感染状況ステージ?
自民党憲法改正草案を読む/番外373(情報の読み方)
2020年08月08日の読売新聞(西部版・14版)の1面。新型コロナを巡る問題。
という見出し。なぜ、いまごろやっとなのか。こんなことは2月のクルーズ船のときにやっておくことだろう。そういう批判をせずに、「コロナ分科会」が指標を決めたと報道しても意味はない。
と記事の「前文」にあるが、なんとのんきな「書き方」だろう。すでに「数字(指標)」をたよりに現状を分析する段階ではなく、現場から「数字(指標)」を再点検し(現状を反映させて)、その「指標」でいいのかどうかが問われているときだろう。(37・5度が4日間、という指標が見直されたように。)
国が(安倍が)、現実を見ようとしていないことは、社会面の記事を見てもわかる。
記事は読まなくてもわかることしか書いていない。そして、この「わかることしか書いていない」ということは、ほんとうに大切なことは書いていないということだ。
読売新聞の見出しでは「国指針なく」という文字は小さく、「知事 割れる賛否」の方が大きい。まるで、知事の判断が割れているために、国民がどう行動していいかわからなくなっている、という感じだが。
おかしいだろう。
国がきちんと「指針」を示せば、知事が右往左往する必要はない。知事が「賛否」を言うにしても、それは「国の指針」に対して言うことであって、国民の「お盆帰省する/お盆帰省しない」という「個別の案件」について賛否を言うべきではないだろう。言うにしても、「国がこういう方針を示しているから、それにあわせてください」くらいだろう。お盆帰省は「各自治体(都道府県)内部」の問題ではなく、「県境」を超えた「広域(国全体)」の問題である。
安倍がやっていることは「地方自治体への責任の丸投げ」である。お盆帰省をどうするか、各都道府県が決めればいい。個人の行動だから、個人が決めればいい、という「すべて丸投げ」。「ぼくちゃん、何もしていない。だから、ぼくちゃん、悪くない」が安倍の口癖(正面切っていうわけではないが)。だが、何もしないから、それが悪い(問題)なのだ。
現象を報道する。そのとき「現象」とは何か。
「お盆帰省」について、各県の知事の「呼びかけ」が違っていると一覧表までつくって読売新聞は報道している。その知事の「発言」はたしかに各知事が言ったことを「正確に」報道している。「嘘」を伝えているわけではない。
しかし、各知事がなぜそういう発言をしたのか。その「理由」(根拠)を省略しては、いったい、この国で何が起きているかがわからない。
国は(安倍は)何も言っていない。だから、各知事は、せめて自分の管轄している住民の健康を守ろうとして、発言しているのだ。「原因」は安倍が何も言わないことにあるのだ。
見出しは、
お盆帰省 国指針なし/知事困惑、対応ばらばら
であるべきなのだ。
国に指針がなく、知事の対応(発言)がばらばらだから、国民はどうしていいかわからない、という状態になっている。そういうことを伝えるべきなのに、安倍に遠慮して、安倍の「沈黙作戦」に加担している。
安倍はやるべきことを何もしていない。それなのに「感染状況4ステージ」という時期外れの「指針」を分科会に出させて、何かやっているふりをしている。
そのことを追及すべきだろう。
報道はなによりも「視点」が大事なのだ。どこから見るかによって「事実」は様々な姿を見せる。どうやってその「事実の多様性」を伝えるかが問われているのに、「安倍の視点で記事を書かないと、広告をまわしてもらえない」と「広告獲得優先」(経営保身)で書いてしまっている。
もちろん、「露骨」には、そういう表現をとらない。
だからこそ、よけいに問題なのだ。
社会面の記事は、「お盆の帰省、どうすればいいんだろう」と悩んでいる国民の声を伝えているようで、実は「国は何もしていない」という事実から目をそらさせるように書かれている。悪いのは国(安倍)ではなく、統一方針が出せない知事だ、知事が悪いんだという印象を誘うように書かれている。知事が悪いは、「〇県知事は自粛といっているのに、●県知事は規制しないといっている」という批判の形で、両方に向けられるのだ。帰省できなかったひとは、帰省させない知事が悪いといい、帰省によって感染が拡大することをおそれるひとは規制しない知事が悪いという。その結果、何が起こるか。
国民の分断がおきる。
いま、安倍がやっていることは、国民を分断させること。一致させないこと。分断が広がれば広がるほど、それを統一する「権力」が求められる。安倍の支持率は下がっているが、それを回復するために、こんななくあくどいことをやり始めたのだ。つまり、国民をコロナに感染させ、不安をあおり、分断を推し進め、「統一者を求める声」が沸き上がるのを待つ、という作戦だ。安倍にとっては、コロナ感染が拡大することは、好都合なのだ。ひとは安倍を批判するために「団結」できない。個別の批判があちこちで展開されるだけで、「大衆の声」として組織されることはない。「組織する」というのは、どうしても「蜜」になることだが、その「蜜」は「コロナ感染予防」と言えばすぐに「解散させる」ことができる。
どうやって「声」を組織化することができるか。
マスコミに問われているのは、実はそのことだと思う。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
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自民党憲法改正草案を読む/番外373(情報の読み方)
2020年08月08日の読売新聞(西部版・14版)の1面。新型コロナを巡る問題。
感染状況 4ステージ/病床逼迫・療養数 6指標目安に
という見出し。なぜ、いまごろやっとなのか。こんなことは2月のクルーズ船のときにやっておくことだろう。そういう批判をせずに、「コロナ分科会」が指標を決めたと報道しても意味はない。
国や都道府県に感染状況を把握してもらい、機動的な対応を促す考えだ。
と記事の「前文」にあるが、なんとのんきな「書き方」だろう。すでに「数字(指標)」をたよりに現状を分析する段階ではなく、現場から「数字(指標)」を再点検し(現状を反映させて)、その「指標」でいいのかどうかが問われているときだろう。(37・5度が4日間、という指標が見直されたように。)
国が(安倍が)、現実を見ようとしていないことは、社会面の記事を見てもわかる。
お盆 帰省どうする/国指針なく 知事 割れる賛否
記事は読まなくてもわかることしか書いていない。そして、この「わかることしか書いていない」ということは、ほんとうに大切なことは書いていないということだ。
読売新聞の見出しでは「国指針なく」という文字は小さく、「知事 割れる賛否」の方が大きい。まるで、知事の判断が割れているために、国民がどう行動していいかわからなくなっている、という感じだが。
おかしいだろう。
国がきちんと「指針」を示せば、知事が右往左往する必要はない。知事が「賛否」を言うにしても、それは「国の指針」に対して言うことであって、国民の「お盆帰省する/お盆帰省しない」という「個別の案件」について賛否を言うべきではないだろう。言うにしても、「国がこういう方針を示しているから、それにあわせてください」くらいだろう。お盆帰省は「各自治体(都道府県)内部」の問題ではなく、「県境」を超えた「広域(国全体)」の問題である。
安倍がやっていることは「地方自治体への責任の丸投げ」である。お盆帰省をどうするか、各都道府県が決めればいい。個人の行動だから、個人が決めればいい、という「すべて丸投げ」。「ぼくちゃん、何もしていない。だから、ぼくちゃん、悪くない」が安倍の口癖(正面切っていうわけではないが)。だが、何もしないから、それが悪い(問題)なのだ。
現象を報道する。そのとき「現象」とは何か。
「お盆帰省」について、各県の知事の「呼びかけ」が違っていると一覧表までつくって読売新聞は報道している。その知事の「発言」はたしかに各知事が言ったことを「正確に」報道している。「嘘」を伝えているわけではない。
しかし、各知事がなぜそういう発言をしたのか。その「理由」(根拠)を省略しては、いったい、この国で何が起きているかがわからない。
国は(安倍は)何も言っていない。だから、各知事は、せめて自分の管轄している住民の健康を守ろうとして、発言しているのだ。「原因」は安倍が何も言わないことにあるのだ。
見出しは、
お盆帰省 国指針なし/知事困惑、対応ばらばら
であるべきなのだ。
国に指針がなく、知事の対応(発言)がばらばらだから、国民はどうしていいかわからない、という状態になっている。そういうことを伝えるべきなのに、安倍に遠慮して、安倍の「沈黙作戦」に加担している。
安倍はやるべきことを何もしていない。それなのに「感染状況4ステージ」という時期外れの「指針」を分科会に出させて、何かやっているふりをしている。
そのことを追及すべきだろう。
報道はなによりも「視点」が大事なのだ。どこから見るかによって「事実」は様々な姿を見せる。どうやってその「事実の多様性」を伝えるかが問われているのに、「安倍の視点で記事を書かないと、広告をまわしてもらえない」と「広告獲得優先」(経営保身)で書いてしまっている。
もちろん、「露骨」には、そういう表現をとらない。
だからこそ、よけいに問題なのだ。
社会面の記事は、「お盆の帰省、どうすればいいんだろう」と悩んでいる国民の声を伝えているようで、実は「国は何もしていない」という事実から目をそらさせるように書かれている。悪いのは国(安倍)ではなく、統一方針が出せない知事だ、知事が悪いんだという印象を誘うように書かれている。知事が悪いは、「〇県知事は自粛といっているのに、●県知事は規制しないといっている」という批判の形で、両方に向けられるのだ。帰省できなかったひとは、帰省させない知事が悪いといい、帰省によって感染が拡大することをおそれるひとは規制しない知事が悪いという。その結果、何が起こるか。
国民の分断がおきる。
いま、安倍がやっていることは、国民を分断させること。一致させないこと。分断が広がれば広がるほど、それを統一する「権力」が求められる。安倍の支持率は下がっているが、それを回復するために、こんななくあくどいことをやり始めたのだ。つまり、国民をコロナに感染させ、不安をあおり、分断を推し進め、「統一者を求める声」が沸き上がるのを待つ、という作戦だ。安倍にとっては、コロナ感染が拡大することは、好都合なのだ。ひとは安倍を批判するために「団結」できない。個別の批判があちこちで展開されるだけで、「大衆の声」として組織されることはない。「組織する」というのは、どうしても「蜜」になることだが、その「蜜」は「コロナ感染予防」と言えばすぐに「解散させる」ことができる。
どうやって「声」を組織化することができるか。
マスコミに問われているのは、実はそのことだと思う。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
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