「特殊性」という表現
自民党憲法改正草案を読む/番外183(情報の読み方)
2018年03月09日の読売新聞朝刊(西部版・14版)の一面に、朝日新聞がスクープした「森友文書」書き換え問題の続報が載っている。
メインの記事(見出し)は
財務省は、近畿財務局が作った決裁文書のコピーを4種類提出したが、「書き換え」には言及しなかったというもの。
気になったのは、その「本記」につづいてい書かれている小さな記事(見出しは1段)。
朝日がスクープしたのとは別の文書には「特殊性」という表現がつかわれていたという。こう書いてある。
しかし、これが何を意味するのか、読売新聞の書き方ではわからない。
考えられること。
(1)別の文書にも「特殊性」の表現があったから、朝日がスクープした文書に「特殊性」があったということは、ありうることである。(森友学園を巡る文書には「特殊性」ということばが頻繁に、あるいは恒常的につかわれていた。)
(2)したがって、文書を整理する際に「特殊性」を省略したとしても問題にならない。他の文書で説明ずみなので、重複表現を避けただけであり、文書の「改竄には当たらない」と言いたいのか。(これは、朝日新聞への「反論」にあたる。安倍よりの主張である。財務省側は、おそらくこういう「言い訳」をするだろう。)
(3)あるいは、別の文書にあったのだから、問題の文書の「原本」にもあった。それを削除するのは「改竄に当たる」と言いたいのか。(これは、朝日新聞のスクープを補足することになる。)
(2)なのか(3)なのか、読者にわかるように書かないと、記事の意味がない。
「改竄に当たるのか」「改竄に当たらないのか」ということには触れずに、読売新聞は、こう書いている。
この場合、こういう「特殊性」の事例がどれだけあるかが明示されないと意味がない。森友学園以外とでも、同様な「特殊性」をもった契約をしているのなら、この「特殊性」は許容範囲(?)におさまるかもしれない。しかし、森友学園だけに適用された「特殊性」ならば、なぜ森友学園だけに適用されたのかという問題が起きる。
これは森友学園問題が起きたときから問題視されたことである。
「特殊な何か」が裏で働いているのではないのか。
で、ここから考えられること。
(1)読売新聞のこの記事は、もう一度、森友学園問題の「特殊性」を明るみに出すために書かれたのか。
(2)「特殊性」という表現は、「裏で何かが動いている」ということを暗示するものではなく、単に契約が他の契約と違っていた、と言いたいのか。
読売新聞の書き方は(2)のように読むことができるが、その場合でも(1)の問題、なぜ森友学園だけが「特殊」な処理をしてもらえたのか、という疑問が消えるわけではない。
それにしても。
一連の動きの中で麻生(あるいは安倍もか)が繰り返す「大阪知見の捜査に影響を与える可能性があるので、答弁できない(答えられない)」(2日)とは、どういうことなのだろうか。
私は何かの捜査対象になったことはないので、わからないが、しばしば映画などで見る「証言拒否」は、自分が不利になるから、そのことについては証言を拒否するというもの。不利にならない、あるいは有利になると判断すれば、積極的にそのことを語る。(ときには、捜査を誘導するために積極的に語ることもある。)
文書が「改竄である」とわかれば、財務省の関係者が逮捕される。だから「改竄である」という「証拠(原本と国会に提出した文書は別のもの)」は出せない、ということなのか。「関係者」が「個人」ではなく「集団」と判明したら大問題になるので、答えられないというのだろうか。
麻生は、
と態度を変化させているが、これはいわゆる「とかげの尻尾切り」(財務省の誰かを処分して、問題を終結させる)ための方向転換か。改竄を職員の「個人的犯罪」にしてしまうことで、「背景」への追及をまぬかれようという狙いがあるのか。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
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「天皇の悲鳴」(1500円、送料込み)はオンデマンド出版です。
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松井久子監督「不思議なクニの憲法」上映会。
2018年5月20日(日曜日)13時。
福岡市立中央市民センター
「不思議なクニの憲法2018」を見る会
入場料1000円(当日券なし)
問い合わせは
yachisyuso@gmail.com
自民党憲法改正草案を読む/番外183(情報の読み方)
2018年03月09日の読売新聞朝刊(西部版・14版)の一面に、朝日新聞がスクープした「森友文書」書き換え問題の続報が載っている。
メインの記事(見出し)は
森友文書/「書き換え」言及せず/野党反発 財務省コピー提出
財務省は、近畿財務局が作った決裁文書のコピーを4種類提出したが、「書き換え」には言及しなかったというもの。
気になったのは、その「本記」につづいてい書かれている小さな記事(見出しは1段)。
別の文書には「特殊性」表現
朝日がスクープしたのとは別の文書には「特殊性」という表現がつかわれていたという。こう書いてある。
読売新聞が情報公開請求で入手した内部文書(2016年4月作成)では「本件は売買予約契約書を締結しているなど、特殊な処理を行った案件」と記載。
しかし、これが何を意味するのか、読売新聞の書き方ではわからない。
考えられること。
(1)別の文書にも「特殊性」の表現があったから、朝日がスクープした文書に「特殊性」があったということは、ありうることである。(森友学園を巡る文書には「特殊性」ということばが頻繁に、あるいは恒常的につかわれていた。)
(2)したがって、文書を整理する際に「特殊性」を省略したとしても問題にならない。他の文書で説明ずみなので、重複表現を避けただけであり、文書の「改竄には当たらない」と言いたいのか。(これは、朝日新聞への「反論」にあたる。安倍よりの主張である。財務省側は、おそらくこういう「言い訳」をするだろう。)
(3)あるいは、別の文書にあったのだから、問題の文書の「原本」にもあった。それを削除するのは「改竄に当たる」と言いたいのか。(これは、朝日新聞のスクープを補足することになる。)
(2)なのか(3)なのか、読者にわかるように書かないと、記事の意味がない。
「改竄に当たるのか」「改竄に当たらないのか」ということには触れずに、読売新聞は、こう書いている。
近畿財務局は学園と土地の貸し付け契約を結ぶ際、将来学園が土地を購入することを前提に、通例は3年間である貸付期間を10年に延ばしており、「特殊処理」と呼んで財務省本省の承認を得ていた。こうした処分方法について「特殊性」と記していた可能性がある。
この場合、こういう「特殊性」の事例がどれだけあるかが明示されないと意味がない。森友学園以外とでも、同様な「特殊性」をもった契約をしているのなら、この「特殊性」は許容範囲(?)におさまるかもしれない。しかし、森友学園だけに適用された「特殊性」ならば、なぜ森友学園だけに適用されたのかという問題が起きる。
これは森友学園問題が起きたときから問題視されたことである。
「特殊な何か」が裏で働いているのではないのか。
で、ここから考えられること。
(1)読売新聞のこの記事は、もう一度、森友学園問題の「特殊性」を明るみに出すために書かれたのか。
(2)「特殊性」という表現は、「裏で何かが動いている」ということを暗示するものではなく、単に契約が他の契約と違っていた、と言いたいのか。
読売新聞の書き方は(2)のように読むことができるが、その場合でも(1)の問題、なぜ森友学園だけが「特殊」な処理をしてもらえたのか、という疑問が消えるわけではない。
それにしても。
一連の動きの中で麻生(あるいは安倍もか)が繰り返す「大阪知見の捜査に影響を与える可能性があるので、答弁できない(答えられない)」(2日)とは、どういうことなのだろうか。
私は何かの捜査対象になったことはないので、わからないが、しばしば映画などで見る「証言拒否」は、自分が不利になるから、そのことについては証言を拒否するというもの。不利にならない、あるいは有利になると判断すれば、積極的にそのことを語る。(ときには、捜査を誘導するために積極的に語ることもある。)
文書が「改竄である」とわかれば、財務省の関係者が逮捕される。だから「改竄である」という「証拠(原本と国会に提出した文書は別のもの)」は出せない、ということなのか。「関係者」が「個人」ではなく「集団」と判明したら大問題になるので、答えられないというのだろうか。
麻生は、
捜査の最終的な結論が出る前の段階も視野に入れつつ、できるだけ早期に説明できるよう省を挙げて最大限努力したい。(8日)(3面)
と態度を変化させているが、これはいわゆる「とかげの尻尾切り」(財務省の誰かを処分して、問題を終結させる)ための方向転換か。改竄を職員の「個人的犯罪」にしてしまうことで、「背景」への追及をまぬかれようという狙いがあるのか。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
「天皇の悲鳴」(1500円、送料込み)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
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松井久子監督「不思議なクニの憲法」上映会。
2018年5月20日(日曜日)13時。
福岡市立中央市民センター
「不思議なクニの憲法2018」を見る会
入場料1000円(当日券なし)
問い合わせは
yachisyuso@gmail.com
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