馬淵国交大臣が八ッ場ダム建設を見直す方針を打ち出した。前原前国交大臣が政権交代の象徴として、中止を高々と掲げた八ッ場ダム中止の方針転換である。1都5県の反対方針を受けた形である。中止の影響が 大きく、驚いたのが現実ではないかと思われる。これは明らかに方針転換などではなく、嘘をついているのである。
政治家は平気でうそをつく人種である、と今更思うことである。少なくとも、我々は戦後自民党政治しか見ていなかったので、政権交代でこうしたことがなくなると思っていたのであるが、民主党も同じであった。
ダムの本質は土建屋のご機嫌取りなどではない。ダムの本質は地域振興でもない。ダムはどうして必要なのか、どのように環境に影響を及ぼすかがダムの本質である。前回このブログで述べたように、予測した最大降水量がデタラメの無根拠の数字だったり、環境評価もほとんどなされたいなかったり、ヒ素の湧出などの事実を隠ぺいしてきたことが、このダムに限ることのない全国のダムの問題の本質である。
民主党政権の打ち出した今回の見直しは、土建屋たちの損害に配慮したものであって、ダムの持つ機能の評価やこれまで通例とされてきた、建設のために必要な官僚のでっち上げの試算の問題などを見直したものではない。
自民党の票が欲しかったのであろうが、平気で嘘をついた民主党は、元々なかった政治への信頼を失ったことを自覚しているのだろうか。事業の本質や政治は何のためにあるのかなど、大きなものを失って尚、平気でいることに驚きを隠せない。政治家は平気で嘘をつく。TPPも同じである。