詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

桜を見る会の問題点(FBからの転載10)

2019-12-11 08:27:58 | 自民党憲法改正草案を読む
朝日新聞デジタル版(https://www.asahi.com/articles/ASMDB5J3KMDBUTFK018.html)(2019年12月10日19時17分)に次のように書かれている。

政府は10日、首相主催の「桜を見る会」に出席していたとされ問題になった「反社会的勢力」について、「あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難」とする答弁書を閣議決定した。
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この決定は二つの問題点を含んでいる。
①「反社会的勢力」の定義が揺らぐのは当然だとしたら、いま、「反社会的勢力」をどう定義するかが語られていない。いまの「定義」をいわずに、「あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難」といってもしようがない。
これは、次のように言い換えることができる。
問題の桜を見る会に参加していたひと(菅と握手をしていたひと)が、かつて暴力団にいた。刑事事件も起こした、と仮定する。しかし、いまは反省し、刑期も終え、完全に更生し、ふつうの市民として暮らしている。もし、そうであるなら、菅と握手しているひとの「過去(経歴)」にこだわって排除するというのは正しいことではない。正義に反する。
「反社会勢力」の定義を、特定の人物にあてはめた場合、それをそのままにしておくというのはおかしい。そのひとの「いまの状態」から定義しなおす必要がある、という具合に論理展開することができる。
ただし、この場合は、「いまの状態」がどういうものであるか、具体的に説明する必要がある。
「反社会勢力」を「いま、同定義するか」、ある人物を「いま、同定義するか」が問題である。
②ここから、次の問題が生まれる。
たとえば、安倍が街頭演説をする。それに対して市民が「安倍辞めろ」とヤジを飛ばす。こうした行為を「反社会的」と定義してしまえば、ヤジを飛ばしたひとは「反社会的勢力」の一員となる。
実際、札幌で起きたことは、こういうことである。
警官が出動し、ヤジを飛ばしたひとを拘束し、排除した。
このときの「反社会勢力」の「定義」は公表されていない。
自民党は2012年の改憲草案に「緊急事態条項」を盛り込んでいるが、「社会的秩序の混乱」ということばの「定義」などは、いくらでも変更できる。
あらゆることは「あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難」である、という言い方を容認すれば、どんなことでもあとから「定義」して「反社会的」と言えるということだ。

今回の閣議決定は、単なる「言い逃れ」の方便ではなくて、「自民党改憲草案」の「先取り実施」なのだ。
ブログで、すでに何度も何度も、そういう事例を指摘してきた。
もう、いくつ指摘してきたか、思い出せないくらいである。
今回、その具体例が、また追加になったのだ。

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