上図「動物工場」ダニエル・インホフ編:井上太一訳:緑風出版3,800円+税の本である。とても高価でお勧めいたしたくはない。執筆者が32名もいて、それぞれの専門家のようであるが、まとまりに欠けるし一貫性がない。資料としての価値はある。
本ブログで紹介した、家畜密飼給餌制度CAFO(Concentrated Animal Feeding Operation ) の解説書である。
アメリカ環境保護庁(EFA)は、大型畜産農家CAFOを、飼料を他から購入し収容する大型施設と定義する。そして、牛は1000頭、豚は25キロ以上は2500頭で25キロ以下なら1万頭、七面鳥は5万5千羽、肉用鶏12万5千羽、採卵鶏8万2千羽としている。
巨大畜産施設は、何よりも糞尿の処理ができないままである。地下水を汚染し大気を汚がすなど周辺の環境に悪臭を放ち続けている。経済的に弱い周辺の人は我慢するか、逃げだすしかない。家畜も糞尿まみれである。
家畜が集約的に飼養されると当然のように経済効率が優先される。肉用牛では合成成長ホルモン、抗生物質、廃鶏の羽根を処理したもの(フェザーミール)、豚や魚の蛋白質、鶏糞なども与えられる。他の家畜も地域の特性ある様々な残滓などが与えられている。
工業型畜産が安価であるように見えるのは、国の支援や健康でなくなった時の代償など考慮していないためである。環境汚染のコストなども考慮されていない。工業的に生産された畜産製品には社会的コストが加算されていない。
日本も大きくは変わらない。特に政治的経路を通じたコストは、あたかも善良な対応のようにすら見えたりもする。それは国民自らが負担して、不健全な食料を生産しているのである。
これらの問題を克服するためには、消費者が何よりも実態をしてもらう必要がある。そして牛は当然のことながら放牧などして、健康な管理をするべきであるとする著者の紹介もある。
アニマルウエルフェアについての配慮などはなく、CAFOはヨーロッパのアニマルウエルフェアに抗するものかとも勘ぐりたくなる。
本書の訳者は畜産の現場について無知に近い人物である。多くの誤解を呼ぶような表現や、実態を知らないがゆえの誤訳が兎に角目に付く。とても我々専門家の評価に耐えられる質を持ったものではない。内容は上記で知っていただければそれでよい。価格に加えて、質的にも購入すべきでない本として記憶願いたい。
まず無理だと思います。現在でもスーパーに行けば高い卵と安い卵が並んで売ってることがありますが、多くの人は安い卵の方を選ぶのではないでしょうか。
欧州のように政府補助とか入れながら改善していく方向性しかないように思いますが。しかし、政治の方も…。
官僚に任せておけば、これも汚職の元になりますし。例えばこの前、100Lくらいの小型冷蔵庫が壊れて、車で自分で処理場に持ち込んで捨ててきたのですが、その時に取られたお金が5200円でした。ガスの処理とかにそんなにお金が掛かるものなのでしょうか?モーターとか熱交換器はむしろ資源で、バラして持ち込めばお金になるようなものなのですが。
民主主義がサイコ共の民衆への責任押し付け装置になっており、まともな政治教育がされていない国での民主主義なんて最悪だと思います。サイコ共が民主主義を叫ぶときは、一億総懺悔の文脈を読み取る必要があると思います。
大型の畜産もちゃんと環境負荷を考えながらやるのはありだと思いますが、小農がちゃんとやっていければ、過疎化対策にもなるでしょう。