ヨーロッパ諸国は、人種差別という大きな問題を抱えていることが、ノールウエイの乱射事件で明らかになった。最も穏健な社会体制であり、犯罪者への人権が守られている、ノールウエイでの今回の事件には驚かされ た。
犯人は、右翼思想と報道されているが、この青年は民族主義者である。増え続ける移民による不安から、事件を起こした。どうして同じ民族を、しかも77人も射殺しなければならなかったのか、理解に苦しむところである。この青年の主張は論議される機会を失った。
ノールウエイの人口は、485万人であるがすでにイスラム系移民は、40万人を超えている。地域によっては、多数派になってコミュニティを形成しているところもある。
ヨーロッパ各国は同じような問題を抱えている。当初は低賃金労働者として移民を受け入れてきたが、雇用状況の圧迫などを理由に、移民を排除しようとする団体の台頭が一方である。
ドイツのネオナチはその典型であるが、ノールウエイの青年のような確信犯が今後出てこないとも限らない。少なくともこうした民族主義者たちは増えつつあることも、事実である。
ヨーロッパが抱える、大きな病巣であると言える。