地域に以前からある樹種を植えるべきなのである。当地では、20年以上を経た針葉樹林帯がある。そこの森では、微小昆虫もいなければ、小鳥たちもいない。中標津町のカラマツ林がその典型である。北海道遺産にどうしてなったのだろう。
エコだとして、よくわからないタレントが植林を持ち上げる。仮に地域にあった樹種を植林したとしても、従来の森の伐採を止める方がよっぽど、エコである。環境保全となるのである。
残っている森の木々は相応の年齢であるが、植林された木は若木である。10年以上はCO2の固定には到底及ばない。場所によっては、きれいに下草を刈ってまで植林している。植林のために若木や稚木を切る(?)のである。 右の写真がそうである。
森とは、様々な樹種が気候風土によって育まれ、様々な年代の木が存在するのが本来の姿である。その森の保護の方がよっぽどエコなのである。植え替える(買い替える)必要などないのである。