光州事件の闇と映画

■꽃잎   「花びら」　　〇〇〇－－
（１０８３）



1996年に公開された告発型の社会派ドラマ。

時代背景は1980年代。全羅南道光州市の近郊に住む
少女が主人公。

ソウルの大学に進学した兄は、デモの途中、警察に
連行された後、疑問の死体となって発見された。

悲嘆に暮れていた母と主人公は、あろうことか、2人で
出かけた光州市で、光州事件（1980年）に巻き込まれて
しまう。

戦車部隊や空挺部隊、ヘリコプターなど、韓国軍の
最精鋭部隊が投入されたデモ鎮圧の最前線で、大けがを
負って気を失った主人公は、亡くなった母親の死体と
いっしょにトラックの荷台に乗せられ、どこかに連れて
いかれ、大きな穴に埋められそうになる。

主人公の少女は埋められる直前に意識を取り戻し、何とか
穴から逃げ出せたが、正気を失い、発狂してしまった。


△しばらく倉庫で2人で暮らした少女と男（映画より）

この映画は、その発狂した少女が、しばらく光州を
放浪した後、皆の前から姿を消してしまうまでの
日々が、彼女とかかわった2人の男の視点を借りながら
描かれている。

実に残酷な内容の映画だった。




（終わり）