南米のチリで巨大な地震が起きた。実害がなかったような津波の報道が休日の日本のテレビ画面に、大きなテロップが流され続けていた。映画を見ていたが、大き な警告画面のおかげで、興ざめてしまった。せっかくデジタル放送になったのであるから、日本海側や山間部など地域によっては流さなくて良いような処理ができないもだろうか。
警告する側は最大幅で警告するために、多くの人たちがこれを無視したようである。津波の避難率が極めて低かった。思ったよりも小さな津波と思われたが、後ほどの観測で陸前高田市では、1.9メートルにもなっていたことが分かった。数時間ずれて満潮だと2.9メートルにもなると予測された。いまだ津波の科学的予測が不健全な状況では、このような警告もいたしかたないのかもしれない。50年前にチリ地震による、巨大な津波を経験している日本ですら、この有様である。
地震が引き起こす波の動きは、広い大海ではエネルギーが分散するが、やがてそれらが収れんする形で、エネルギーが多くくなるところが生じる。湾内の最深部で大きくなるのは理解できるが、太平洋というような大きな器でも同じことが起きる。他山の石ならずである。
チリは現在軍政がひかれている。彼らは、津波の警告があったにもかかわらず発表することがなかった。結局は、長井海岸を持つこの国は、マグニチュード8.8の巨大な直下型地震に加えて、3度の津波の被害を受けることになったのである。その後の救援体制も、とても国民の期待にそえるようなものではなかった。震災後の現地で、暴動を抑えるためとはいえ軍隊の姿は異様に思える。
なにより驚かされたのは、アメリカ航空宇宙局の発表である。地震の波は地球を5回も回ったとのことである。(左図参照)しかも、100万分の1.26秒も地球の自転が短くなったとのことである。1日の時間が短くなったとのことである。さらに、地軸も揺れが生じているものと推測されるとのことである。実感はないものの、地震とはげに怖ろしいものである。