そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ダムも空港も同じ問題である

2009-10-13 | 政治と金

鳩山政権は全てのダム建設の見直しを公約に当選した。困難なことであっても、これまでの自民党政権が利権を軸に、政治決断をやってきたことの尻拭いである。今、目の前にあることだけで判断しては従前の手法と同じになる。

4ツ場ダムに住民として前原大臣に陳情に行き、発言していたのはダム推進派の長野原町町議であることもばれている。北海道で見直しの対象になっているダム関係者の発言も、工事による何らかの受益者である。千歳川放水路問題でも同じであった。そしてその仲介者でもあり推進者でもある北海道知事の推薦団体が、いまだにダムに象徴される公共事業に依存しようとしているのである。

公共事業は必要である。空港もダムも港湾も民間がやる事業ではない。更に、公共事業は景気回復のきっかけになるかもしれない。あるいは、景気の下支えをする効果は誰も否定はしない。しかし、恒久的な産業の育成にはならないし、新たな産業の出現を促す効果はあっても育成させるわけではない。公共事業は恒常的に行われるものではないのである。

日本が他国と大きく異なるのは、公共事業そのものを産業としている企業が存在することである。公共事業そのものがなければ存在すらできない企業は、生き残るために政治家と官僚を動かさなければならない。政治家には地位と票を、官僚には天下り事業団の受け皿を用意してやることになる。

その結果、公共事業を永久に探し続けることになるのである。なければ作り、作るためには政治家と官僚の合同作業が必要になる。その犠牲になったのが、ダムであり道路である。更に、この狭い国土に、100近い空港を作ってきたのである。計画がいかに杜撰化は、ほとんどの空港が計画に対して、ひどいところでは10%程度しかない現状である。

農業も同じである。農業に対して画期的な事業はこの半世紀ないが、道路だけは整備され続けている。農家がほんの少ししかないのに、信じられないほどの道路を“基盤整備”として作り続けている。門外漢であるが教育も同じである。教育者の育成は単に右傾化教育である一方、校舎はとにかく立派になってゆく。食や人に公共事業が使われるのではなく、やけに立派な構造物の建築に熱心なだけである。民主党の、「コンクリートから人へ」を、監視しながら支持したい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本と反対の結果になったドイツ

2009-10-12 | 政治と金

9月27日に行われたドイツの総選挙の結果は、日本とほとんど正反対の結果になった。4年前0910 にキリスト教同盟(CDU)と社会民主党(SPD)の2大政党が、いわば両すくみの状態で大連合を組んだ。お陰で、審議もろきにしなくてもいくらでも法案が通ってしまう状況になっていた。日本ではこれを見習い、ナベサダの口利きで福田康夫と小沢一郎が画策した大連合であるが、鳩山や菅の反対でとん挫した。

こうした大連合に、今回の選挙で国民は待ったをかけたのである。キリスト教民主同盟と社会Photo 同盟(CSU)の同盟UNIONが239議席で13伸ばし、社会民主党は146議席で76減、UNIONと今回連立を組む自由民主党(FDP)が93議席で32増で大痛手を食った。その他の少数政党、左派党が76議席で22増、緑の党が68議席で17増とが勢力を伸ばした。

CDUのメリケルはCSUの同盟を組み、FDPと連立政権を組むことになった。前回大連合の相手となった、左派の社会民主党の凋落は激しいものであったが、少数政党が存在観を示した形となった。

日本と形は異なるが同じ小選挙区制度のドイツは、日本の選挙結果とは異なり少数政党の乱立になった。日本は民主党の一人勝ちになったが、メリケルはSPDを切ることで企業寄り政策や原発の復活などに動くようである。

日本では2大政党を前提とした小選挙区制度であるが、今回のような大激変が起きることもある。ドイツはいまや5党体制になって、これからしばらくはいくつかの政党が連立を組むことになる。日本の自民党が最後の悪あがきに見せたような、どう見ても意味不明のばらまきや補正予算を節操なく出すことも、可動的な連立が恒常化することでなくなるのではないだろうか。現在のような選挙態勢だと、継続的な体制となりにくくなるのではないかと思われる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今こそトービン税の導入を

2009-10-11 | 政治と金

世界の金融取引市場を、勝手気ままに席巻した経済や人間生活とは全くかけ離れた株取引で、世界を100年に1度といわれる大不況に陥れたのは、金融工学という摩訶不思議な手法である。経済学などは全く知らない門外漢が、株取引の動きを分析して僅かな動向から、価格の変動を予測して、瞬時に大量に株を買ったり売ったりするテクニックである。

コンピュータ操作と、数学的な能力に長けているだけでいいのである。僅かな価格動向を察知し55 て、一日のうちに何度も売ったり買ったりするのである。例えば、10円株価が上がっても100万株持っていれば、数秒のうちに1000万円儲かるのである。

こうして儲けたお金が、アメリカなどの銀行や金融商品取扱業者に集中したのである。リーマンブラザーズなどはそのいい例である。産業としての実態や、企業としての社会的な貢献などどこにもない。株の取引には税がかからないので“タックスヘイブン(無税金天国)”と呼ばれている。

トービン税とはこうした取引の度に、低率でもいいから課税するというものである。ノーベル経済学賞受賞者、ジェームス・トービンが考えた課税方法である。マネーモンスターとなった企業が落ち込んでいる今だからこそ、影響力が小さく取り組むことができる。トービン税の導入をするまたとない時期である。

国際間の金融取引は、年間300兆ドル以上に及ぶと言われている。1日に当たり1兆ドル、つまり100兆円である。この90%以上が投機目的の、短期的取引であると言われている。全ての金融取引に0.005%課税するだけで、年間500億ドルにもなる。これは世界のODA資金と同じ額になる。

これらの投機的資金は、僅か0.005%であっても同じ金が何度も課税の対象にされるのである。投機だけで営む企業が社会に貢献するほとんど唯一の方法である。世界の経済活動が健全化するためにも、金融危機を体験した今こそトービン税の導入をするべきである。ベルギーが07年に導入したが、特定の国だけが行うことはいろんな意味で不利になる。せっかくG20までになったのだから、この会議で導入を真剣に検討するべきである。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

またまた、米国産牛肉にBSE危険部位混入

2009-10-10 | ゲノム編集

またまた、米国産輸入牛肉からBSEに関して除去を約束していた、脊柱部位の混入があった。もうこのブログで何度も書いているが、アメリカにはこうした部位を適切に選別するシステムそのものが存在しないのである。

日本向けの牛肉は、高価で販売できるから辛抱強い業者が対応しているだけである。しかし、それでも到底無理な要求なのである。今回で、特定部位の混入は3度目である。輸入条件そのものについていえば、13件目なのである。その都度報道が小さくなるのは、またかと思う日本人にはあまり受けないので、報道の方がそれに応じた形になるのである。

今回は、食肉大手のタイソンフレッシュミート社のレキントン工場(ネブラスカ州)から輸入したもWq_cowsのである。732箱(約15トン)の中の1箱(約16キロ)である。この工場からは、07年2月にも月例証明のない牛肉が輸入された経緯もある。確信犯とまでは言うまいが、自国内ではこのような対応をやっておらず、意識が全くないとしか言いようがないのである。

アメリカのと畜場の実体は、衛生管理も個体管理もまったくお粗末なものである。日本のように、獣医師の解体と畜の確認数の制限などもなく、解体者も極めて安価な時給で雇用されている。アメリカ人はとにかく安い牛肉を食べたいのである。多少のリスクは容認する社会風潮なのである。

アメリカでBSEが確認され、輸入規制にかけられたが、これを強引に取り払ったのが、小泉内閣である。先導したのが麻生外務大臣である。学者による科学的な検討に意味がなくなり、その後BSE検査委員の半数がこの時辞任している。

食料を他国から輸入するということは、こうしたリスクを容認することである。食文化も歴史も気候風土も異なり、当然法体系も異なる国から食料を恒常的に輸入することは、国家として国民の健康や生命を他国に委ねることを意味する。食料を自給するということは、自国の文化や生命を守ることでもあるのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノーベル平和賞受賞のオバマは即刻停戦を

2009-10-09 | 政治と金

アメリカのオバマ大統領が、ノーベル平和賞を受賞した。何とも奇異に思われる決定ではないNobel_peace_か。確かに、オバマは核兵器の廃絶を訴えている。イラクからの撤退もなんとかやろうとはして  いる。ブッシュの一国主義から、国際協調路線の転換は評価されいい。

しかしながら、今年1月に就任したばかりである。あちこちでの演説には傾聴ない値するものがある。しかし、いまだ実績はないと言ってよい。世界各国では、アメリカがらみの紛争は絶えまなく続いている。その最高責任者である。

考えてみると、すっかりウソがばれてしまっている”非核三原則”の提唱でノーベル平和賞を受Photo賞した、日本の佐藤栄作がいる。良心的に解釈すると、世界が核兵器のない世界を希求している証しだと言えなくもない。それにしても、唐突な感じは否めない。

オバマがノーベル平和賞に値すかどうかはこれからの行動力と、実績あるいは結果にある。オバマがノーベル平和賞に値すると自負するならば、イラクは当然のこと増派を検討中のアフガニスタンから撤退するべきである。

このひと月の間、パキスタン北部とアフガニスタンでは、連日ニュースにならないほどの200910975526721112_3戦闘や 自爆テロが相次いでいる。オバマが仕掛けたわけではない。ブッシュが一国主義を貫きとおした結果である。しかし、これを止められるのも、今はオバマしかいない。

国内的に医療制度改革などで、支持率の急落するオバマにとっては有難い受賞である。受賞を喜ぶだけでなく、ノーベル平和賞に値する行動を、今後もとっていただきたいものである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イラク派兵の活動実体が明らかになった

2009-10-08 | イラク

09年7月に、自公政権がイラク特措法で、自衛隊を戦地に派遣した。航空自衛隊が、主に国連や連合軍(?)を支援すると説明した後方支援である。野党が何度もその支援の実態を、国会で追及したが、自公政権はそれを明らかにはしてこなかった。

Photo 政権交代が起きて、今回共産党が同じ質問を出した。北沢俊美防衛大臣は9月24日に全面開示に応じた。左の写真は、自衛隊の後方支援の報告書である。右側が、重要なところを黒く塗りつぶした、自公政権が提出したものである。左が今回全面公開した資料である。政権が変わるとはこういうことかもしれない。

これでイラク派兵の活動実態がはっきりした。延べ4万5000人の自衛隊員が投入された。米軍の搬送が63%、自衛隊関連が26%、自公政権がメインとしていた国連職員が僅か6%である。自衛隊員の搬送は一体化するもので当然の作業と考えると、すべて米軍の支援であったと言っても過言でない。

何処が人道支援なのか?何を持って復興支援とするのか?自衛隊派兵がインチキだったことがはっきりした。根拠のない不条理な理由による米軍侵攻を、小泉政権が支援したのである。アメリカですら間違いを認めているし、最も緊密な行動を取った英国も、閣僚が反省のコメントをしている。

昨年4月に名古屋高裁が、イラク特措法に基づく自衛隊の派兵はは憲法違反の判決を下している。日本も政権交代した今、公式にこの戦争支援の過ちを認めるべきではないか。小泉が犯した過ちは、内政だけではないことを確認するべきである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

五輪招致ドタバタ顛末の記

2009-10-07 | 政治と金

国民的支持もないまま、石原慎太郎知事が強引に突っ走り、行くところまでいった感のある「東01京五輪招致劇」は、失敗に終わった。社民党は当初から反対であったし、民主党も挨拶に来なかっ たとかで難色を示していた。与党になったら、石原知事はやたらと丁重になり、挨拶に鳩山の元に赴いた。

これに応えて鳩山がコペンハーゲンの、IOC総会に出向いて招致への挨拶をした。これで鳩山は、石原慎太郎に貸しを作った。石原の出馬しない時期都知事選挙に、微妙な影響が出るだろう。鳩山のしたたかな計算がここにある。

最終選考に残った、4都市のうちで2度目は東京だけだった。前々回になる北京の隣の都市でもある。国民の支持が圧倒的に低かった。旧施設を使うことの有利性よりも、新鮮味のないことの方が目立ってしまった。要するに、東京五輪招致は石原知事の人気挽回に打って出た奇策であって、強引な引き回しで決定されたのであって、落選は当初から目に見えていた。

第三者的にみても、初めての開催となるブラジルに落ち着くのが妥当であった。南米初であることや、経済成長の真っただ中にあるBRICsの一つでもある。最終投票の投票数の多さに、世界の期待が見て取れる。

石原知事はよほど悔しかったのだろう。良いだけ悪態をついてしまった。「変な力学が働いた」と抽象的な発言で終わればよかった。しかし、ブラジルはアフリカ諸国の援助を約束していただの、戦闘機を買い付ける約束をしたいただの、風評の類のことをリオの勝利の理由と大っぴらに発言したのである。

ブラジルは、国際オリンピック委員会へ石原知事の発言を抗議することになったようである。日本国内なら、強気も通じるかもしれないが、国際問題となるとそうはいかない。プライドの高いブラジルは、メンツを汚され黙ってないない。

石原知事は東京銀行で失った人気の回復を、五輪招致にかけたのである。立候補の一番目の公約に掲げていた。晩節を汚す行為が連綿とつずく石原慎太郎である。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世界酪農こぼれ話

2009-10-06 | 政治と金

今年のイグノーベル賞獣医学賞に、「乳牛を名前で呼ぶと乳量が増える」というのが選ばれた。この研究者の表題は、人と牛の関係が深いほど乳牛の乳量が増えるというものである。その一つとして、常日頃から牛を名前で呼ぶことを挙げているのである。

名前で呼ぶ農場の乳牛の方が25.8リットルも多いと報告されている。専門家の報告ではないので、全体像が見えない。これは一頭当たりの乳量とは思えないが、一日の乳量か、一年の平均乳量かもわからない。論文は人と牛の関係の数値化を試みてはいる。

一般紙は、牛に名前をつけると乳が増えると、面白おかしく報道している。乳牛に不快な音を聞かせ続けると、乳量が減ることも解っている。反対にクラッシック音楽を聞かせると、3%ほど乳量が増えることも報告がある。乳牛はことほど左様にデリケートな動物である。

乳牛は、分娩前の2ヶ月間を乾乳と呼ばれる時期があり、搾乳をしない。この時期に、青草に付けていると、分娩後の病気が多いという日本の獣医師会で報告があった。しかし、青草に付けることは、牛から目を離すことも意味しているのであって、一般管理がおろそかにもなるのである。複雑な飼養条件がある中、一つのことを取り出して、これが良いと単純な判断は間違いを起こし易い。生き物を扱っている畜産農家では、あまりにも多くの条件が複雑に絡み合っているものなのである。

イグノーベル賞に、難癖をつけるような無粋なことはやりたくはないが、名前を呼んだくらいで牛が健康になるとは思えない。

左の写真は、Milkprotest600ベルギーの酪農家がストリートパフォーマンスをやっている、とニューヨークタイムズの記事である。(クリックすると大きくなります)乳価が安いとデモをする現場の写真である。牛乳を警官の盾にぶつけているのである。これは結構難しい技である。日本のおとなしい酪農家に比べ、ヨーロッパの酪農家にはまだ根性が残っているようである。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

都市鉱山のレアーメタル回収を

2009-10-05 | 政治と金

先日女房の携帯電話の更新につきあって、販売店に出掛けた。その種類の多いことに驚かされた。機能の多様さには理解できないものが多い。店員も価格を教えてくれるだけで、内容の4把握までには程遠いものがある。店員を責めるには酷である。やたらときれいなカタログを紹介するだけといってよい状態であった。

携帯電話は希少金属(レアーメタル)の塊だと言われている。世界的な停滞電話の普及と、イノベーションによる際限ない更新でレアーメタルのニーズが高まっている。コルタン(タンタル)という物質は、コンゴで多く採られている。Photo

この利権を巡っての内戦が続き、東ローランドゴリラの棲みかが脅かされている。ゴリラの世界的権威として知られている京都大学の山際壽一教授が、ゴリラ保護を訴えてケータイゴリラ活動をやっている。携帯電話の回収を高めることで、コルタンの価格を抑え回収したお金をゴリラの保護に使うというものである。

東ローランドゴリラは15年前までは1万頭ほどいたが、現在は3000頭を切っているとのことである。以前にも紹介したが、棲みかを追われるだけではなく食用に獲られたりもしている。内戦による貧困の結果である。

ニッケル鉱山は赤道直下に集中している。天国に一番近いと言われたニューカレ3ドニアでは、ニッケルの採掘で森林の伐採が激しい。ニッケル鉱床は地下20メートルほどにある。そのため広く浅く削り取られ、森林から流れ出た水は真っ赤になって流れ海をも染めている。1

携帯電話のレアーメタル回収には、都市鉱山と呼んで運動が展開されている。しかしその動きは決して大きくはない。重厚長大産業時代と異なり、IC機器が世界を席巻する時代になった。それまであまり見向きもされなかった、希少金属が価格の高騰を背景に、世界中のへき地を傍若無人に採掘しはじめた。

日本はこうした金属の回収技術には長けたものがある。現実にコンピュータなどから高価な金の回収には、相当量の成功を収めている。技術大国日本の環境対策とはこうしたことでも、世界をリードすることなのである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペットボトルの使用を禁止した田舎町がある

2009-10-04 | 政治と金

オーストラリアの、人口わずか2000人のバンダヌーンという村で、ペットボトル入り飲料の販売を禁止する条例を9月26日決定した。7月の住民投票は355対1の圧勝だった。

http://www.smh.com.au/national/nsw-town-dumps-bottled-water-20090926-g6ry.html

ペットボトルメーカーによる地下水開発反対がきっかけだったようである。ペットボトルの禁止を行政が行ったのは世界で初めてだそうである。

日本では、ペットボトルは丁寧に回収されている。2008年現在、57万トン製造されて、40万トン回収されている。まじめできめ細かい日本人の典型的な現象である。再利用されたペットボトルは多くは化学繊維になっている。廃棄されるよりはよっぽどましだと思うが、ペットボトルをほとんど使用しないものにとっては、どこか変な現象である。

善良な市民は、ペットボトルの回収が、環境保護なると固く信じている。あるいは、ペットボトルの回収に協力的であることで、環境問題に免罪符を得ていると思いこんでいる。これは回収にかかる費用やエネルギーは、環境保護のためなら仕方ないと信じる、笑うに笑えない現実である。

そもそも、あれほど手をかけ多くの国際紛争や社会問題の種になっている石油より、格段に高いペット飲料である。ガソリンは120円ほどであるが、1リットル100円以下の飲料はない。ガソリンのほぼ倍の価格を消費者に押し付けているのは、中身の飲料ではなくペットボトル価格であると言って過言でない。

バンダヌーンの町には、24時間開いている無料の給水所が4か所設けられた。そもそも世界中の水道水のほとんどを、無処置で飲めなくしたことが問題である。画期的な対策をしたオーストラリアの小さな町には、国内はもちろんのこと世界各国から問い合わせが殺到しているとのことである。

ペットボトルの使用禁止は、レジ袋の禁止より地球温暖化効果について格段に効果的である。回収のシステムをいくら検討しても、あるいは再利用の論理をいくら積み上げても、使用しないことに優る環境保護はない。業界や経済効果などから(作って回収する方が経済効果が大きい)当分は、国単位では動かないあろう。我々が、本当の環境問題はないかを小さなところからでも始めるしかないのではないか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

景観の公益性を認めた画期的な判決

2009-10-03 | 政治と金

鞆の浦の海岸を通り抜ける道路と駐車場の建設を巡って、画期的な判決が下された。広島地090930裁の能勢顕男裁判長は、「鞆の浦の景観は住民らの利益に止まらず、っ瀬戸内海の美観を構 成し、文化的、歴史的価値を持つ国民の財産というべき公益」と認め、道路建設や駐車場の持つ公益を上回ると判断し工事の中止を命じた。

10年前に、国立のマンション建設に当たって、桜並木の景観が損なわれるとの訴えを認めた判決が下った例がある。対象は民間の建築会社であった。今回は、民主党が政権を取った直後の、公共事業への裁判所の判断である。

日本の裁判官は、永久政権であった自民党の意向に逆らった判決を出すと、地方を回されるなどの冷遇を受けることになっていた。とりわけ、自衛隊に関す002ることや国政に係わる訴訟では、国の意向に逆らう訴訟の判決は、できるだけ係わらない内容 にすのがせいぜいであった。今回の判決を聞いて少し風向きが変わった気がすると思ったのは、私だけではないだろう。

景観が重要な公益であるなら、これに反する公共工事はごまんとある。知床のウトロ漁港にできた埋め立て地もその典型であろう。こともあろうに、道の駅と知床ネーチャーセンターが建てられている。景観破壊の解りやすいのは、スキー場とゴルフ場である。

スキー場は遠くからでも違和感のある傷跡を、山の斜面に残している。アルペンに似せたゲレンデを作るためである。ゴルフ場に至っては、多くの場合里山と言われるような地域を剥ぎとりって、イングランドの景観に似せ木を切り芝を播くのである。里山は景観に限らず、いろんな意味で公益性が高い。

不便性を残してまで、あるいは経済的効率に逆らってまで、景観を守る時代になったのかもしれない。民主党の、ダム見直しや鞆の浦判決を受けて、やっと時代も転換点に立ったのかと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自民党の再生の道は失せたか

2009-10-02 | 政治と金

自民党の再生がこの国の将来を左右する。多分相当の期間民主党政権が続くであろうが、それを健全化するのは自民党の底力だろうと思う。が、総裁選挙の貧相な論争と、谷垣禎一新総裁の挨拶やその後の言動を見ていると、とても再生するとは思えない。

民主党の新閣僚ははつらつと動いている。結果がどうあれ、今のままだとかなり結果が思うようにならなくても、多くの国民は寛容に対応してくれるものだと思える。それに引き換え、結果的に派閥の論理から安全パイとして、谷垣禎一を総裁に選んだ自民党は、新鮮味のない政党に堕落しまった感がある。

自民党の再生は、純粋な右翼政党として国粋主義者の理念を前面に出して存在感を示すか、自由主義経済の発展を鮮明に打ち出し小さな政府として新自由主義を標榜するか、あるいはリベラルな中道色を出すことで大きな政府を目指すのかしかない。これらは元々自民党が抱えおり、内部構成していたものでもあった。

これらを順次回すことで、自民党は疑似政権交代をやってしのいできた。それらは権力を持つことで初めて可能になる組織体でもあった。野党となって、政権という接着剤がなくなり、活力源であった派閥の意味合いも薄らいでしまった。

自民党は野党になった今こそ、旗色を鮮明にしなければならない。その時期に、よりによって谷垣禎一という最もわかりずらい人物を総裁に選出したのである。あれも良いけどこれも理解できると言う、八方美人の典型である。このままでは自民党は、何の色合いも出すことなく分裂してしまう可能性がある。

これまでの自民党政治の総括も何もやっていない。極めつけは、八ツ場ダムに視察に出掛けて、民主党の対応を「結果りありきの暴力的な政策である」とコメントしてるのには、あきれてしまった。結果ありきで強引に事業を押しつけてきたのは、自民党のこれまでのやり方ではないか。ダムに賛成した地元住民はいない。賛成させられただけである。

何処のダム建設でも、緊急性を要すると言いながら数十年は平気で放置し、土建屋を食わせるだけの、集票マシーン作成の計画ではなかったのか。それならダム建設に至るまでに何らかの治水、利水対策をやったのかというと、その形跡はどこのダム計画でもほとんどない。

自民党は活力源として常時抱きかかえていた政権を失った。自民党を束ねるには、当面強引でも存在感のある人物が束ねなければならない。谷垣禎一は終戦直後、憲法改正員会の委員長を務め、後に民主党を創立した芦田均の後継の谷垣専一の息子である。政治姿勢としても、民主党の中枢の人たちと変わることもない。

このままだと、来年度の参議院選挙でまた自民党は敗北をして、谷垣総裁が辞任して総裁選が行われるか、大きく分裂することになるかもしれない。それも日本にとっては不幸なことなのである。しかし、自民党の再生は当分なくなったと見る現状にあるといえる。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

建国60年の陰で

2009-10-01 | 中国

F2009100113582100434_2  今日は国慶節である。とりわけ今年は60年目になり、軍事パレードなど一段と華やかである。胡錦濤が突如として人民服を着ているのには、いささか驚いた。パレードで毛沢東と鄧小平の肖像が高く掲げられてが高く評価されていいた。革命と改革開放を行って今日の中国があるというのである。

胡錦濤の演説も、今日の中国の経済発展の実績を強調している。中国共産党の業績であると自負している。今の体制がどうして社会主義体制なのかは理解できないが、経済発展が多くの矛盾を取り込んでいる限りは、この体制が続くことにはなりだろう。

最も大きな矛盾の一つに、民族問題がある。とりわけ、新疆ウイグル自治区では深刻である。チベットこと異なり、多くの鉱物資源があるからである。30年目に訪れた、石河子という小さな村があった。今は巨大な、砂漠に広がる直線道路で区画された、近代的な計画都市となっていた。人口は60万人にもなっていた。住民の90%以上が、漢族である。

農業開発者として入植した漢族たちは、新疆生産計画兵団としての側面も持っている。今年の090708 7月に暴動が起きた時などには、大いに活躍した。明治時代に、北海道のアイヌの土地に、日本人が屯田兵として半農の兵士を送ったことを彷彿させる。この時の暴動では、190人が死亡しているが、多くはウイグル族である。(ウイグルの発表では、死亡者は1000人を超えているとのことである)

漢族の兵団は、裁判権もあり告発することできるとのことである。ウイグル族の人たちは、兵団そのものが違法な存在であると訴えている。

今日の中国の経済発展の陰には、国内収奪のシステムがある。少数民族に実行的な自治権を与えない限り、同じような問題はとめどもなく起き、不信感は増大するばかりである。ダライ・ラマがいない分、あるいは10ほどの民族が混在するた分、新疆ウイグル自治区方が問題が深刻である。社会主義を標榜する資格が、中国政府にあるのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港