そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

リビアはどうなった、シリアもイエメンも

2011-08-19 | 政治と金

フランスがNATO軍と称して、リビアに空爆を開始したのが、3月18日である。あれから、5カ月経った。多くに日本 人は、3.11の大震災の陰に隠れたこの事件の動向に興味を持Photoつ機会がなかった。

カダフィは悪者です、成敗しなければならないとNATO軍が、市民保護・民主勢力支援にと空爆を開始した。カダフィは政治体制を作ってこなかった。自らの意志が貫ける指導体制が存在しただけである。反対勢力を彼はことごとく殺した。極めて非人間的な存在である。ところが。

リビアは、教育と医療が無料である。食品や燃料は国家の手厚い保護があって、格段に安く設定されている。職のない人たちへの援助もしっかりしている。この国は極めて進んだ、福祉国家なのである。カダフィに反対しなければ、十分平和な国家である。

不可解な、フランスの空爆から5カ月経っても、一向に戦況は変わることがない。カダフィは一部とはいえ、国民の支持が極めて強いのである。

カダフィの反対勢力は政治活動はおろか、結社の自由さえなく、反対運動の仕方も解らなければ経験もない。少なくとも、ヨーロッパ諸国が考えるような「民主的勢力」など、この国には存在しないのである。

中東にはこうした国家が少なからずある。エジプトやイエメンではネットから政権が崩壊した。今これに耐えているのが、シリアとイエメンである。シリアは、親子のアサド大統領が、盤石Photo_2の政治基盤を武力によって築き上げてきた。

市民がこれに立ちあがった。春から2000名デモなどで殺されている。更に1000名が行方不明である。

イラクの教訓からか、リビアに手を出さなかったアメリカがここに来て、アサドの退陣を要求した。周辺各国も、制裁さえ躊躇しながら情勢を見守っている。

リビアとシリアへの対応がなぜこれほどことなるのか? その理由の一つは、石油である。もう一つの理由が、イスラエルの存在である。

石油の利権をめぐって、EUは自分たちの立場を失わないようにしているのである。シリアは、イスラエルの重しになっているが、アサド政権が崩壊すると、困るのが本音の周辺諸国である。

原発依存が80%のフランスは、福島原発から世間の目をそらすために、だらだら空爆をやっているとの見方もある。妙に時期が一致するし、アメリカのイラク侵攻にあれほど反対した、フランスの空爆根拠がそこの辺りに見えなくもない。

先進国は、様々な理由を用意するが、結局は利権のために平気で主権国家に、軍隊を送るのである。これは侵略といわないのか?

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