採卵鶏は生まれるとすぐ嘴を切断され、A4用紙程度の所に閉じ込め自由を奪われ、産卵するまで幾度もワクチンをうたれ、大量の輸入穀物を間断なく与え、10時間点灯し10時間暗黒にして一週間を8日にされた鶏舎におかれ、不安定なケージの中空に生涯置かれ、短命に生涯置終える、これがケージ養鶏である。
EUではこうしたケージ養鶏は、鶏を生命ある個体として扱っていないと、段階的に禁止へと向かっている。アニマルウエルフェアは、こうした虐待に近い飼い方から、家畜を守ろうとする動きである。
日本では、「物価の優等生」と持ち上げられ、その裏ではこうした養鶏スタイルが浸透していったのである。
ヨーロッパに端を発したアニマルウエルフェアは、鶏から豚牛へと世界に広がっているが、日本も一旦はアニマルウエルフェア導入へと動いていたが、何故か急に動きが鈍くなる。河井克行夫妻の選挙違反の捜査の中で、吉川貴盛農水大臣への大手養鶏のアキタフーズからの賄賂が発覚して、吉川は有罪となる。吉川に指示した、元農水大臣の西川公也は無罪放免である。養鶏協会理事者の献金は賄賂と扱われなかった。アキタフーズの何倍もの金額であったが。彼らが積んだ金は、日本にアニマルウエルフェア導入阻止のためである。
「物価の優等生」にはこのようなカラクリがある。EUでは60%を超える養鶏場が、脱ケージ養鶏となっている。日本人は何時まで、このような過酷な飼養形態のなかで、懸命に産卵する卵を買い求めるのだろうか。
それに穀物の多給は、貧国の食料を奪いCO2を増やし、土壌を汚染し家畜を生産の苦悩へと導くことを知っていただきたい。
この国の人間は、とにかく食べ物に関しては無関心としか言いようがないですね。自分で販売するとわかります。
まず、見た目では違いが判らないものに価値は見いだせない上、味の違いもよくわからない。そんなものに通常より高い金は出せない。アニマルウェルフェアや社会情勢だって知ったことではない。
しかも、政治ですらこの程度。ですから、国民もこの程度。
この国の農業は、あと25年もすれば絶対に崩壊です。その時、第2次ベビーブーム世代が70代後半になるんですから。断言します。