そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

アベノミクスを虚偽の数字で支えた勤労統計の不正調査

2019-01-25 | アベノミクス

「漫然と踏襲し放置した」と、毎月勤労統計不正問題を調査していた特別監察委員会がだした結論である。組織的な関与や隠ぺいはなかったと結論をだした。隠したけど隠ぺいはなかったということである。まるで人は殺しましたが、殺人はしていませんと言っているに等しい。
厚労省の内部職員と外郭団体など関係者だけの身内の調査で、22名の処分を発表して一件落着を狙ったものである。以下も、実行犯である都の調査は全く行っていない。たった一週間の調査で処分はもう終わってます、後なにかというところか。
抽出の布施調査が始まったのは15年前になるが、小泉竹中の時代である。恣意的でないはずがない。途中で幾人かの官僚が気が付いたようではあるが、自浄能力をなくした官僚はズルズルと踏襲したのである。
しかもこの2、3年は補正までやっている。気がついていたのに報告もしていないだけではなく、2018年には21年振りに3.2%の増加という、偽装と思われる数字をたたき出している。

不正調査を始めた動機や目的が今回の内部調査では解明されていない。東京都の要請とされるが都はこれを否定している。地方のお役人が、国の官僚に逆らえるはずがない。国の「事務取扱要領」からも削除されていた。その経緯も不明のままである。こうした基本的な部分の手直しは部長以上が関わらなければできるはずがない。政治家の介入か示唆かあるいは忖度がなければできはしない。
GDPの改編といい、日銀の強引な株の買い占めといい、今回の勤労統計不正調査といい、実質賃金の減少や貧困層の増大という現実を隠ぺいし、アベノミクスが成功しているとの作業の一環と言えるだろう。

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