「ヲタク」は、韓国メディアの日本関連報道は、世界でも類を見ない
くらい充実していると考えている。
量的な面はもちろん、内容的にも、日本在住の日本人「ヲタク」で
さえ、初めて見聞きするような日本関連情報も多い。
もちろん、問題もある。
総じて日本メディアに比べ不正確な記述や手前味噌で大げさな
表現が多く、日本メディアからの引用記事では翻訳上の誤りも
多い点など、全くいただけない。
さらには、日本に対する複雑な国民感情がストレートに文面に
現れる場合もある。
さて、今日の本題は、昨今、「日韓両国」で紙面を賑わせている
トヨタの大量リコール問題に関する報道の件だ。
「ヲタク」が見るに、トヨタ問題に関しても、韓国メディアの報道は
冒頭に述べた通りの傾向を示しており、特段の「異変」は感じて
いない。
今のところ、韓国社会の複雑な対日感情がトヨタ問題をきっかけに
噴出しているというような印象は全く持っていない。
もちろん、韓国の現代自動車が「漁夫の利」を得ることを期待する
一部の論調などに韓国メディアらしさが現れてはいるが、全体的な
論調は、決して一辺倒ではない。
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・"도요타 불똥 튈라" 현대車 초긴장
「トヨタ問題で飛び火はあるのか」 現代自動車は超緊張状態
(朝鮮日報 2月5日)
・"투싼ix 클러치 결함"…'도요타' 불똥, 현대車로 튈라?
「トゥサンixのクラッチ欠陥」...トヨタ問題、現代自にも飛び火?
(ソウルファイナンス 2月6日)
・“도요타 리콜, 남의 일 아니다” 현대차 부품 안전성 특별점검
「トヨタの大量リコール問題、他人事ではない」
現代自、部品を緊急安全点検
(京郷新聞 2月4日)
・현대차노조, "도요타 사태 타산지석 삼자" 사측에 충고
現代自労組、「トヨタ問題、他山の石に」会社側に忠告
(CBSノーカットニュース 2月4日)
・[사설]도요타 사태 보며 현대차 걱정이…
[社説] トヨタ問題から現代自動車を憂う
(ヘラルド経済新聞 2月4日)
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例えば、上にあげたように、トヨタ問題が韓国メーカーや韓国に
飛び火することに対する警戒感や緊張感を表すような記事も
数多く配信されているからだ。
しかし、韓国在住のある日本人ジャーナリストの目には、韓国
メディアのトヨタ問題関連報道が「異様」に映っているとのこと。
そのジャーナリストとは、韓国で非常に知名度の高い産経新聞
ソウル支局長・黒田勝弘氏のことだ。
氏は、「トヨタのリコール問題 快感?チャンス?教訓?韓国が
異様な関心」と題するソウル発記事を2月4日付け(電子版)で
書いた。
この記事がブーメランのように韓国でも紹介され、またもや、
氏は一部韓国メディアから批判されている。
特に、「日本への強い対抗・競争意識から“日本の失敗”を歓迎し
快感を覚えるという特有の対日感情」が韓国のトヨタ問題報道の
背景にあるなどとした氏の持論が、韓国人の感情を刺激したのだ。
日本人「ヲタク」から見ても、韓国通のベテラン記者が、どういう
意図でこんな記事を書いたのか、首を傾(かし)げざるを得ない。
一般論は別として、「ヲタク」が直接目にしてきた限り、テレビ
(YTN)にしろ新聞(電子版)にしろ、ことトヨタ問題(トヨタの失敗)に
関し、韓国メディアが「異様」な盛り上がりを示し、特別な「快感」を
覚えているようには、到底、思えないからだ。
前回の「羊頭狗肉問題」では、どちらかと言えば氏を擁護する
立場に立った「ヲタク」ではあるが、今回は、氏の記事の前半部分
(韓国のトヨタ報道を反日感情に結びつけ論じた部分など)には
批判的だ。
ここでは、韓国メディアの関連記事を翻訳練習してみた。
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ちなみに、「ヲタク」は、アメリカ発のこのトヨタ問題を、GM没落後の
アメリカ社会の強いフラストレーションを背景にした、トヨタバッシング
の色彩が濃い問題だと見ている。
しかし、ここは、トヨタには日本人の美徳である「謙虚さ」を十二分に
発揮した対応で危機を乗り切ってほしいものだ。
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■구로다 "한국, '일본의 실패' 환영하며 쾌감 느껴"
"한국언론의 도요타 뉴스, 일본보다도 많아"
黒田記者、「『日本の失敗』を歓迎し快感覚える韓国」、
「韓国メディアのトヨタ報道、日本よりも多い」
(ビューズ&ニュース 2月6日)
구로다 가쓰히로 <산케이신문> 서울지국장이 도요타 리콜
사태에 비상한 관심을 보이고 있는 한국에 대해 불쾌감을
나타냈다.
産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏が、トヨタの大量リコール
問題に大きな関心を示している韓国に対し、不快感を露わにした。
비빔밥을 '양두구육'에 비유해 물의를 빚었던 구로다
지국장은 5일 <도요타의 리콜문제, 쾌감? 찬스? 교훈?
한국이 이상한 관심>이란 제목의 서울발 기사를 통해 "도요타
자동차의 대량 리콜 문제에 한국이 이상할 정도의 관심을
보이고 있다"며 "한국이 입은 피해는 미국에서 수입한 불과
400대 뿐이나 마치 자국의 문제인양 뉴스량은 일본보다도
많다"고 전했다.
韓国料理のビビンバを「羊頭狗肉」と表現し物議をかもした黒田
支局長は5日、「トヨタのリコール問題 快感?チャンス?教訓?
韓国が異様な関心」と題するソウル発の記事を通じ、「トヨタの
大量リコール問題に韓国が異様なほど大きな関心を示している」
とし、「韓国が被った被害は、アメリカから輸入したわずか400台に
すぎないのに、まるで自国の問題でも扱っているようで、
ニュース量も日本より多い」と伝えた。
그는 이어 "대량보도의 배경은 우선 일본에 대한 강한 대항·
경쟁 의식에서 '일본의 실패'를 환영하며 쾌감을 느끼는
특유의 반일감정이 있다"며 노골적으로 불쾌감을 나타냈다.
その上で、彼は「大量報道の背景には、まず日本に対する
強い対抗・競争意識から、『日本の失敗』を歓迎し、快感を覚える
という特有の反日感情がある」とし、露骨な不快感を示した。
그는 이와 함께 "동시에 세계의 자동차시장에서 판매를 늘려
가고 있는 한국에게는 도요타의 실패·후퇴는 '한국차의
쉐어(점유율) 확대의 절호의 찬스'라는 기대감도 있다"고
덧붙였다.
さらに彼は、「同時に世界の自動車市場で販売を伸ばしている
韓国としては、トヨタの失敗・後退を『韓国車のシェアを拡大する
絶好のチャンス』とする期待感もある」と付け加えた。
그는 또 "도요타 문제뿐 아니라 일본항공(JAL)의 회사갱생법
적용신청과 세이부 백화점의 연내 폐쇄 등을 합쳐 '난파선
사이렌에 밤에도 잠을 이루지 못하는 일본열도'(2일자 한국
일보)라든가 '톱신화에 취해 품질 저하-일본주식회사 몰락'
(같은 날 한국경제신문)을 비롯해 '흔들리는 일본열도',
'일본열도 침몰' 같은 일본의 '몰락'을 강조하는 보도가 많이
눈에 띈다"며 자극적 표현을 사용하는 한국언론 보도에 거듭
불쾌감을 드러냈다.
また、彼は、「トヨタ問題のみならず日本航空(JAL)の会社更生法
申請や西武百貨店の相次ぐ閉鎖なども重なり、『難破船の
サイレンに夜も寝れない日本列島』(2日付韓国日報)、『トップ
神話に酔い品質低下...日本株式会社の没落』(同ハンギョレ
新聞※)をはじめ、『揺れる日本列島』、『日本沈没』など日本の
『没落』を強調する報道が数多く目に付く」と伝え、刺激的な表現を
使う韓国メディアに対し重ねて不快感を表した。
(※)原文では「韓国経済新聞」とあるが、産経新聞の元記事に
ある「ハンギョレ」新聞に訂正した
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△「また、日曜日にも翻訳練習してしまいましたね」
「ヲタクさん、ほんとうにお疲れ様」
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△「だからなあ、他にやることはないのかアッ!」
(終わり)
参加カテゴリ:地域情報(アジア)