沖縄県の知事選挙が注目されている。来週の日曜日、11月28日が投票日である。立候補は現職の仲井真弘多氏(71)=自民党県連、公明、みんなの党推薦=、と新人で前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)=社民、共産、社大、国民新推薦、そうぞう支持、の二人の争いが熾烈である。
ここでおかしなことがある。現在与党の民主党が誰も推薦していないのである。候補者を立てるどころか、遠くから見ているしかできない体たらくである。先の参議院選挙にも候補者を擁立できなかった。ジシュトウヒョウだそうだ。
どうして政権与党が、この国の75%ものアメリカ基地を抱えるところで、候補者を立てることが出来ないのだろう?簡単なことである。鳩山由紀夫が沖縄県民に嘘をついたからである。政権交代、平成維新と言ってはばからなかった鳩山が、普天間を海外に持って行くなどと言ったのである。県民は期待しないはずがない。嘘をついた民主党は、当分の間は沖縄には足を向けて寝られないだろう。
ところで、現職の仲井真氏も伊波氏も当然のことながら、普天間基地の県外移転を訴えている。そうも言いながらも仲井真氏は、条件容認に代わることは目に見えている。伊波氏が当選した場合には、普天間基地問題は一層問題解決が困難になるだろう。順当ならば伊波氏の勝利となるところである。民主党はさらに追い詰められることになる。
それでは現職が勝った場合はどうなるであろう。自民党が大騒ぎするので、この場合も民主党は追いつめられることになるだろう。要するに、これほど重要な選挙に何らの態度も見せることが出来ない民主党は、責任政党としての体をなしていないのである。追い詰められて当然である。
今回の法務大臣の辞任についても、情勢を見ることが出来なかった未熟さを露呈させたのである。この程度の冗談混じりの発言で辞任などするものではないが、情勢判断が甘く時期が悪かった。傍目には引きずっただけと見える。
消費税にしてもTPP参入にしても内部討論や下準備などがなく、唐突な発表は未熟そのものである。ただ菅直人は、消費税もTPP参入も与野党ともに賛否半ばとみての軽率な行動かもしれないが、”民主”党の名に恥じる国民をばかにした態度と言える。