過去、韓国の中華街と言えば、近代以来の歴史を持つ、インチョン
(仁川)港とプサン港の2大中華街が有名だった。
△韓国の新8大中国人街
しかし、朝鮮族(朝鮮系中国人)を中心に、韓国に在住する
中国人が100万人を突破した現在(104万5533人、2016年7月
法務部)、京仁工業地帯(ソウルから仁川につながる韓国屈指の
工業地帯)の各所で、主に大規模な工業団地の周辺に、過去に
類例を見ない規模の中国人街が新しく形成されつつある。
ここでは、Daum地図の地名(店名・施設名)検索とストリート
ビューを活用し、韓国の新8大中国人街を紹介する。
■ソウルの加里峰洞、大林洞
Daum地図の検索では、各種施設やレストランなどの店舗も検索対象に
なっているので、「延吉」や「延辺」などのキーワードで、全てでは
ないにしろ、かなりの数の施設、店舗が検索に引っかかる。
当然、当ブログで既に紹介済みのソウルの加里峰洞(九老区)や
大林洞(永登浦区)には、例えば、「연길(延吉)」の検索に
引っかかった施設や店舗が密集して現れる。
(関連ブログ記事 ① ②)
では、加里峰洞や大林洞以外に、こうした地域はないのだろうか?
それが、あるのだ。
■ソウル市広津区紫陽洞
ソウル市内に限って言えば、3大中国人街の一つ、ということに
なるだろう。
△紫陽洞の中国人街
加里峰洞や大林洞とは、また雰囲気の異なる大規模な中国人街が
存在するのが、広津区の紫陽洞だ。
隣接する華陽洞(広津区)や聖水洞(城東区)の工場団地(縫製
工場中心)で働く朝鮮系中国人を中心に形成されてきた街だという。
△紫陽洞の中国人街
この街にも、中国の華北や東北で人気の「美国加州牛肉面大王」が、
しっかり店舗をかまえている。
なお、同じくソウル市内で加里峰洞や大林洞と並び中国人住民が
多い街として知られる奉天洞(冠岳区)には、なぜか大規模な
中国人商店街がない。
すぐ近くに大規模な中国人商店街が存在しているので、その必要性が
ない、と言ったところなのだろうか。
■京畿道安山市、始興市、水原市、華城市、城南市
ソウル市近郊の京畿道でも、いずれも大規模な工業団地の周辺に、
かなりの規模を持つ中国人街が5地区で形成されている。
△安山市の中国人街
Daum地図で確認する限り、京畿道では、安山市の中国人街の規模が
最も大きい。
△安山市の中国人街
例によって、この街にも「美国加州牛肉面大王」の店がある。
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安山市に隣接する始興市にも中国人街が存在する。
規模はやや小さい。
△始興市の中国人街
それでもストリートビューの特定のカットだけを見ると、そこは、
まぎれもなく中国である。
△始興市の中国人街
例に漏れず、この街にも「美国加州牛肉面大王」の店舗がある。
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京畿道の道庁所在地である水原市にも中国人街が形成されている。
△水原市の中国人街
密集度はそんなに高くないが、水原駅近くの1本の通りに集中して
中国人店舗が存在する。
△水原市の中国人街
当然のごとく「美国加州牛肉面大王」もある。
△水原市の中国人街
変わったところでは、「毛主席小串」は水原にしかない。
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次に華城市。
△華城市の中国人街
この街も、規模はそんなに大きくないが、かなりの数の中国人
店舗が存在する。
△華城市の中国人街
「美国加州牛肉面大王」もちゃんと存在する。
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最後に、ソウル近郊に戻って城南市の中国人街。
△城南市の中国人街
この街にも、小規模ながら、かなりの数の中国人店舗が密集している。
△城南市の中国人街
ただし、残念ながら(?)、この街では例の「美国加州牛肉面大王」を
確認することはできなかった。
(終わり)