日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

少年の日

2005-06-20 21:41:17 | 子育ての周辺
それは3月に入っていただろうか。
4月には1年生になると心待ちにしていた春。
ちょうど家族5人で晩御飯のカレーライスを食べていた。
「今度○○に引っ越すことになった」
その一言に、息子のスプーンはぴたっと止まり、顔が曇った。
「絶対引越しは嫌だ」「僕一人でもここに残る」「モモ(犬の名前)の小屋でもいいから、僕ここに残る」といって、テーブルにしがみつき、泣き声は止まらなかった。幼稚園の仲間たちと一緒に1年生になるのを楽しみにしていたのにといって、ずっと引きずっていた。
4月、新しい街でぴかぴかの1年生になっても、かつての友達のことでいっぱいだった。
手紙を書いては、早く届くように速達で送ってとせがんだ。
そして、毎日毎日返事が来ていないかと、息子は急いで返ってくるのである。
ーそして念願の返事ー
Kくん おてがみとたくさんえをかいてくれてありがとう。
Kくんあたらしいおともだちできましたか。
ぼくもえをおくります。
Kくんまたおてがみください。       
                                         Rより
Rくんまえのおてがみありがとう。
せっかくおともだちになったのにざんねんだね。
いつか○○にいくよ。いったら あそべたらあそぼうね。
きん肉バスターのえを おくるよ。
まえ、Rくんのてがみがきて なくほどうれしかったよ 
てがみがついたら てがみをおくってね。
                                          Kより
Kくん2かいも おてがみ ありがとう 
パロ・スペシャルのえをうまくかいてくれて ありがとう。
ぼくのでんわばんごうは○○ー○○○○です。
さくらの木はさいていますか。
ゆめのなかで あおうね。
                                          Rより

息子6歳のあの頃から随分の年月。
4月の日差しが差し込む玄関先に座り込んで、返事が届いたことを喜び何度も何度も読んでいた姿は、母親への置き土産。
二人の少年の思いをのせた平仮名文字はあまりにも切々とているので、そっとコピーして父親の机の引き出しにしまっていました。
昨日父の日。そして今日はそのKの誕生日です。


コメント (2)
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「これからは楽しまなくっちゃぁ」と声掛けられて・・・

2005-06-20 07:13:22 | その他
まったく、楽しむと次のエネルギーも出てくるし、それはいいこと。
私自身も、あちこち出かけたりはするし、時間がない人ではない。
でも、スクラム組むように、これとこれと、それとそれと、なんていう、お定まりをぴょんぴょんこなして、それだけでは本当には「楽しく」なれない。
「楽しむにも時間的(年齢的に)に限りがあるからね」
そうかもしれない。
暮らしのことで精一杯の時代であれば、春・秋の祭りが生活の楽しみであり、メリハリだったのだろう。
この若さではこのくらい。この年ではこの程度、もうこの年だからこれだよね。
なんていう相場的な話し方で纏められると、つい一抜けしてしまう。
いつもにこやかに集団の輪の中に入にいる面倒見の良い人に、そういわれると、顔だけが笑い、私個人はどこかを散歩している。
やがては店先に山積みされている「楽しみ」で、ニコニコ顔の人になるのかもしれないけれど、まだ、ちょっと違うぞという自分が残っている。

コメント (1)
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