硬派なノワール映画が好きだったはずの「ヲタク」が、学習のため
とは言え、ついに韓国の恋愛映画まで見るようになってしまった。
以下、この週末に見た2本の恋愛映画の鑑賞記録である。
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■내 머리 속의 지우개 「私の頭の中の消しゴム」 2004年 〇〇〇--
(179)
2004年、250万を超える観客を動員した、日本ドラマを原作とする
ラブストーリー(年間5位)。
日本で公開された韓国映画の中で最高の興行収入を上げた作品でも
ある。
この映画で、最も「ヲタク」の印象に残ったシーンは、建設会社の
社長が、会食の場で一旦は反対した、下請け作業員の青年と娘との
交際を認める場面。
別れを約束させられたにも関わらず、貧血で倒れた女性をびしょ濡れに
なって病院に担ぎ込み、心配そうに女性の様子を見守る青年。目覚めた
女性は、青年と強く抱擁し合う。
娘の幸せ、人の幸せにとって何が一番重要なのかを悟った父親の
表情が、実に感動的だった。
その後、2人は結婚し、青年も建築士となり夢を叶えた。
しかし、2人の幸せな生活も長くは続かない。若年性アルツハイマー
という不治の病が女性を襲うのだ。
好きな展開の映画では全くないが、悲しくも美しい結末まで、何とか
見終えた。
■뷰티 인사이드 「ビューティー・インサイド」 2015年 〇〇
(178)
2015年、205万を超える観客を動員したラブロマンス(年間15位)。
18才の誕生日の日から、毎朝目覚めると肉体が別人に替わるように
なってしまった男。
映画とは言え、よくもこんな奇想天外な話を思いついたものである。
そんな男と一人の女性の世にも奇妙な恋の物語に、すっかり引き込まれ
てしまった。
あまり知られていない事実だが、韓国では子どもの海外養子縁組が
非常に活発である。(関連ブログ記事)
この週末、孤児院などから養子として海外に渡った韓国出身者を
描いた映画を2本見た。
2本とも非常に切ない内容の映画だった。
以下、鑑賞記録である。
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■여행자 「冬の小鳥」 2009年 〇〇〇--
(177)
9才(小学校3年生)の時に韓国の孤児院を通じ養子としてフランスに
渡った感受性の強い少女が、フランスで成人した後、映画監督となり、
韓国の孤児を主人公にした自伝的フィクション映画を撮った。
大好きだった父親と旅行に出たはずが、孤児院に置き去りにされた
現実を受け入れられず、絶望のあまり、孤児院の植木の影に穴を掘り
自分を埋め、消えてしまおうとする少女。
その少女が、希望を取り戻し、新しい家族の元へと旅立つまでの
日々を淡々と描いている。
■마이 파더 「マイ・ファーザー」 2007年 ----
(176)
1才の時に入所した韓国の孤児院から5才の時に養子としてアメリカに
渡り、成人後、在韓米軍の兵士として韓国で勤務していた時、テレビ
番組(2002年)を通じ実の両親を探した青年の実話を元に描いている。
父親と名乗り出た男は死刑囚(事実)。
後に遺伝子検査で青年と親子関係がないことが判明した(事実)。
それでも、青年は、名乗り出た男を父親と信じ続け(事実)、当時の
韓国メディアもこの映画も、「親子」の再会とその後の交際を美談
として描いている。(現在の状況は不明)
事実関係だけをつなげて考えれば、青年の、血のつながった肉親を
求める、悲しいまでに強い願望が読み取れるだけである。
あまりにも切なすぎる「美談」である。
(終わり)
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