■용서는 없다 「容赦はしない」 2010年 〇〇〇--
(446)
2010年、110万を超える観客を動員した犯罪ミステリー。
全羅北道群山市を舞台に、強姦され自殺に追い込まれた姉の復讐を、
自らの命と引き換えになし遂げる男の物語。
△群山市の錦江河口堰(映画より)
復讐の相手は、3人の犯人に加え、裁判で犯人たちに有利な証言を
した女と監察医。さらに、証言の対価として監察医が犯人の親たちから
受け取ったお金のおかげで高額手術を受けることのできた監察医の
一人娘まで標的となる。
詳述は避けるが、この映画ほど残酷で、見る者に重い絶望感を抱かせる
映画も珍しい。復讐する側にも、される側にも、救いや希望は一切、
ない。
△女刑事を演じたのはハン・ヘジン
もし、唯一、救いがあるとすれば、それは事件の真相を解き明かした、
聡明で勇気のある女性刑事が生き残ったことくらいか。
そこにいるはずのない人物が突然、登場したりと、物語の展開に、
若干、無理を感じさせる場面もあったが、総じて非常に見ごたえの
あるノワール風ミステリーだった。
(終わり)
← 応援のクリックをお願いします。
■품행제로 「品行ゼロ」 2002年 〇〇---
(445)
2002年、160万(公式統計)を超える観客を動員したコメディ映画。
1980年代の男子高校を舞台に、主人公の「캡짱(番長)」が繰り広げる
コミカルな学園ドラマだ。
「ヲタク」が思っていたより、楽しく見れた映画だった。
特に、マドンナ役のキュートな女子高生との初キスのシーンなど、
けっこう新鮮で、なぜか、中高年「ヲタク」の胸も微妙にときめいた。
また、街でいかさまエロビデオを買わされた主人公らが、いざ、
ビデオテープ(VHS)をデッキにセットし、息を飲んで見つめた
テレビ画面から、「田園日記」(過去、人気を集めた家庭ドラマ)が
流れて来た時には、大笑いさせられてしまった。
さらに、韓国の懐古的学園ドラマにつきものとも言える体罰シーンも、
実に真に迫ったもので、見るからに痛そうだった。
△教師から細い棒でお尻を叩かれ、体罰される不良たち(映画より)
日本の学校における体罰の代表格がげんこつやビンタ(平手打ち)
だったとするならば、韓国のそれは(映画などで見る限り)、細い棒
(ムチ)によるお尻やふくらはぎの殴打だった。
現代の韓国の学校からは、ほぼ姿を消したシーンなのではないかと
思われるが、さて、実際のところはどうなのだろう?
(終わり)
← 応援のクリックをお願いします。
■쎄시봉 「セシボン」 2015年 〇〇---
(444)
2015年、170万を超える観客を動員した大人の恋愛映画。
1960年代の終わり、ソウルに実在したコンサート喫茶「セシボン」で、
統営から上京した歌手志望の青年と女優志望の女性が出会い、恋を
するが、お互い好きなまま別れてしまう。
そして、90年代の初め、それぞれに家庭を持ち、中年になった2人が、
アメリカのロスアンゼルスで駐在員と旅行者として偶然、再開する。
恋物語としては、中途半端なまま終わってしまう映画だが、2人が
再会する舞台となったロスアンゼルスのコリアタウンには、個人的に
強い関心を引かれた。
△米ロスアンゼルス(映画より)
劇中、アメリカに移民し、ロスアンゼルスのコリアタウンで韓国系
ラジオ局を経営する、2人に共通の知人が登場する。
映画は、実在するラジオ局で撮影された。
△「RADIO KOREA」はLAコリアタウンに実在する(映画より)
映画のロケ地となった「RADIO KOREA」は、現在、ラジオ放送を
始め、新聞やインターネット、テレビ放送などを通じ、韓国系
コミュニティー向けのメディア事業を広く手がけている。
ロスアンゼルスに根を張る韓国系コミュニティーの広さや厚みを
実感させられる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<P.S.>
話題は変わるが、ネット上で「ヲタク」が見たこの映画には、英語の
字幕がついていた。
韓国語のできる英語話者が訳をつけたのは間違いないと思われるが、
翻訳者が韓国系アメリカ人の可能性も大いにありそうだ。
ただし、韓国語の「가요대행진(歌謡大行進/カヨーテーヘンジン)」の
台詞部分に「コヨーテ・エンジン」などと、トンチンカンな英語訳を
つけるなど、全体的にかなりお粗末な英語字幕だった。
お世話になっておきながら、こんなことを書くのも何だが、まだまだ
修行(勉強)の足りない英語字幕であった。
ネット上に違法アップロードされる韓国映画の字幕のレベルは、英語に
しろ中国語にしろ、バラつきが大きいのが実際である。
(終わり)
← 応援のクリックをお願いします。
■파파로티 「パパロッティ」 2013年 〇〇〇--
(443)
2013年、170万を超える観客を動員した映画。実話に脚色を加え
作られた。
●Nessun Dorma 영화 파파로티 OST 테너 강요셉(映画OST カン・ヨセフ)
楽譜も読めず、著名なテノール歌手の「파바로티(パヴァロッティ)」を
「파파로티(パパロッティ)」と覚え間違いしていた、プサン出身の
不良少年が、天性の美声を生かし、本物のテノール歌手へと成長を
遂げる物語。
なかなか見ごたえのある映画だった。
●nessun dorma - andrea bocelli(アンドレア・ボチェッリ)
また、この映画をきっかけに、クラシックに縁遠い「ヲタク」が
「誰も寝てはならぬ(Nessun Dorma)」という名曲を知り、さらに
検索の途中で、偶然、アンドレア・ボチェッリなるテノール歌手の
存在を知ったことは、大きな収穫であった。
△「Con Te Partiro ...」
(終わり)
← 応援のクリックをお願いします。