そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

お礼返しの真珠湾訪問は核めぐる虚言の報酬である

2016-12-05 | 安倍晋三
日本の現職首相として初めて真珠湾を訪問すると首相官邸前のぶら下がり会見で発表した。両国の同盟関係を一層高めるためというのであるが、残り任期が一月になったオバマに顔立てして、いかほどのものかと思われる。
訪問の日程は、ウラジーミルとファーストネームを一方的に安倍が呼び緊密さを自演しているプーチンと、山口で首脳会談した直後である。日露首脳会談の不成果をもみ消すための、政治技術の一つである。世界のだれもがレームダックとなっているオバマには目をくれない。世界は、何をしでかすか判らない次期大統領のトランプの一挙手一投足に騒然としている。オバマに声かけたら乗ってくるに違いないと見込んだ。
現職大統領として初めて広島を訪れ核廃絶を訴えた(と多くのメディアは報じている)オバマへの、安倍晋三のお礼返しである。核兵器廃絶条約には、アメリカの反対を受けて唯一の戦争被爆国家である日本が同調して、反対して義理は返していたがさらにお返しをするという念の入れようである。
北方領土は、クリミア問題でアメリカEUに乗って経済制裁に加わった時点で、交渉の先はなくなっている。プーチンの態度は一変したが、2年程の冷却期間は功を奏していない。プーチンは山口で、経済交流を促す程度の話しか持ち出すことはない。領土問題などまったく譲機などない。
先日ラジオの報道であるが、北方領土に進展がないと答えた人は全国平均で60%ほどであったというのである。ところが北海道に限ると、85%が期待できないという回答であった。多分当地根室では、95%を超えるであろう。日本のほとんどが、北方領土など存在はもちろんのこと、経緯さえ知ることがないであろう。北海道では冷めた目で見ている。
広島と真珠湾は並列して述べられることが多いが、内容は全く異質なものである。真珠湾は予告なしの不意打ちであである。広島は鈴木貫太郎が陸軍の本土決戦を否定できず、終戦の判断を誤った結果である。真珠湾攻撃の目的は軍事施設である。広島は圧倒的に非軍事要員の市民が無差別に殺害されている。真珠湾を忘れるな(Remenber pearl harbor)と、広島が二度とないように(No more Hiroshima)が両国で繰り返し言われる。報復を鼓舞する軍人の言葉と、平和を願う一般市民の言葉と中身は全く逆のものである。真珠湾と広島を並列してはならない。
安倍晋三はその理解がなく、広島の恩返しに真珠湾で点数を稼ごうとする、双方が核なき世界に関して虚言を競い合う場として演じているのである。
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