詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

西脇順三郎の一行(107 )

2014-03-05 06:00:00 | 西脇の一行
西脇順三郎の一行(107 )


「郷愁」

女のようにホホホホホと笑つた

 これは単に笑った「森先生」を描写しているのではない。「ホホホホホ」とていねいに「ホ」を五回繰り返している。「意味」ではなく、「ホ」を五回音にしたかったのである。
 その音のこだわりのまえに「郷音」(土地の訛り)のことを書いているが、それも印象的だ。西脇は、標準語の音よりも「人間」の生の声、声がもっている音が好きだったのだと思う。それが、この「ホホホホホ」にも出ている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 坂多瑩子「消息」 | トップ | 陶山エリ「雨のカタコト」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

西脇の一行」カテゴリの最新記事