そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

戦後70年、昭和90年のきな臭い年が明けた

2015-01-01 | 安倍晋三
多くの識者が現在の状況が、昭和初期に酷似することを指摘する。経済的に危険な賭けに出る一方で、軍国化への道を歩み出しているのである。
先ずはアベノミクスである。この古典的な経済対策の、とりわけ第一に矢として据えられた金融緩和が、極めて危険である。危険というより実体経済のないまま、特定の富裕層にだけジャブジャブ金が集まる仕組みを作り、円安を演出したのである。
かつては通貨の評価は国力の評価であると説明されてきた。そうだとすれば、円安は国力の衰退を意味することになる。日本の資産が、30%も下落したのである。国家がこの国の富みを削いだことになる。このことを誰も指摘しないばかりか、輸出企業の好景気としてプラスに評価するのは、恣意的評価である。
インフレを期待できないようであれば消費増税の前に、3度目の前例のない金融緩和策を日銀が打ち出すことになる。実体経済が伴っていない経済対策を背景に、円が再び高値になることはないだろう。
日本の国債が海外の投資家が買い漁る時代が、そう遠くない時期にがやってくる。財政再建を、国民の保有率が高いことを理由にして、放棄してきたツケが露呈することになる。これだけも十分日本経済は、破たんすることになる。実体経済が伴っていない虚構の資産が露わになる。

もう一つが、軍国化への道である。安倍首相は、総選挙後に憲法改定に向けて動き出すことを明言した。特定秘密保護法も動き出している。日本の秘密保護法は、国民全員に向けられている。世界の多くの国が、秘密を取り扱う公務員などだけに対する秘密保護法であることと、基本的に異なる。恣意的運用が可能になるように、周辺整備も取り組まれている。
次期国会から、集団的自衛権行使のための法案が、国会に間断なく提案されることになる。集団的自衛権行使容認は、党議拘束が掛けられる。党内の討論は全くないに等しいまま、特定の目的を持った法案が、次々と提案されることになる。
兵器の輸出を容認し、軍需産業への支援も始まった。戦争をできる国からする国へ、そして今戦争を希望する国へと歩みだしたと言える。
沖縄には、普天間の辺野古移転を口実にした、新たな空港と軍港を併設した巨大な基地の建設へと動いている。名護と那覇の市長選挙、沖縄知事選挙と衆議院選挙と、すべての選挙で反基地の沖縄県民の意思が示されている。それにはお構いなしに、安倍政権は粛々と建設するというのである。
言論統制も巧妙に仕組まれている。総選挙翌日の、安倍首相は主要メディアの責任者を、オフレコの夕食会に招いている。NHKの会長と運営委員については、物忘れの早い国民の頭から去るのを待っているようである。朝日新聞を叩いてるのは、政権前から安倍首相を支援していたお友達のメディアたちである。
安倍首相の言う、この道しかないという道は、軍国化への道でもある。

戦後70年の節目の今年は、国家の破たんと軍国主義の台頭が鮮明になった年として、後年評価されることになるであろう。私たちは、逐一それを暴いていかなければならない。
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