北朝鮮側の民家に対する砲撃は明らかな意志が働いていたと見るべきである。半島側に背を向 けた市街を山を超えて攻撃している。数日前には金正日が息子の金正恩を引き連れて現場に行っている。砲弾が殺りく的なものを使っている。等などである。
中国は韓国が先に砲撃したとか、北朝鮮の方が被害が大きいと報道している。中国は、北朝鮮の政治体制や行動に不満を持ちがらも支援をしていくものと思われる。中国に北朝鮮非難を期待するのは無理な話である。
後継が多少世界を見ているから、改革開放政策に行くかと思いきや、結局金正日の後継スタイルを継承することになったのが、今回の砲撃事件から見えてくることである。金体制を堅持する 以外の政治的選択は危険であると判断したのではないかと思われる。砲撃事件は瀬戸際外交と見て良いが、これまでの実績から周辺諸国から信用を失うばかりである。
更に、哨戒艦銃撃事件の時には韓国内でも、事実関係の確認や北に対する擁護もかなりあったが今回はそれもない。民間人を犠牲にしたことが大きい。北朝鮮は、韓国内の支援者も失うことになったのである。
かつて金日成や金正日がそうであったように、生誕からの事実を塗り替えてまで後継者を神格化する動きが始まっている。金正恩は軍事の天才であるという報道がなされている。軍事の天才は3歳の時に拳銃で100発100中の腕があったというのである。まるで漫画のようなことで、実績を作れないかと思ったのかもしれない。軽水炉の完成と民間家屋への砲撃は、天才的な息子が見せた実績と言うのだろうか。
かつて核を持つぞと脅すことで、大量の重油や食料を貰って経験が、今回も瀬戸際外交に導かせたのであろう。当時もアメリカは民主党政権だった。軽水炉の完成と述坪島砲撃は一連のお貰い戦略であると思われる。北朝鮮が終局に向かっている見るべきであろうが、金正恩体制への移行はどれほどの持続力を持つかがこの国の国民の、幸不幸を決定することになる。