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日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

1枚の写真を見ながら

2005-06-02 21:13:09 | 子育ての周辺
娘が中国の雲南省の山岳民族の家族と一緒に写っている。
「お母さん、この人がガイドさん。私、彼に普段の日当の3倍のお金を払って頼んだんだ」と、娘が写真の中のひとりを指差す。
赤銅色に日焼けした顔の40歳ぐらいの男性。
「私、いろんな人に心配してもらった。このをガイドを雇って尋ねる時、麓の村の宿のおばさんが、この人に言ったらしいの。『今日必ず、無事にこの娘を連れて帰ってくるんだからね。もしそうじゃないと、今後この村では暮らさせないからね』と。
だから、この写真の家族が私に『泊まっていけ』と、勧めてくれたのだけれど、この人が絶対ダメだといって、麓までも戻ったの(勿論電話などはない)。
以前はガイド料100元もらったことがあるというその人に、『この子は学生でお金がそんなにないからね』と、値切ってくれたのもそのおばさん。
このガイドをしてくれた人は、頼まれ仕事を1日10元でやりながら、この村にいついている人。若い女の子が、そんな人をガイドに雇うことの危なっかしさを心配して、きつく言ってくれたんだろうね。
そう、外から来る人には気難しいから手土産には酒がいいと教えてくれたのも、その赤銅色に日焼けしたガイドさん」。
尋ねる娘は21歳なのに、手土産はまったく40男の発想です。

殺伐としたニュースが流れる毎に、誰が悪い、何が悪いと、責めるような流れがおきて、今の世の中物騒だと片付けられがちです。
そんな時「そんなことばかりではない」と、見ず知らずの土地で娘が受けてきた心遣いのことが、ふと頭をよぎります。
どんな名前の、どんな人かは全く判らないし、これからも会うことはないだろうけど、外国から来た若い娘の安全のために『必ず、この子を連れて帰るんだからね』と、念を押してくれた女性に感謝です。

当時は、心配する母親を振り切って出かけてしまった娘からの途切れ途切れに入るメールに胸をなでおろす日々でした。そして今は、無事に娘が豊かな経験をひとつ出来たことにありがたいなとと思います。目の前に元気な娘がいて、土産話として聞くことができる、そのことが幸いそのものです。
きっと、若者の一途なエネルギーと、それをまぶしく、そして危なっかしく見守る立場の年取った者の葛藤はどこにでもあるのでしょうね。

後記 ブログを始める前の2月に書いた文を転記しました。
   先日は反日デモが取りざたされたりして、日中間は平穏ではありません。
   国が違っても言葉が違っても、バリアフリーの「心情」は健在の筈です。
コメント (2)
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「ノーネクタイ・ノー上着」騒動

2005-06-02 11:59:52 | 社会問題
「クール・ビス」とネーミングされたそうだ、ノーネクタイ、ノー上着のことを。
昨日一日に何度もニュースで流れていた。
「快適です」「楽ですね」とみんな心地よさを伝えるコメントが続く。
日本の夏が今年から暑くなるわけではないのに。冷房温度を高くして環境にやさしくとか。
暑ければ一枚脱げばよかったものを、今回大発見したように、首相や閣僚、マスコミやデパートが大合唱している。
川口順子さんが外務大臣だったときに「私は、どの国も国民にお似合いの政府を持っていると、以前から思っています」(的確な表現になったかな?)と語っておられたのを読んだことがある。
服一枚脱ぐのに、お上のお墨付きが必要なこの国。そして御触れが出たといって、こぞってニュースに取り上げはしゃいでいるマスコミ、商戦を盛り上げようと必死のデパート。
時代の案内役だろうマスコミやデパートは、結構大人の顔を装っているけれど、お祭り騒ぎが大好きで、あやかれるものがあればなんにでもといった業界なのかも、と見えてしまうのは私だけだろうか。
新品の開襟シャツをお披露目している閣僚達のニュースを見ながら、「自分の国の政府」「私もこの国のひとり」「……」
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