通貨の評価が良く解らない。経済学者はその国の通貨評価が上がるのは、その国の評価が高いということであると説明する。日本は東日本大震災以降、円は徐々に上昇するばかりである。
同じような傾向として、阪神淡路大震災の時も、円は最高値を更新していた。只この時には、株価は下がる一方であった。今回は株価も上がっている。
国家体制を揺るがすほどの大震災でありながら、国家財政は破たんしているのもかかわらず、あるいは本来なら3月に降ろされるはずであったポンコツ内閣であるにも拘らず、なぜ日本の円は高く評価されるのか解らない。
経済学者の話に耳を傾けると、「実質的にはドル安である」とのことである。しかし、対ユーロにしても緩やかではあるが円高にはなっている。経済学者らの説明は更に続く。
①復興に多額の資金が流れる。そのためドル売りに動いた。 ②多額の支払いが起きる保険会社が、資金をドル売りに求めた。 ③海外投資に慎重になった。 ④ヘッジファンドが円買い、ドル売りに動いた。これが一番大きい。とのことである。
ざっとこんな理由を、経済学者らは上げる。私にして見れば、何の説明にもなっていない。円高は日本の国力が評価されたというのは、現実的な説明ではない。少なくとも、国情を反映している、円高とは思えない。与謝野馨は一時的なものと発言している。
あるいは、「困ったら円を買う」という、不文律があるそうである。円の信用は何処にあるのかが解らない。 ドル安の根拠は、4-6月のアメリカGDPが予想を大幅に下回ったことがあるとのことである。
今日オバマは、それらを払しょくするために、国の債務上限の引き上げを行った。上下院の承認を得るために、かなり時間がかかった。
さてこれで、円高はすっかり収まるのか。どうもそんな具合にもいかないようである。77円がせいぜい80円に回復する程度であろう。
人間が作ったシステムでありながら、コントロールが出来ないばかりか、結果を他人事のように説明するしか能がない経済学者は、結果を評論する気象予報士と何ら変わらない。