そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

高騰する食糧価格が教えるもの

2011-01-11 | 政治と金

Faofoodpriceindex FAOが1月5日に、昨年の食糧価格を公表した。左は年次ごとの価格推移を月毎に重ねた表である。南半球と北半球で収穫時期が異なり、それぞれが反対側の収穫量を見込んで、生産するために穀物の世界価格は、一年の推移を見なければ判断が難しいためにこうした表が作られる。昨年は後半から以上異常に価格が上昇しているのが解る。Foodcommoditypriceindex

右は製品ごとの2年間の価格推移である。砂糖は新興国の需要が高まったために、上昇したのではないかと思われる。いずれの製品も確実に上昇している。昨年後半の食糧価格は、異常と言われた2008年6月の価格を上回っているのである。この時は、オイルマネーが大量に流れ込み価格を吊り上げた結果である。

今回の食糧高騰の原因は2年半前の人的なものとは明らかに異なる。世界各507740119600x400地の異常気象の産物である。とりわけ、7年も干ばつが続いていたオーストラリアで、今度は逆に洪水で農地が洗い流されているの509243375600x400_2である。乾燥 地帯が水浸しになる映像は異常に見える。

オーストラリアは、北半球のロシアの小麦の干ばつを受けて大車輪で生産するはずであった。ところが、2400万トンと言われる小麦の生産量は半量に落ち込む見込みであると言われる。

507742471600x400TPPのように海外に食糧生産を委ねる政策は、国民を目先の経済効果だけを理由にした愚策である。地球は温暖化しつつあるが、明らかに各地で異常気 象を引き起こしている。農業はこうした地球的変化を直接受ける産業である。そして、食料は誰もが欠かすことのできない商品である。今回の食糧高騰はそれを教えてくれている。残念なのは、円高で国民に実感が薄いことである。

コメント (1)
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