中国は今年度中に日本を追い越して、世界第2位の経済大国になることが決まっている。一昨年こそ、6%程度に落ち込んだものの相変わらずの高い経済成長を続けている。世界経済の牽引を担っているのは明らかである。その中国で、このバブル経済の終焉が近いことを匂わす出来事が起きている。
一つは、不動産投機である。中国のハワイといわれる海南島で、富裕層が億単位の物件を複数購入している。住むためではなく、明らかに投機の対象として不動産の取得である。簡単に表現すると、金余りの富裕層の連中が不動産に向かったのである。これはかつての日本などが、バブルの頂点で迎えた現象である。中国も同様の道を歩んでいるのではないかと思われる。
もう一つが環境問題である。とりわけ水問題が深刻である。一人の消費量が世界の平均が8549トンであるのに対して、中国は2156トンである。およそ8分の1である。黄河などの大河の水源地帯が枯渇してきているのである。これに追い打ちをかけているのが、水汚染である。これに対して政府は、「南水北調」政策を打ち出した。比較的水の豊富な長江から、運河を掘って北の黄河地域に水を供給するのである。ところが、すでに計画を上回る、水不足が生じているのである。
中国では「経済成長に環境汚染はつきものである。成長後に解決すればいい」との考え方がある。こうした考え方は、地域間格差にも同じように対応しているように思える。経済成長こそ最大で唯一の命題のように動く、まるで中国は巨大なモンスターのようでもある。
ところが問題は経済成長が直接もたらすものだけでなく、深刻なようである。地球温暖化にによって、ヒマラヤの氷河が溶け始めているのである。氷河湖による地域の寒村が水害に遭う危険な状況であるが、それよりもっと大きな河川の枯渇が起きると予測されているのである。
温暖化によって、衰退している氷河からは水がそれなりに、増加してはいるのである。それは一時のものでしかないが、現状では深刻な問題にまでなるまでには、タイムラグがある。10年で7%もの氷河が消えた。
チベットでは様々な希少鉱物が採掘されている。強引な開発はチベット地域の水を汚染し続けているのである。チベット高原の氷河減少や水汚染は、現在の人口でも20億の人々の食料問題とが生じる。インドも対象になっているのである。
環境問題は、先進国に学ぶことによって中国はより高いところから、経済成長や発展を得られることができると警鐘を鳴らす、揚勇という環境活動かがいる。彼等の声は今のところ正負には届いていない。日本と同様バブルが崩壊しなければ気がつかないのではないだろうか。