下の図は震災当日の震度を記したものである。震源地を飛びこして、志賀原発ほぼ直上で震度7になっていた。当日の速報なので、原発ムラの連中も知ることもなかったであろう。
それにしても飛びぬけて、志賀原発の所だけ震度が高い。地質は均等ではないものの、半島全般では多分安山岩であまり変わりはしないはずである。この飛び抜けて志賀の震度が高いのは、大きな断層があったためと考えるのが自然である。上図左は半島周辺の活断層。右は志賀原発周辺の断層である。
断層が活断層かどうかの正確な判断は、潜在部の観測だけでは断定もできない。今回の地震の伝搬を見ると、観察された以外かあるいはそれ以上の活断層と言っても良い断層があったことが強く疑われる。
ところが、外部電源の一部を喪失し、変圧器の配管が壊 れて油漏れや核燃料プールの水漏れなどはあったが、原子力規制委員会は「大きな異常は なし」と発表している。
2日の志賀原発の北陸電は、油漏れは 1 号機で 3600 リットル、2号機 で 3500 ℓ、計約 7100 ℓの油が漏出し、外部から受電する系統の一部が使えなくなり、別の 系統に切り替えて電源を確保したとのことである。敷地内にある取水槽の水位につ いて「有意な変動はない」と発表していた。
水槽の水については、その日深夜に「約3m変動していた」と訂正した。
ところが、5日になって北陸電力は、『2号機の別の箇所からの油漏れもあり、漏れは1万 9800 ℓに達し、新たに船荷を陸に揚げる場所で舗装コンクリートの沈下なども確認したと 発表。また、変圧器からの絶縁油漏れは当初はコンサベータと呼ばれる油劣化防止装置内 の量だけを想定していたが、変圧器本体の一部などからも漏れていたことが分かり、絶縁 油と消化水などを含めてドラム缶 123 本分にあたる約2万 4600 ℓを回収したと発表した。 さらに、船荷を陸に揚げる物揚場では舗装コンクリートが最大 35 ㎝沈下、今後詳細に状 況を確認して補修するという。1号機で高圧電源車を使用する場所付近にも数㎝の段差が できていた』<日本経済新聞>と発表している。
流石に、日本初の臨界事故を8年以上も隠蔽してい志賀原発である。事故当初は渋々過少発表し、頃合いを見計らって津黄のいい部分だけを小出しに発表するのである。
多分この能登半島震災で、新潟県の柏崎原発はプールに放射性物質を含む水があふれたが処理したと発表しているが、近隣の福井県の原発についてはないも発表がない。
これを受けて、規制委員会も志賀原発の上述の事故に関して「大きな異常はなし」と発表している。
これまで私たちは、原発ムラの虚偽発表や隠ぺいを数限りなく見てきた。志賀原発の震災関連事故の実態はどの様であったかを、見損なうことなく注視していきたい。
大地の変動の痕跡ともいえる断層を無数に抱える上に、原発を置く無神経さと、それを継続し新設まで考える日本政府は狂っている。
震災当初日の志賀原発震度7