そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

タンチョウの事故

2009-06-22 | 政治と金

タンチョウは湿原に営巣し湿原に食を求めます。湿原にいると安心しているように見えます。道東には、たくさんの酪農家がいますが、牛の糞と尿を一緒にする施設が、多頭化で増えてきて090618_19います。糞と尿を一般にスラリーと呼んでいます。

このスラリーを集めるのがスラリータンクと呼ばれるのもです。タンチョウが多分上から見ると、液体の溜まった施設は湿原のように見えるのでしょう。このスラリーに落ちると全く動きが取れな くなります。溜めは 深くて、スラリーは粘度が高く、もちろん強い異臭がします。

今回ここに親子のタンチョウ4羽が落ちたと連絡が入りました。酪農家は、必死に親子を引き揚げました。親も動けずにいましたが、水をかけるとなんとか動け090618_13るようになって逃げて行きました。その後この親は確認されていません。

二羽の雛は、スラリーまみれで動けず保護されました。お湯で丁寧に羽根の裏まで洗い落として、乾いたタオルで何度も拭きドライヤーで乾かしました。大きい方は体温もあって洗うと頭をあげましたが、小さい方は体温下降が始まっていました。が、ドライヤーで乾かすころになると頭を上げるようになりました。

とりあえず、暖かいところで箱の中に閉じ込め一晩過ごさせました。動くことがないように暗くして暖かくすることで、エネルギーの消耗を抑えるようにしました。

翌日二羽とも元気になっていましたが、親は見当たらずタンチョウ研究グループに依頼して、釧路動物園にまで搬送することにしました。二羽とも元気に育つことを祈っています。

左のフォトアルバムに<タンチョウの事故>アップしました。子供に写真を撮ってもらいましたので、あまりいいのがありません。それでも事故の状況はわかると思います。

追記:なんとか2羽とも元気になりいずれ放鳥出来そうだとの連絡が入りました。まずは一安心です。

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