北海道新聞の単独インタビューで安倍晋三は、首相在任期間中の北方領土問題で自己弁護の終始する内容を吐露している。
安倍晋三は2018年11月のシンガポールでの日ロ首脳会談で、歯舞群島と色丹島の日本への引き渡しを明記した、1956年の日露共同宣言を交渉の基礎としたことについて「100点を狙って0点なら何の意味もない。到達点に至れる可能性があるものを投げかける必要があった」と述べ、北方四島の返還ではなく、ニ島返還を軸とした交渉に転換したと述べている。
先ずは二島返還の日露共同宣言に激怒したのが、アメリカのダレス国務長官である。それまで誰も主張していなかった、北方領土は四島という珍説をダレスの指示で日本は主張することになる。北方領土は日本の固有領土と言い始め一括返還が前提になる。
かつて鈴木宗男が二島返還ツープラスツーんどと言い始めて、佐藤優ともども外務官僚によって失脚した経緯がある。国是となっている北方領土一括返還は否定されてはならないからである。
歯舞色丹は千島列島では勿論ない。二島は根室国つまり北海道の一部であって、佐渡島が新潟県であるのと同じである。ポツダム宣言の本土の一部であって、そもそも交渉の対象とはならない。しかもソ連の主張する終戦、1945年9月3日以降に侵攻した土地である。
安倍が二島返還の先行させたことは間違いではない。しかしその本質を安倍は理解できていない。それは四島返還を公式には言い続けてきた日本が、二島を放棄したように理解されて当然である。後退した交渉は相手国の思うつぼである。
こうして安倍晋三は、北方領土を3000億円の開発費をつけてロシアに譲り渡した。この間プーチンは譲歩を気品にした領土交渉を憲法で禁止する法案を作り上げてしまった。
安倍晋三は0点を目指して無事見事0点を入手したのである。