そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

玉子が物価の優等生でないことがバレてき始めた、原発のように

2023-04-08 | アニマルウエルフェアー

たった三羽が鳥インフルエンザ陽性でも、30万羽殺処分されると報道しているが、これが同じ場所での経営なら致し方ない。これに対して、国は家畜伝染病予防法で農家に補償金を出すことになる。1羽について350円+採卵鶏分40円程度支払われる。約400円としても、10万羽で4000万年支払われる。大体30万羽程度がいつも対象になる。約1億円以上が払われていることになる。
この一年で、鳥インフルエンザで1750万羽殺処分されている。約70億円補償金が支払っていることになる。これは有畜農家に対して家畜伝染病予防法による決め事である。家畜に対して世界に長けた保障をこの国はしているが、10万羽以上を飼育する養鶏場はどう見ても農家とは思えない。農業法人であるが、農地もないし、殆どが農協組合員でもない。
こうした大規模養鶏場は、安価な穀物を輸入して鶏を介して、高価な畜産物商品に変換する、畜産加工業と私は呼んでいる。こうした企業に農業予算が充てられることに、大いに不満を持っている。農業予算が農家に回ってこない例の一つである。
日本は飼料用穀物を2000万トン弱輸入しているが、約半量を鶏が食べている。ブロイラーと採卵鶏であるが、この穀物量は国内生産のコメの量を二割も上回っている。こうした大量飼養の形態は、アニマルウエルフェアの観点から、とりわけケージ飼いはヨーロッパではすでに禁止されている。大型養鶏場に殆んど発生が限られる、鳥インフルエンザのような病気は、抗病性のない不健康な鶏に発生がほぼ限られている。
鳥インフルエンザで、全羽処分されたところのいくつもが再開しないところを見ると、焼け太りと言われても仕方あるまい。
EUではケージ養鶏を禁止しているが、日本がこれに後れを取ったのは、養鶏業者がアニマルウエルフェアに恐れをなして、吉川貴盛農水大臣に献金したためである。たまたま、河井夫妻の公職選挙法違反捜査の過程で、発覚した農水大臣への賄賂である。養鶏組合は、農水大臣になった人物に、盛んに献金を繰り返していることも分かっいる。

物価の優等生と持ち上げられてきた玉子であるが、感染による保障やその処理なども含めれば、この一年で多分100億円を上回っているだろう。この金は全て消費者、納税者が負担することになる。
原発が安い電源と言われながらも、一旦事故があれば税金で補填する。決して安くはなかったことを、消費者は知ることになった。玉子も同じである。安いようように見えても、その後の保障や対処、それに穀物輸送に係わる大量のCO2排出や、穀物生産に係わる大気や水の汚れやCO2排出も含め、後世代が担うことになる。
玉子は物価の優等生にみえても、それは店頭の価格でしかなく、倍に増す環境汚染の源となっていて、伝染病の保障など消費者が負担していることを知るべきである。

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1 コメント

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Unknown (ロデム)
2023-04-14 22:51:29
原発回帰が謳われるようになっていることを考えると、国民の大多数は経済第一主義から全く抜けきれないようです。食物も同じ、価格第一主義。のど元過ぎなくても忘れる、いや、考えようともしない。驚くほど自分事として物事をとらえることができない人間のなんと多いことか。
これでも卵はまだ十分に安価です。こんなことでもないと価格を上げることもできない。生産が戻ってきても、業者側としては価格は現状以上を維持するべきでしょう。
『生きることは食べること』食を他人のお世話になって、つべこべ言うもんじゃありません。文句あるなら自分でやってみましょう。ありがたみを必ず感じるでしょう。感謝して食べましょう、『いただきます』ですね。
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