そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

本庶拓さんのノーベル賞受賞に思う

2018-10-03 | ノーベル賞
京都大学名誉教授の本庶拓さんがノーベル医学賞を受賞された。とてもお目出度いことである。心から祝福したい。しかしこの受賞は多くの問題や課題も提供していている。
〇基礎研究にもっと資金を
受賞の会見で、本庶氏は以下のように述べていた。
『「自分が研究をしていたタイミングは日本の科学研究費が伸びる時期に合っていた。ずっと研究を支援されてきた」と話した。自身の成果について「基礎研究から応用につながることは決してまれではないことを実証できた」と評価。「基礎研究を体系的に長期的展望で支援し、若い人が人生をかけて取り組んでよかったと思えるような国になるべきだ」と強調した。
「生命科学に投資しない国は未来がない」とも指摘。米国などを引き合いに「世界の大国は次のサイエンスである生命科学に大きな投資を実行している」と話し、「日本の科学技術政策について「立案段階で依然として昔の発想から抜けていない。今もうかる分野に資金を投じてもしかたがない」と論じた。』
日本は小泉政権以降、基礎研究は企業に貢献しない、産業に役立つ(今すぐに)研究をしろいうようになってきた。国立大学から、文系をなくせと安倍政権になって言われるようにもなってきた。総理と副総理が、漢字も読めない哀れな国家に相応しい方針ではあるが、軍事開発には御執心である。安倍晋三が首相になって、武器を防衛整備品と言い換えて、研究・開発・輸出奨励にたんまりお金を出すようになった。
基礎研究こそが現在のノーベル賞受賞者を生んでいるのであるが、次の世代は中国などのとってかわられることは明かである。

〇医療費の高騰につながった新製品
本庶氏の開発した、免疫抗がん剤は小野薬品から発売されていたが、1クールの治療費が1年で3500万円にもなったと話題を呼んだ製品である。患者負担は、700万円ほどであるが、その分保健医療財政に負担になった。現在はこの20分の一以下になったようであるが、高額医療にマヒしつつある保健のきっかけにもなった。こうした容認ムードから医療費高騰がさらに進行する可能性がある。

〇遺伝子組み換えは安全かという問題は何処に
オプシーボはいわゆる遺伝子組み換えや薬品である。遺伝子組み換えは、私たちが食べるものでは沢山の問題を引き起こしている。現在日本の家畜は、ほぼアメリカから輸入された穀物を食べている。それらのすべては遺伝子組み換え穀物である。短命の家畜には問題は生じるまでは時間が短すぎて過ぎて良く解らないが、環境は確実に悪化させている。それに、大量の高額な化学薬品を投与することになる。巨大企業の暗躍の場になっている。
チーズ生産に必要なレンネットは、ほとんどが遺伝子組み換えを使っている。安価で出来上がった商品も美味しい。アメリカのように、遺伝子組み換え作物を表示しない国家は、問題の検証すらできないし、経済性ばかりが優先されている。
医療など都合の良いものは、「ゲノム操作」と呼ぶ遺伝子組み換え技術は、汎用されるような時代になっています。特定される医療だから、製品製造の手段であるからと黙認することは、今後に禍根を残すことになりはしないだろうか。
コメント (2)
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