小池百合子東京都知事が、どさくさ紛れに新党、「希望の党」を立ち上げた。自民党を離党した若狭勝衆院議員と民進党を離党した細野豪志の、ちんたらする動きに耐えられなかったのであろう。新党には関わらないとも言ってはいたが、結局リセットとか言って自分が党首になると出てきたのである。昨日結党の記者会見を行った。
小池氏は「日本をリセットするために党を立ちあげる」と表明し、「寛容な改革保守政党を目指す」「しがらみ政治から脱却」など6項目の綱領を発表した。政権批判の受け皿になることを目指すという事である。
集まったのは無節操な右寄りの有象無象の顔ぶれである。小池百合子は、それまでの都政のふがいなさを突いて登場した、風に乗った政治家である。都政をボロボロにしていた石原慎太郎とその息子の選挙対応が稚拙だったことと、それに民進党の体たらくが、彼女の登場を許したのである。今は風に乗っている小池百合子である。ほとんど成果がなく、都政の手腕はこれから問われる時期である。
今なら風はまだ吹いていると小池は読んだ。安倍晋三は、都議選の惨敗を受けて、今なら小池も国政に乗り出す体制が整っていないと判断し、解散を決断したのであろう。ところが、風を受けていると感じた小池は一気に国政へと向かった。小池は都政を投げ捨て、比例区あたりに名を連ね国政に乗り出してくる可能性もある。政治はこんな軽はずみな女なの決断で左右されるほど浮ついたものになった。尤も、安倍晋三の決断も根拠がなく自己保全の、政治理念のないものではあるが。
メディアは小池新党ばかりを取り上げる。小池は国粋主義者である。隠しているわけではない。極めて思想的には安倍晋三に近い考えの持ち主である。仮に小池新党が50近い議席を得られたら、必ず自民党の保管政党にる。
これまで50ほどの新党が、消えては現れ現れては消えた。新党が起きるのは自民党が失政をした時であり、一時的に自民党は議席を減らし、時には政権まで失うが、やがて新党ブームが去ると新党は消滅し、いつの間にか自民党が肥大化する、と言う構図を繰り返してきた。つまり、新党ブームは結果として、自民党が巨大化するステップでしかないのである。今回の小池新党も同じである。いやこれまで以上に、自民党に早期に合流することになる。
結果として、ほぼ同一政党が何年も政権をこの国を継続して支配する、日本は異様な国家となっている。自民党が異様なのではなく(別の意味で異様ではあるが)、目先が代わっただけの新党に歓喜する国民性が問題なのである。小池新党に警鐘を鳴らす自民党ではあるが、せいぜい20も議席が取れればいいところである。新党は3年以内に消滅するであろう。
新党で大騒ぎし、解散の理由である安倍晋三の森友加計隠しの自己保全を忘れてはならない。