2009年は国際ゴリラ年(YoG)である。興味ある方は公式サイトをご覧ください。http://www.yog2009.org/
移動性動物に関する条約(ボン条約)や国際環境会議(UNEP)やユネスコなどが昨年12月に決めた。国際ゴリラ年の指定は国際持続的開発のための教育の一環とされている。
ゴリラに関しては、イギリスの在野の研究家ジェーン・グールド女史が長年自らの経験と体当たり的研究が有名である。ゴリラには会話できる知力も言語のようなもの、あるいは他人を思いやる心のようなものの存在を、女史が最初に確認している。
シガニー・ウィーパー主演の「愛は霧の彼方」という映画でも、密猟者に主人公が殺害される悲劇が上演されていた。密猟者も結局は、経済的理由から森林伐採やゴリラの捕獲を続けているのである。その後の戦争などによる、貧困がさらに加速さす結果になった。
ゴリラの個体の減少は一向に留まることを知らない。4亜種のうち、クロスリバー・ゴリラ とマウンテン・ゴリラとイースタン・ローランドゴリラの個体の減少が激しい。研究者は、このままでは30年で80%はいなくなるだろうと指摘している。
その後には、エボラ出血熱のまん延で一群が絶滅するような事態の発生も、京都大学の山際寿一教授が確認している。森林伐採は、従来の薪炭採取に限らず携帯電話向けの希少鉱物の採取が拍車をかけている。
いずれもが、人類の経済優先の開発や戦争などの不条理が生み出したものである。我々人に最も近い、霊長目のゴリラの絶滅は、人(ホモ・サピエンス)の愚かさを訴えているように思える。