タンチョウは湿原に営巣し湿原に食を求めます。湿原にいると安心しているように見えます。道東には、たくさんの酪農家がいますが、牛の糞と尿を一緒にする施設が、多頭化で増えてきています。糞と尿を一般にスラリーと呼んでいます。
このスラリーを集めるのがスラリータンクと呼ばれるのもです。タンチョウが多分上から見ると、液体の溜まった施設は湿原のように見えるのでしょう。このスラリーに落ちると全く動きが取れな くなります。溜めは 深くて、スラリーは粘度が高く、もちろん強い異臭がします。
今回ここに親子のタンチョウ4羽が落ちたと連絡が入りました。酪農家は、必死に親子を引き揚げました。親も動けずにいましたが、水をかけるとなんとか動けるようになって逃げて行きました。その後この親は確認されていません。
二羽の雛は、スラリーまみれで動けず保護されました。お湯で丁寧に羽根の裏まで洗い落として、乾いたタオルで何度も拭きドライヤーで乾かしました。大きい方は体温もあって洗うと頭をあげましたが、小さい方は体温下降が始まっていました。が、ドライヤーで乾かすころになると頭を上げるようになりました。
とりあえず、暖かいところで箱の中に閉じ込め一晩過ごさせました。動くことがないように暗くして暖かくすることで、エネルギーの消耗を抑えるようにしました。
翌日二羽とも元気になっていましたが、親は見当たらずタンチョウ研究グループに依頼して、釧路動物園にまで搬送することにしました。二羽とも元気に育つことを祈っています。
左のフォトアルバムに<タンチョウの事故>アップしました。子供に写真を撮ってもらいましたので、あまりいいのがありません。それでも事故の状況はわかると思います。
追記:なんとか2羽とも元気になりいずれ放鳥出来そうだとの連絡が入りました。まずは一安心です。