欧州委員会(European Commission)は、遺伝子組み換え(GM)作物の承認を2014年末まで凍結することを決定した。EU参加国のうち、オーストリア、ブルガリア、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、ルクセンブルク、ポーランドの8カ国は、それぞれの国で、GM作物の栽培を制限か禁止する制度を作っている。
この14年間でEUが栽培を承認した人用のGM作物は、ドイツのBASFが開発したGMジャガイモ「アムフローラ (Amflora)」と 、モンサントが開発したGMトウモロコシ「MON810」の2種類だけである。因みに、家畜用には50種ほどが承認されている。
アムフローラは商業的に失敗し、MON810の承認更新は2007年以来停滞し、今回の凍結で承認が更新されることがなくなった。
その一方で、発がん性が指摘されているGMトウモロコシの情報を、欧州食品安全機関(EFSA)が公開した。このGMトウモロコシは、モン
サント製の「NK603」系統で、フランスのカーン大学のジルエリック・セラリーニが昨年、マウス実験で発がん性との関連が示されたと発表したものである。
遺伝子組み換え穀物・食品の使用や認可を審査をするEFSAでは11月、セラリーニ氏の研究は「しかるべき科学的水準を満たしていない」として、危険性評価を見直すべき理由はないとの判断を下した。
2007年にはモンサントが、GM作物のトウモロコシの輸入を禁止した時に、EUへの報復をアメリカ政府にモンサントが要請していたと、ウィキリークスがリリースした外電を公表している。
日本は、GM作物については市民レベルの抵抗はあるものの、基本的にはアメリカの言いなりである。TPPという無関税システムは、はさらにそれを加速させることになる。