そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

政権ばかりかアベノミクスも末期症状

2018-04-26 | アベノミクス

アベノミクスと冠した安倍晋三の経済政策は、3本の矢という形で説明されている。その第一の矢は、異次元の金融緩和政策と自認し円高と株高を演出し、そのために日銀は底知れぬ国債購入というジレンマを演じてきた。その功労を称えられ、黒田東彦は総裁職を続投するお褒めにあずかっている。
皮肉ではなく、アベノミクスの第一の矢は成功したと言える。円高株高は起きているからである。その甘い汁は、海外投資家と金満家が享受しているだけである。格差社会の発信源ともいえる第一の矢は、一般国民を置き去りにしたが、それこそアベノミクスの成功ともいえる。第二の矢も三の矢も完全に破たんしているが、富裕層や権力の側にとって第一の矢はまずまずだったと言える。
ところが、人造的に演出されていた「円安・株高」が今完全に崩壊に直面している。昨日(25日)アメリカ長期金利の上昇でドル円相場は円安に向かい二カ月半ぶりに1ドル、109円台になった。
これまでの流れと異なり、円安になれば輸出企業の業績が上向き、株価も上昇していたが、この日の日経平均は下落した。これからは円安になっても、株価が上昇しない可能性が高く、第一の矢の基本的な動きが起きなくなっているのである。
円安が起爆になる株高が崩れた。金融緩和の真の目的である円安誘導は、株高を出現させるはずであったが、その動きが起きていない不安は今後拡大するであろう。
その原因は、アメリカが長期金利が3%を一時超えたことで、投資家は株式を保有するより、金利の高いアメリカ国債に向かうからである。
アメリカFRBは利上げにをこれから維持し、今後上昇し5%まで高まる可能性もある。クロトン(黒田東彦)の日本は相変わらずマイナスかゼロ金利政策なので、日米の金利差はさらに広がる。アベノミクスの僅かに政策的に成功したと思われる。第一の矢すら破たん目前である。
第二の矢の市場を喚起するとする公共投資は、効果などまったくなくドンドン財政出動が行われている。財政の健全化は夢のまた夢である。このような投資は、結局足腰の弱い企業を醸成することになり、金の切れ目で撤退するのも珍しくはない。特に農業政策では、田舎に不釣り合いの目的不明の巨大な建造物がにょきにょき立つばかりで、結局はその後の維持管理ができずに放棄されることは珍しくはない。
安倍晋三を支援し続ける30%の固定層は、第一の矢の恩恵にあずかる層であるが、アベノミクスが格差社会を作るシステムであったことに気が付き、彼らが安倍を離れるのもそう遠くないだろう。

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