自民党の鳩山邦夫が自民党を離党した。ゴールデンウイーク前に新党を作るなどと、何の根回しもなく離党した。自民党内部からも、民主党など他党からも何のお呼びもかかからない。菅直人副総理が「何度目の離党・・・」と呟いていたので調べてみたら、5度目である。
今 回の離党は、過去の離党と大きく異なっている。新党結成などと言っても当てがあるわけでもなく、根回しをやった風もない。与謝野馨や桝添要一の名をあげていたようであるが、おボッチャマの思惑とは異なって、軽々に彼等も乗ってこないようである。
この男はこれまでにも、様々な発言をやっては物議を起こしている。「私の友達の友達はアルカイダだ」「志布志事件はえん罪とは異なる」「死刑執行をエレベーターのように」「草薙は最低の男である」「麻生のバー通いは喫茶店に毛が生えたようなもの」・・・もうこれくらいにしよう。要するに、周辺が気遣ってくれるような生き方をしてきたおボッチャマで、極めて優秀な秀才なのである。その分、周辺の動きなど構うことができないのである。
この男は、東京大学でも屈指の成績を残したとされているようであるが、政治家としては単なるバカとしか言いようがない。何かを動かすような政治的な行動がとれるわけでもなく、周辺を動かすような政治能力もない担がれるだけの男である。
しかし、今回のこの男の動きは、自民党の終焉を象徴する行動となるであろう。民主党が、小沢に頼って旧自民党色に染まる中で、急速に支持率を落としている。先の総選挙で、自民離れで民主党に動いた国民は、それではと振り返ったときに其処に、かつての自民党がそこにいなくなってしまっているのである。
審議拒否をしたところで、結局何処の政党もついてこなかった。子ども手当にしても反対したのは自民党とみんなの党だけである。かつての盟友公明党も、民主党に尾を振っている。谷垣はとてもいい人ではあるが、野党としての自民党の存在を誇示できない。
政界再編するには余りにも、鳩山邦夫では器が小さい。民主党が分裂しない限り、政界再編は起きない。自民党がいくつかに割れるだけである。それは、政界再編とは言わない。このことは、一党独裁になる民主党を抱くことになる国民にとっても、不幸なできごとなのである。鳩山のとった行動はいかにも軽率であるが、自民党の現状を象徴するできごとではある。