BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

蒼穹のファフナー EXODUS 第23話 『理由なき力』 感想

2015-12-09 17:41:30 | ファフナー
なんていうか、最終章の序幕という感じ。

静かすぎて気持ち悪いし、気味が悪いなぁ、というのが率直な印象。

なんか、前回までと異なる物語を見ているみたいで、見終わってからも、なんかもやもやした感じで、何を書いていいのかよくわからない、という感じ。

もっとも前回が、派遣組と島の合流に加え、甲洋に加えて操の再登場、というカタルシスとクライマックスを一気に畳み掛けるように押し出してきたのだから、それと落差が生じてもしかたがないのだけれどね

それにしても、動きのない回だった。
というか、あっさりしすぎ。

真矢はあっさり解放されるし、
ジョナミツは何故かまだ意識というか人格を残しているし。
パペットは、アルタイルミールの分身という割には、ジョナミツが個体としての存在を残しているのが不思議だった。
それに、総士があれだけ覚悟を決めて旅だった割には、大した活躍もなく、むしろ、レゾンのお披露目の前座みたいになっていたし。

そのくせ、見た後の後味はあまりよくない。
理由はきっと、人間同士の争いを見せつけられたからだろな。
信念・政治にしても、暴力・戦闘にしても。

で、そのどちらにおいても、真矢無双!
これが「調停者」としての誕生なのだろうか。
戦士にして政治家というポジション。
なぜなら、真矢は、いわゆるトロッコ問題、つまり、一人の犠牲で5人を助ける、って決断をしてしまったわけだから。
それもあって、やたらとヘスターとの並行性を示唆するような展開だったのだろうけど。

それにしても、ヘスターの物語をこれだけ差し込んでくるのは意外を越えてビックリ。
とりあえず、人類軍が新国連によるシビリアン・コントロールの悲しいくらい統制下にあることだけはよくわかった。

大方の予想を裏切って、軍部によるクーデターを企てようとしていたバーンズは、あれだけ思わせぶりだったにも関わらず、あっけないくらい落城。

まぁ、それもデュランがパペットで二重スパイだったから、ということだけど。

それにしても、ベイグラントの謀反を除けば、これまでの物語はすべて基本的にヘスターの手のひらで踊らされていた、ということだったわけで。彼女が、完全なるゲーマス。

ぶっちゃけ、ヘスターの側近ってもうみんなパペットじゃねえの?と思いたくなるくらい。
アルゴス小隊なんてみんなパペットじゃないの?
だったら、キースは超お笑いだけど。

ていうか、ここまでくると、ジョナミツだけでなく、ビリーやアイもパペットなのでは?
マカベ因子、というのは、都合のいい隠れ蓑なのでは?

とりあえずはそんな風思えてしまうくらい、ヘスターのゲーマス的万能感がハンパない。

しかもベイグラントの謀反に対しても終始冷静だし。
ベイグラントが意志をもって離反することすら、彼女のシナリオには最初から組み込まれている感じがする。

まぁ、赤い靴作戦というのがホントならば、絶対死守すべき5万人を除けば、残りの人類は誰の手で殲滅しても構わないので、怒り心頭のベイグラントがそのまま残りの人類を殲滅してくれれば、むしろ手間が省けるはずだし。

問題は、都合よく5万人だけ残すことがホントに可能なのかってことだけど。

それでも、そうでも考えないと、わざわざこの段階になってレゾンを起動させる意味が無いと思うんだよね。

ヘスターの意図が明らかにされる前までは、レゾンは、竜宮島の力と同等の力を手に入れてフェストゥム退治を効率的に進めよう、という、戦術的な意図が優先されていたように思えるけれど、

ヘスターの意図がわかった段階では、そんなことはまさに戦術的些事に過ぎなくて、大きな絵としては、つまり、戦略的には、最小エネルギーでフェストゥムと人類のほとんどを殲滅する、ってことだものね。

ことあるたびに、やたらと核を撃っていたのも、フェストゥムの殲滅よりもむしろ人類に対するコラテラルダメージの方が目的だったからなんだなー、と納得。要らない方の人類をいかにして効率よく消すか、というのが長期目標だったわけだから。ヘスターが人類軍や新国連を作った過程が今更ながら紹介されたのもそういうこと。

ついでにいえば、ことあるごとに溝口さんに「同じ人間を撃つのか?」とか、「お前らとフェストゥムと何が違う?」と糾弾させていたのも、そうことだったってことで。

ともあれ、そうするとヘスターから見れば、竜宮島なんてフェストゥムと人類が遺伝子的に交わった存在を生み出しているわけだから、殲滅して当然、ってことなのだろうな。

あと、竜宮島前史としてしばしば史彦たちによって語られる「人と戦った時の後遺症」というのも、瀬戸内海ミールと接触してしまった当時の日本も隔離し殲滅対象にせざるを得なかったということだよね。

うーん。

それにパペットを産み出す技術もミツヒロによって作られていたということだから、一期の時にはすでに、現在のようなヘスター体制は生まれつつあったということだよね。

で、一期最後のヘブンズゲイト作戦に乗じてベイグラントを確保することで、唯一、制空権を得た存在となったので、その情報の独占状態をもしかしたらアルタイルが崩してしまう、というのを恐れて、アルタイル襲来前に、地球上の残存ミールを互いに潰し合わせてヘスターたちが唯一アルタイルに対峙する構図を作りたかったんだろうな。

となると、レゾンは竜宮島を滅ぼすために作ったのか?

それでも相変わらずわからないのは、なぜヘスターはあそこまで真矢に執着するのか。今回たまたま真矢を拉致できたわけだけど、もしもアルゴス小隊が広登ではなく真矢を撃っていたらどうしてたのだろう。ジーベンは撃つな、という命令がくだされていたのか。あるいは、今回は、真矢を拉致せよ、という命令だったのか。このあたりは、描写が全然ないから、正直なところ、ものすごく都合よく、ご都合主義で話が進んでしまったようにしか思えないのだけどね。

有名な裏設定として、ファフナー世界の人類は、太古に到来した超古代ミールが手を加えて進化の階梯をのぼり、現在の人類に至っているということなので、純血種の5万人すらミールの息がかかっているということになる。

あるいは、本当にミール因子がないとしたら、むしろ、その5万人の方が変異体ということになる。まぁ、圧倒的希少性からすればマジモンで変異体なのだろうけどね。

で、どう見てもヘスター自身はその一人ではないだろうから、最後は自分も消滅するのか?
でもそうだとすると、なぜ後継者として真矢を取り上げたい、というようなことをほのめかすのか?
もしかしたらヘスター自身も、因子があることの方が人類としても自然であることに気づいてしまっているのだけれど、いまさら振り上げた手を下ろすわけにはいかないということで、自分が周りに示したプログラムを、自分自身も無意味だとわかった上で遂行しているのか?
だから、アルヴィスの子である真矢に望みをつなごうとしているのか? 

まぁ、アトランティス・ミールを手に入れたあたりで、超古代ミールの話とかミツヒロから聞かされていそうだしなぁ。今回の、ヘスターの回想が、新国連設立のところで終わっていたのは、その後の回想を後で入れる前フリなのかもしれない。

それにしても、この終盤に来て、いまさらながら、真矢に、総士や一騎と同様の物語的「業」を背負わせる展開になろうとは。

もっとも、序盤も序盤でジョナミツが登場した時点で、こうなることは物語構成上はすでに組み込まれていたんだよな。いや、まったく凄い構成力だよ。

ともあれ、おそらくはこのまま真矢と総士は竜宮島に帰投するのだろうし、そこから、第三アルヴィスに向かうということなのだろう。となると、今度は、織姫の予知に示されたように、第三アルヴィスで現在の一騎的状態になるのだろうか。

あるいは、真矢&総士組は、そのまま第三アルヴィスを目指すのだろうか。

しかし、そこでいまさら何が起こる?

ベイグラントがレゾンとともに乗り込んでくる。
その際には、ウォーカーも招集する。
一方、竜宮島組は、シュリーナガルミールの移植を第三アルヴィスに試みる。

そうなると、第三アルヴィスの占有権をめぐって、ベイグラントと竜宮島組が交戦するということになるのかね?

となると、だんだんただの怪しいおじさん、シュリーナガル教の狂信者wにしか見えなくなってきているナレインが何かやらかしてくれるのか?

あ、その前にむしろエメリーの弟、というか家族話が挟み込まれるのか。

何にしても、シュリーナガルミールについては、おそらくは世界樹の形態自体がゴルディアス結晶の走りだと思うので、そのあたりの秘密、というか意図を示して欲しいところ。

あ、そうなると、むしろ、弓子の暗躍になるのか?
真矢も戻ってくれば、久しぶりの遠見家勢揃いだし。

いずれにしても、ナレイン、エメリー、弓子、の真意が明らかにされる、ってことかな。

しかし、重たい話になってきた。
いや、今時、こんなしっかりした物語は他にはないので、全然オッケー、むしろ望むところだけどねw


しかし、冒頭の、人外喫茶「楽園」、笑えた。
あれはあれでいくらでも感想が書けてしまうのだけどw

とりあえず、操はミールでありコアであることが決定。
で、自分で戦闘の先陣を切る。
機体は、やっぱりドライツェンなのかな。。。
いっそのこと、すったもんだした挙句、操がレゾンを奪取してくれるといいんだけどw

ドライツェンはカノンの機体として、カノンによって再び動かされてほしいなぁ。
甲洋の例があるから、カノンの再登場にも期待してしまうのだが。

大穴で、操がゼロファフナーを使う、というのもあるのだけど。
前の操のミールを破壊したのはゼロファフナーだから、その記憶もあってフェストゥム的には模倣できるのかもしれないし。

あ、そういえば広登の帰還があった。
次回、クーラーボックスが帰ってきて、みんなどうするのか。
特に暉。
再び人類軍への憎悪を募らせるのか。
それとも違う方向を向かうのか。

で、暉と同じヤバメのポジションにあるのがビリー。
てか、ビリー、お前、流され過ぎだろう、いくらなんでも。
どうすんだよ、ホントに。

あ、キースは・・・・、どうでもいいやw
ヘスターのレベルで「戦う理由」、「戦える理由」を得た真矢に勝てるわけないしw

あとは、アイかぁ。
ジョナミツ用に、アトランティス・ミールがパペット?を作っていたようだけど、あれは模造品ってこと?それとも、アイももともとパペットで、ジョナミツに機体ごと破壊されたから再製造しているってこと?

それとも、本物の、人間のアイは、まだ生きていて再登場するの?
その場合は、ベタベタに、アイは地球を救う、になりそうでちょっとビビるw

しかし、ホント、面白い。

ただ単にロボが戦う、という話ではなく、そこにちゃんと理由がある。
もちろん、戦う理由に、主人公たちは当然悩むわけだけど、悩んだ上でエヴァみたいな自分探しの泥沼に陥ることなく、戦う理由を見つけてきちんと選択する。
勧善懲悪では決してない。
それぞれの理由で争わざるをえない理由も示される。
そこに抗う大人がいて、その大人を涼しい目で見ながら自分たちの意思を決める若者がいる。
ただの群像劇では決してない。
国家対国家とかイデオロギー対決とか、そんな枠組みは、はなからない。
あくまでも生存戦略が前提で、その意味では生物の進化のプロセス。
その進化のプロセス、種の分化のプロセスを、短い間にフェストゥムが実践する。
個体の発見、生と死のサイクルの取り込み、そして、どうやら今後は、性の分化を進めて単性生殖から脱し男女の区別すら生み出そうとする。
フェストゥムと人類は、安易に融合はしない。
けれども、両者の境界上に混合体は様々なグラデーションで発生する。
操、織姫、甲洋、総士、一騎、だけでなく、弓子、美羽、・・・、と続く。

いよいよ大詰めだけど、あと3話でどんな終幕を迎えるのか。
ホント、楽しみだな。

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蒼穹のファフナー EXODUS 第22話 『憎しみの記憶』 感想

2015-11-29 02:24:37 | ファフナー
いやー、面白かった。
とはいえ、とにかく情報量多すぎ!

というか、派遣組と竜宮島がようやく合流したと思ったら、まさかの真矢の拉致。
そこから、マークレゾンへの畳み掛け。
で、やっぱりジョナミツは、本人のあずかり知らないところで「スパイ」をさせられていたわけだけど、その正体は、予想していたミツヒロのクローンとか、デザインチャイルドなんて生易しいものではなく、まさかの「ミール」による操り人形=パペット。
で、そのミールが、北極ミールなどではなく、三分割された瀬戸内海ミールの最後の一つで、とうの昔に人類軍に奪取され、ヘスターにいいように利用されていたとは。。。

いやー、瀬戸内海ミールの設定はもちろんあったけど、まさか、それをここでねじ込んでくるとは思わなかったし、そのせいで、ヘスターと新国連の能力、少なくとも政治的手腕の評価については見なおさなくてはならなくなってしまったほど。

あんな隠し玉というかジョーカーを持っているなら、そりゃ、ヘスターが権力の座にあり続けていてもおかしくはない、ってことにはなる。

しかし、バーンズの側近もアトランティス・ミールのことは知っていたから、当然、バーンズも新国連がミールを保有していることは知っているだろうな。で、その上で、ヘスターに対して謀反を起こそうと画策している。で、単純な軍略だけ考えれば、竜宮島同様ミールを保有しているのなら、バーンズが、竜宮島と敵対だけではなく共闘の道を見出そうとしているのは理にかなっているしね。

で、そのアトランティス・ミールの力を使って、3機目のザルヴァートル・モデルであるマークレゾンを稼働させる算段。

とはいっても、今回の引きの部分の、アトランティス・ミールによる新国連・人類軍への反乱、その際の実行手段=パペットとしてのジョナミツという流れからすれば、レゾンは、真矢が稼働させる前に、ジョナミツたちが確保してしまうんだろうなぁ。

ただ、わからないのは、瀬戸内海ミールの一つを自分たちがもちながら、どうして竜宮島のノートゥング・モデルのコアを必要とするのか?というところかな。

どう考えても、実際には続編が決定してからの後付設定なんだろうけど、一期の時の、ザインとニヒトが開発される時にも、アトランティス・ミールを新国連が保有していることは前提で、開発されていたんだろうな。

というか、バートランドにしても日野にしても、竜宮島出身者がわざわざ人類軍側についてザルヴァートル・モデルの開発に着手したのも、実際には、アトランティス・ミールがあったことがインセンティブになっていたんだろうな。

ともあれ、ザルヴァートル・モデルは三機になり、その三つが最終的には雌雄を決するということになるのかな。

今回の織姫の発言からすれば、ザイン&一騎は、竜宮島の祝福を受けて再びコアの自己再生を試みて、エインヘリアル的なサポートを受けた竜宮島のファフナーになりそうだし、ニヒト&総士は、シュリーナガルミールが根付いた海神島で再誕しそうなので、両機ともに、改めてオリジナルのザルヴァートル・モデルのスペックからは全く逸脱した、いわば「魔改造」された機体になりそう。その時に今のところラスボス候補であるレゾンは、そのままで済むのだろうか。

それと、ジョナミツがまずはレゾンを乗っ取りそうだけど、OPの真矢、一騎、総士、という締めの三人の登場をみると、なんだかんだいって真矢がレゾンに乗りそうな気もするんだよね。

例の「存在と無の地平」という、EXODUSの鍵となる表現からすれば、一騎&ザイン=存在、総士&ニヒト=無、であるのに対して、真矢=地平という位置づけだったので、レゾンも「地平」の役割を担うような感じがする。

その可能性の理由は二つあって、一つは、レゾンのコアがフュンフのコアであるので、ここで二期開始早々落命した広登が再登場してレゾンの奪取に一役買うのではないか、ということ。もう一つは、真矢がミツヒロの娘であり、ニヒトはもともと真矢の機体として製造されていたこと。だから、ジョナミツ以上に、真矢に適性がある機体なのではないか、ということ。

まぁ、ここにきて、あれだけヘスターが、真矢、真矢、言ってるわけだから、真矢がバートランドの血脈として何か鍵を持っているはずなのは間違いなさそうだから。

しかし、いきなり遠見ではなく「真矢」とヘスターが読んでいるのも、地味に気になるところ。単にミツヒロの娘ぐらいで親愛の情を寄せているならいいけど、まさか、ミツヒロの母がヘスターだったりしないよね。つまり、真矢がヘスターの孫娘・・・、なんていう(ご都合)設定が、今更つけ加えられたりしないか、不安w

しかし、なぜ「レゾン」なのか。やっぱりこれ、フランス語のraisonなのかね。ザインとニヒトがドイツ語だったのに。

レゾンデートルの意味から「理由」の意味でとっている人が多いみたいだけど、言葉自体は「理性」の意味も含むから、「存在」と「無」に比べたら、一歩も二歩も「人間」的なものだよね。そのあたりは、アザゼル型を通じて、すっかり個性のある人間っぽさを身につけたフェストゥムの様子も含めて、生命的、人間的、ということを意識したものなのかなぁ。

そうそう、人間的といえば、操が美羽に対してなかば求婚ともいえる「同化=捕食」を求めているのだけど、このあたりも、どうなのだろう。

仮に、北極ミールが、個体や個性の道を選んで、存在として変異したことを考えると、この操と美羽のやり取りは、もしかしたら、フェストゥムが性を獲得して、より生命に近い存在になる方向に「進化」することを示唆しているのかも。だったら、咲良と剣司が結婚したエピソードも生きてくるしね。

とりあえず個体としてのあり方、その個体が判断の自由を持つこと、などの特性を新たにフェストゥムが得てきているわけだけど、生と死についてはまだ循環について学んだだけで、基本的には単性生殖にとどまっている。そのあたりを変えてセクシュアリティにまで踏み込むのが次の段階であるようにも思うので。レゾンはそういう生殖のあり方も含めた、地球生命体への接近をフェストゥムが試みることの一里塚になると面白いかな。

それと、面白いのは、一期の終盤と、微妙に一騎と総士の役割が入れ替わっていること。一期では、総士が拉致され存在が危うくなっているのを一騎が懸命に救おうとしたのだけど、今回、右腕を失った一騎が同化の果ての昏睡状態にあって動けない。

それに対して、半分は自分の意志、半分は一騎の意志の代行、ということで、真矢の救出に向かうのが総士となっているので。

で、その三人が、いずれもザルヴァートル・モデルの自己再改造によって、新たな役割を請け負うことになりそうだから。

というか、一騎の「魂」はミカミカではないけど、きっとザインの中に今はあるんだろうな。
そして、その意識は、きっと竜宮島ミールとのクロッシングを通じて、カノンや朱音から、次のステップへの説明をされ、選択を迫られるのだろうな。で、ザインが生まれ変わるのとともに、一騎も覚醒。で、多分、その時に右腕も再生される、というルートかな。

とにかく、織姫から、総士が再誕することはすでに明らかにされているので、一騎についても、あの状態にまでなったら、なかばフェストゥム化を経た再誕=進化がありえるよね。そうであれば、二期開始早々、一騎が総士にフェストゥムの世界のことを知らないとこの先、どうにもならない気がする、と発言していたことも呼応することになるし。

で、この一騎の昏睡状態が、竜宮島ミールにとっても、未来に生き残るために不可欠のプロセスであったからこそ、一騎の不在、そして、総士の不在を補って、島の守護者を買ってでてくれる甲洋の復活を織姫は待望していたんだろうな。

どうやら、織姫は、未来視の力を持っているようだしね。

しかし、この流れだと、カノンは最終局面に、全ての因果の説明役として、一騎の前に現れそうだな。そのまま、ドライツェンを駆ってくれることにも期待したいけど。

ともあれ、最終話に向けて、物語は超加速!してきたね。

一時はこのペースで果たしてアルタイルのことまで扱えるのか、と思ったいたけど、アルタイルミールが宇宙衛星でもあることを踏まえると、一気にそれも繋がりそうw

というわけで、早く次回が来ないかなー。
でも、残り4話か。
次回タイトル、全部赤だしなぁ。。。
ジョナミツ・レゾンによる大殺戮の回なんだろうなぁ。

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蒼穹のファフナー EXODUS 第21話 『目覚めの時』 感想

2015-11-21 11:08:15 | ファフナー
やっぱり、最後は操が登場。
で、EDも四人に。

・・・とここまでは、予想通りだったのだけど、
「目覚め」たのが、操だけでなく、どうやらジョナサンもそうだった、という感じ。
あれ、ジョナサンがパペット(人形)ってことでいいのかな?

ここのところ、島のSDP絡みの苦境や甲洋の再登場で、すっかり忘れていたけど、例の謎スパイ問題も含めて、ジョナサンがグレーだったことは確かで。

ザルヴァートル・モデル乗りたいな、とか、真矢の弟です、とか、何かフェストゥム襲来の夢を見ました、とか、一回同化されかけたけど自力で戻ってきた、とか、なんかそれっぽい描写は多かったので、やっぱそうなのかもしれないけれど。

しかし、そうなると、彼がザルヴァートル・モデルにパペットとして乗るのだけど、同時に、フェストゥムとも同化されて・・・、という感じになってしまうのかね。

もともと、出生の時期から、彼がデザインチャイルドか何かという疑いはあったわけだけど。

けど、そうなってくると、むしろ気になるのは、ジョナサンよりも真矢の方だよな。

今回、一騎、総士、暉、の三人がともに同化の危機に瀕しているのに、真矢は未だにピンピンしている。一騎なんて右腕を同化で持って行かれちゃったのに(しかし、同化して出血、という展開は今までなかったような)。

となると、むしろ、真矢の家系、というか、ミツヒロが何らかの形でフェストゥム耐性の因子を埋め込んでいたんじゃないかと思えてくる。もともと、ミツヒロは、ニヒトのパイロットとして真矢を想定していたわけだし。

ということで、ジョナサンの正体が明らかになった結果は、真矢にも降りかかってきそうで、嫌な感じがする。今回、一騎にせよ、真矢にせよ、誕生日の話が出てきて、彼らの出生のことを思い出させる場面があったことも、その伏線なのかも。というか、彼らの誰一人、自然分娩での出産ではないんだよな。。。

で、その一騎の右腕だけど、これ、どうなるのだろう。
確かにEDを見ると、微妙に右手がないようにも見える。
てか、そのために、あのコートだったのかよ!と思えるほどで、ホント、ファフナーの制作スタッフって、いろんなところに、仕込んでくるなー、と思ったよ。

もちろん、治る方向もありそう。
そもそもあのままだと失血死しそうだしね。即座に手当しないと。

で、治る方向は、操が直してくれる、剣司が直してくれる。シュリーナガルミールが直してくれる、・・・、といろいろとパタンはあると思うのだけど、ただ、いずれにしても身体の一部が総士のようにフェストゥム化することは免れないと思うので、その世界に、一騎が足を踏み入れるかどうかだよね。

となると、治せるけど、一騎の意志で治さない、という方向もあるのかもしれない。
自分の生命のあり方としてね。

その一方で、一騎がフェストゥムとの共存を身体レベルで受け入れる、という選択にもなるのかもしれない。

もしくは、なし崩し的に、一騎もフェストゥム側に足を踏み入れるための出来事として、右腕喪失、という惨事が生じたのかもしれない。

今までの物語の流れからすると、フェストゥムと人類の、融合ではないが共存を図り、共鳴による共進化を受け入れる、というのが、島のSDP周りの話で示唆されてきた、この物語のテーマであるようだから、そのテーマをはっきりと言葉にして語らせるために、一騎のこの災難があった、ということなのかもしれない。

だって、でないと、逆に、あのいかにも右腕がなく右袖がぶらんぶらんしている、とも解釈できるようなコートとか仕込まないのではないかとも思えるし。

まぁ、裏の裏をかく、ということだけどw

でも、この辺りは気になる。

そもそもザルヴァートル・モデルと、エインヘリアル・モデルとで、すでに設計コンセプトの異なる機体が、竜宮島には並び立っているわけで。

しかも今後は、人類軍もザルヴァートル・モデルを投入、ということだから、フェストゥムの殲滅を前提に作られたザルヴァートル・モデルであるザインとニヒト、そして、そのパイロットである一騎と総士が、今の島の「共鳴」を目指したあり方に共鳴するためにも、ザルヴァートル・モデルを否定、ないし乗り越える必要性に迫られるはずだから。

その点で、他の期待よりもパイロットの身体を同化させようとするザルヴァートル・モデルの仕様も、エインヘリアル・モデル的に変えないといけないはずで。

でも、竜宮島のエンジニアの手を持ってしても、ザインとニヒトへの改修は困難だったことを考えると、ザインとニヒトについては、もしもエインヘリアル型に変貌するとしたら、機体自ら、というよりも人機一体の存在として自ら変貌し進化するしかないわけだから。

だから、そのための契機を与えるのが今回の一騎の右腕喪失なのかな、と。

つまり、ザインと一騎、ニヒトと総士、の関係を自発的に変える。

もともと、ザインは、コアの自己再生の中から、今の形に変貌した、という経緯があるのだから、再度、そのような事態が生じてもおかしくはないかな、と。

まぁ、そのあたりの鍵を握るのも、操、なのかもしれない。

操をいえば、ボレアリオス、ちゃんと空を飛んでいたし、形状的には、EDの最後で織姫が見せた竜宮島の変化形に似ているから、やっぱり、島とボレアリオスが合体wするんだろうなぁ。

ともあれ、一騎、総士に加えて、甲洋、操、も登場したのだから、「存在と無の地平」に立つことの意味が問われるのだろうな。

しかし、EDの流れで行くと、ドライツェンは操が乗りそうなのだけど、これも仕込みなのか?
カノンが再登場する伏線として解釈しておきたいのだけどなぁ。

しかし、次回が待ち遠しい。
あの引きで終わるのは流石にしんどい。。。

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蒼穹のファフナー EXODUS 第20話 『戦士の帰還』

2015-11-14 10:26:11 | ファフナー
新OPになって、一期やRoLの登場人物たちが、いかにも一期のOPのオマージュを装って振り返られているところからよそうしはしていたのだけど、やっぱり、彼ら死者たちが再び、現れたね。

きっと翔子の再登場もあるだろうと思っていたけど、そのとおりになった。だから、新OPは、彼らが誰であるかを、一応、EXODUSからの新規視聴者に向けてヒントを与えていた、ってこと。

そして、ゴルディアス結晶は、死者の魂を、存在と無の地平に引き戻すものだった。

で、その魂たちと交信するためにも、エインヘリアル・モデルが必要だった、ということなのだろうな。

とはいえ、キールブロックで、カノンからメッセージを受け取ることができたのは、なんで、剣司と彗だけだったのだろう?コアを介したミールとの交信はエインヘリアル・モデルの機体だったら、どれでも可能、ということだったと思うけど。前に説明があった彗の適性を考えると、何らかの形で、ジークフリートシステムとの相性の良さ、とか関係するのだろうか。

剣司だけだったら、彼のSDPってことになったのだろうけど。でも、どうやら彼のSDPは仲間の同化を引き受けるという「薬?」の能力のようだから、違うのだろうけど。

しかし、前回、剣司に呼びかけた時の声は、本来のカノンの人格のものだったように思うけど、今回、キールブロックで剣司に説明した時の声は、竜宮島ミールそのものの声のようだった。まるで、カノンが、朱音のような感じになっていた。まぁ、カノンにせよ朱音にせよ、もともと軍人だったから、ああいう口調になってしまうのかもしれないけれど。

でも、カノンの後ろに集まった人たちが、これまで竜宮島を守ろうとして落命した人たちだったことを考えると、朱音の姿が見えなかったのはちょっと不思議。その意味では、総士や乙姫の母もいなかったし。この二人については、まだ、何かあるのだろうな。

しかし、甲洋、人型としての完全復活。
というか、彼こそ、朱音のあり方に近づいたね。
多分、ボディはフェストゥムだけど、魂は甲洋。

そういう意味では、総士が言っていたように、「無」の側に一度行って、再び「存在」を取り戻した。総士が言っていたあり方を実現した。

となると、問題は、カノンを含めて、落命した人たちが、甲洋のような形で復活するのかどうかだけど、それには、ファフナーという機体が必要なのだろうな。

今回、美三香の存在そのものが、小ワームホール球になってしまったけど、あの形にも意味があるのかな。甲洋は彼女の魂といっていたけど。甲洋のように同化が完全に進んでコアになるあり方とは違う形の、「存在と無の地平」にとどまるあり方なのだろうか。

でも、零央たちの他の同化現象からすると、美三香のワームホール球の形態だけが地平にとどまるあり方とは思えないけどね。これはどうするのか。

しかし、剣司の同化を引き受ける能力にしても、芹の敵を同化して喰らう能力にしても、基本的には一騎がザインを通じて実践してきたことだよね。あ、剣司は再生能力もつかっていたか、ノインに対して。

となると、やっぱり、エインヘリアル・モデルを通じて、ザインやニヒトの能力を再現する方向に向かっているということなのかな。そうなると、甲洋の復活を踏まえると、一騎や総士も一度、無に帰り、再び復活するのだろうか。そういう方向なのか。

それにしても、甲洋が竜宮島で復活した流れで行くと、派遣組では操が再登場するのだろうな。で、ここも甲洋と操の対比が面白い。片や甲洋は、人がフェストゥムとなって戻ってきた形態。で、片や操は、フェストゥムのコアが人間の心を得て人型化した形態。ともに、それぞれの立場から「進化」した状態。

面白いと思うのは、いわゆる融合ではないことね。ハイブリッドでもない。
それぞれが、それぞれの現在の存在形態から、環境の変化に応じて変異し進化した結果であるから。環境適応によって、双方が似た形態をとりつつあるけれど、でも、けっして同一種にはならない。

それも、「戦闘」という形で、相互にコミュニケーションを取った結果、相手の有用性を理解し取り込むことで変異しているのだから、共進化している、ということ。これは面白い。

でも、もともとこの共進化のきっかけは、シュリーナガルミールが竜宮島ミールに接触したことから始まっているのだから、共進化による変貌自体は、アルタイルを迎え入れるためのものだろうな。

で、そうなると気になってくるのは、残り後6話、という事実。
アルタイルの襲来まで果たして終えるのか。
なんとなくだけど、これ、アルタイル編は劇場版にでも持ち越されそうな気がするのだけど・・・どうかなぁ。

そうではなくアルタイル襲来までちゃんと描くのなら、次回ぐらいで、派遣組側で起こっている、交戦規定アルファという災厄を一掃し、操が再登場するくらいのところまでいかないと厳しい気がする。

もっとも、派遣組と竜宮島の合流地点の座標が、カノンから甲洋へのメッセージとして届けられた以上、その地で合流し、アルタイルを迎えるという流れだと信じたいところ。

それにしても、ナレインはどうやってダスティンたちに、あの一騎と戦ったフェストゥムを向かわせることができたのだろう。もしかして、ナレインがフェストゥムへの内通者だったということ?

いや、司令自らが敵の間諜であるならば、それを暴くことは絶対的に難しいから、逆に、その可能性は高まるのだけどね。一騎に「永遠の戦士」になることを勧めるところからして、ナレインが何らかの意味で、シュリーナガルミールの意志の、現実世界での代行者であることは間違いないだろうから。

というか、「永遠の戦士」を産み出すことが、シュリーナガルミールの意志なのかな。でも、一騎だけが「永遠の戦士」になった未来は、カノンが見た破滅の未来だった、ってことだよね。

となると、一騎とカノンの二人が残る世界がシュリーナガルミールの望む未来だとすれば、それに抗ってエインヘリアル・モデルを産み出し、竜宮島の人びとの魂をも活用した「記憶こそが永遠だ」的な発想で、定義上死なない戦士を生み出し続けるようにしたのが、竜宮島ミールの意志、という望んだ未来だったってことかな。

そうすると、最終的に美羽をアルタイルと接触させる点では、シュリーナガルミールと竜宮島ミールの狙いは被るけど、その遭遇の後でどうするか、というところで、実はアプローチが異なるのか。

いずれにしても、このあたりは、操が再登場して、総士が彼から操のミールの意志を聞かされたあたりで、問答が繰り返されるのだろうな。

とすると、前回の冒頭にさり気なく置かれた、エミリーと弓子の会話にも、とりわけエミリーが落涙していたことも、彼らなりに、美羽をはじめとした派遣組を、ある意味で謀っていることへの反省なのかもしれない。だとすると、シュリーナガルミールこそが最後に対峙すべき相手、つまりラスボスってことになるけど・・・ どうなのだろう。

そういえば、織姫が岩戸を出てきたのは、派遣組が出発してから後だったな。
やばい、いそがないと、ナレインたちの思惑に乗せられて、島自体が危なくなる、・・・、というのが織姫の本音だったのかなぁ。

で、時間がないから、あれほどまでにツンなキャラであり続けたとか。
全ては時間との戦いだったから。
ここまで来るとありえそうだなぁ。
そもそもウォーカー型だって、ナレインたちが竜宮島に誘導してきたようなものだしな。
いや、ほんとにシュリーナガルミールがラスボスに思えてきたw

例のザインと戦った竜型?のフェストゥムは、あれはシュリーナガルミールが育成している、フェストゥムの側からのファフナーの開発にも思えるしね。
シュリーナガルのインド神話的雰囲気からすると、あのフェストゥムは、シバ、ヴィシュヌ、ブラフマンのどれかが名前につけられそうだし。あるいは、インドラ型とかw

ともあれ、ここから先は毎回が最終回って感じになるのだろうな。

そういえば、OPの最後のほうで、ドライツェンの後に一瞬映った機体は何なのだろう?
フィアー?それとも操の機体?

というか、カノンとドライツェンの再登場、期待しているぞ!

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蒼穹のファフナー EXODUS 第19話 『生者の誓い』

2015-11-08 01:44:24 | ファフナー
いやー、今回は、いろいろと短いけど大事そうなエピソードがたくさん、複数の登場人物に対して示されていて、その分、実は、ものすごく転換点になる回だと終盤ギリギリまで思っていたのだけど、

とにかく、最後の2分間ほどに全部持って行かれたよ!

ここで、甲洋の登場かー!

しかも、カノン→織姫→甲洋、という流れで、甲洋の再登場が「実現させるべき未来」だったことまではっきりさせた上での再登場。

つまり、「正解にたどり着いた!」ってことでしょ。

カノンの頑張りはきちんと未来にたどり着いていたわけで。

しかも、カノンの声も再登場ということになると、カノンが再登場する道も開けたわけで。

いやー、これはねー。
しかも、甲洋が、ちゃんと彗を助けたことを一騎に向けて告げるあたり、一期の甲洋のトラウマの解決にも繋がっているわけで。
まいった!

H&Eの時はコアだけの再登場だったのが、今回は、甲洋は人の姿も取り戻した上での、文字通りの「帰還」。

ただ、ちょっと気になったのは、キールブロックにコアが出現して、そのままそれが彗の下へ転移し、そこで、フィアーごと人間の形に戻ったところからすると、もしかすると、人の形に戻れるのは、ファフナーの中だけかもしれない、ということ。

つまり、コア=ファフナー+パイロット、ということで、まさに「パイロットとファフナーが一体化」することで、一つのコアが形成されるのかな、と思った。

なにしろ、「エインヘリアル」だから。
「死せる戦士の復活した姿」こそがエインヘリアルだから。

・・・と思ったのだけど、そのまま流れたEDで、最後のほうで、前回は、一騎と総士が歩いていたところに、今回は、ちゃんと甲洋も現れているんだよね。

となると、ファフナーから離れても人間として存在できるのだろうな。

もっとも、あくまでも竜宮島の中だけでのことだと思うけど。

咲良の母親たちの示した体調不良をふまえれば(H&Eでも一度その描写はあったけれど)、島が住民の健康を維持しているのは明確なことなので。

大気として竜宮島の圏内を循環しているミールが島民の健康を維持している。

今回、一騎の口から真矢に向けて、島に帰ろう、ということばが発せられたので、島に戻った暁には、真矢たちにもSDPがやはり生じるのだろうな。

ともあれ、すっかり最後の甲洋の再登場で持って行かれたエピソードだったけど、地味に様々な情報が、個別のやり取りから与えられていた。

まずは、弓子だけど、どうやら本人の意志はきちんと残っている。多分、シュリーナガルミールの力で復活したのは間違いないのだろうけど、それはあくまでも身体の再生だけであって、意志というか、アイデンティティの同一性は保たれている。つまり、ミールに意志まで乗っ取られているわけではない。ただ、自分が再生されたという事実を含めて、ミールの力、ならびにそのミールと交信できる美羽の能力についての理解が著しく進んでいる、ということ。

次に、暉だけど、メチャクチャヤバイね。というか、もはや幼児退行も部分的に見られて、典型的なヒッキー体質になっている。正直なところ、暉の存在が一番、危なっかしい。完全にトラブルメーカーになっている。派遣組では完全に浮き始めているので、ここらで闇堕ちしないか不安。いや多分、するんだろうな。

それから、真矢。
一騎との関係が進展するような感じで、端的に良かった。
どう考えても、もはや、彼女が派遣組のゴルディアス結晶=地平の役割を果たしているから、彼女が壊れたらヤバイので。

で、前回のゴルゴっぷりから、変性意識が本来の意識を乗っ取っているかも、と思っていたのだが、そりゃ、あれだけ、ジーベンに近いところで生活していれば、そうなるよね。その半ば中毒化していた行動が、一騎のおかげで目覚めることができそうなところがよかった。

あとは、剣司と咲良の、いささか唐突な結婚。
ここまでの一期、RoL、H&Eへのリスペクトっぷりを考えると、どうしても道夫と弓子のことを思い出してしまうので、これは、最後に、二人の子供が、美羽を超えるクロッシング能力をもつ存在として生まれる、ということを示唆しているのかな、と。

まぁ、その場合、剣司の死亡がかなり前提になりそうだけど。

ただ、今回のカノン、甲洋の復活の様子を踏まえれば、少なくとも竜宮島で生活している限りは、命は失っても魂=コアは失わない、そして、ファフナーを介して身体を復活させることはできる、ということのようだから、「死亡」のもつ意味自体が大きく変わりそうなので、死亡フラグもあまり恐れる必要はないのかもしれない。

まぁ、一種の、霊界通信、をしているようなものだよね。
ミールを介して。

ただ、織姫も、「命」はなくしても存在はなくさない」とか、身体がどうなるかまでは保証できない、というようなことを言っているから、同化ギリギリの段階で、存在と無、生と死の地平にとどまらせることができるのだろうな。

しかし、甲洋の再登場が可能なら、彼の他にも、島で命を落とした人たちは、復活しそうだね。もちろん、その筆頭は翔子だけど。

今回の結婚式で、さり気なく、翔子たちら、死者の遺影も画面上に現れていて、つまり、生者も死者も、近藤夫妻の門出に立ちあい祝った(文字通りの「祝福」)ことになるので、彼らも何らかの形で登場しそう。

そうして、竜宮島は、竜宮島で生と死を迎えた人びとの総力でもって、存在を維持していくことになるのだろうな。

そういう意味では、遠からず、カノンも再登場し、EDの一騎、甲洋、総士の列に並ぶようになるのだろう。

そう考えると、もともと甲洋の生家であった「喫茶楽園」に、カノンが翔子の帽子をおいてきたことの意味は大きいと思う。多分、次回あたり、もしも甲洋が人間体のままでファフナーの外に出れるのなら、きっと、楽園には立ち寄ると思うので、そこで翔子の帽子を見つけることになりそう。

となると、帽子に挟まれていたメッセージは、てっきり一騎向けと思っていたのだけど、甲洋向けなのかもしれない。

ああ、そうか、今気がついたけど、そういう一期や今までのことを物語に埋め込んでいることを、エグゾダスから見始めた人たちにもなんとなくわかるように、そのためのヒントとして、新しいOPを半分くらい、一期のOPと似たものにしたのだろうな。情報補完の意味で。

となると、保も復活するのか?広登とともに、ゴーバインの初代と二代目が揃い踏みするのか?

・・・と、いやー、ものすごく面白くなってきた。

最初は、二期の開始早々、広登が死んでしまい、カノンも消失、という展開に、ええー、それはないでしょ、と思ったのだけど、エインヘリアルモデルの登場で、死の意味が全く変わってしまい、むしろ、次なる存在へのステップとして死があるようにすら、思えてきた。

おもいっきり、輪廻転生なわけだけど、これも、シュリーナガルがインドであることを考えると、ヴェーダとか仏教とか、そのラインでもことなのだろうな。

そういえば、SDPば発生したきっかけを与えたのはエミリーだったっけ。

そのエミリーが暗示したのだから、きっと、派遣組の方では、遠からず、操が再登場するのだろうな。

今回、竜宮島組は、エインヘリアルモデルの開発に1ヶ月近く使ったはずだから、派遣組のほうも、それだけ作中時間が経過しているはずだから。

あ、でも、そうなると、EDの列に加わるのは、カノンではなく操、ということもありえるのか。うーん。

そうだ、あと、あのカノンが見た死んだ竜宮島は、きっと、今回言ってた島民のエグゾダスの結果、ゴルディアス結晶が島から奪取されてもたらされたものだったのだろうな。

その意味では、島は分離しないで済んだと思いたい。

あとは、ED最後の竜宮島のウミガメ形態はいつどうやって起こるのだろう。
てっきり、例の超巨大なリヴァイアサン型を、芹の力で同化/再構成してのものだと思っていたのだけど。。。

てか、甲洋の登場によって、アザゼル型や彼らのミールは駆逐されるのだろうか?

ともあれ、ぼちぼち、派遣組と残留組が合流してくれないと、肝心なアルタイルの襲来に備えることができないように思うのだが。

なにしろ、あと7話しかないのだから。
でも、来週も楽しみだなぁ。

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蒼穹のファフナー EXODUS 第18話 『罪を重ねて』 新OP/EDと「存在と無の地平」

2015-11-01 16:21:10 | ファフナー
改めて思ったけど、このファフナー、「存在と無の地平」が最終的な主題となるのだろうな。

で、そう考えた時、面白いなーと思ったのは、新OPのタイトルが「DEAD OR ALIVE」なのに対して、新EDのタイトルが「ホライズン」。

いやー、まんま、OPで「存在と無」を扱って、EDで「地平」を名乗ってるわけで。

そうなると、やっぱりOPの映像は、生者か死者かによらず、これまでの竜宮島に関わった人びとの記憶が映像化されたものという位置づけなのだろう。でないと、幼少期の、確かアイルランドにいたはずのカノンの姿なんて映しだされるはずがないよね。

くわえて、翔子や保、甲洋らの姿も一期のままで映されるのは、ある意味で彼らが再び何らかの形で現れるかも、という予感でもある。翔子はカノンとともに新たなドライツェンに現れるのもかもしれないし、保は広登とともにミミカのコクピットに現れるのかもしれない、ゴーバインのメット繋がりでね。

というのも、OPの途中で、エミリーと美羽が互いに頭を垂れて祈っている姿があるけど、あれがきっと、ゴルディアス結晶に情報として蓄積された「記憶」を呼び起こしている姿なのだろうから。そして、そこから画面は代わって、現在の一騎、総士へと転じていく。

新OPで象徴的なのは、第1クールのOPの最後のザインとニヒトが天空に向けて登ろうとしているカットから更に進めて、蒼穹の空そのものを捉えたところで終わっていること。そこに希望が込められている。

で、一方、新EDの方は、タイトルからすれば、まさに、存在と無の地平=ホライズンに立ち続ける存在としてのファフナーの世界。それゆえ、ザインとニヒトだけでなく、ドライツェンとフィアーが背中を預けながらフェストゥムと戦う姿が描かれる。最後には、竜宮島の変形形態も現れて。

だから、新EDは新OPからの流れで解釈したほうが面白いのだろうな、と思うし、そのように見ることで、今後の展開や先行きの示唆にもなっているのだと思う。

しかし、こう見てくると、竜宮島側の動きはベタに北欧神話、派遣組というフェストゥムの世界の話はベタに聖書の世界。そこに、動的自律系として生物を捉える視点から、フェストゥムも人類も同列に扱おうとするのだから、ホント、よく考えられているなぁと。

完全に、二項対立に基づく、善悪の対決、というシナリオから逸脱しようとしている。そこに物語の新たな挑戦を試みているように思えて凄い。

なにより、いわゆるガンダム系列の冷戦的対立構造という軍略ゲームや、エヴァンゲリオン系列の自分探しでグルグル周りの自家中毒症、といった、もういい加減かんべんしてよ、という物語群とは、全く異なる「地平」にある物語を語ろうとしているのが素晴らしい。

ホント、この先の物語の収束が楽しみ。

それにしても、アルタイルが来るところまで描ききれるのだろうか。

なんか今の感じだと、アルタイル降臨は、また劇場版に持ち込まれな気がしてならないのだけど。。。

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蒼穹のファフナー EXODUS 第18話 『罪を重ねて』

2015-10-31 09:16:08 | ファフナー
あー、やられたよー
前回のカノンの幕切れからすれば、こうなるのはわかっていたけど。
冒頭のカノンの退場は厳しい。
もっとも広登と違って、明確に「消滅」が描かれた上で、確定したのは良かったけど。

そして、新OPへ。
これもキツイなぁ。直球過ぎて。

でも、直前の、カノンが、成長したゴルディアス結晶の木?に向かって歩いていく様子からのOPへの入りだと、そもそもこのOPの映像が、竜宮島のミールに蓄えられた生者も死者もあわせた記憶=情報の再生みたいに見えるよね。

で、今回も出てきた「存在と無の地平」ということからすると、OPの曲タイトルの「DEAD or ALIVE」というのも、納得できてしまった。

とにかく、「存在と無の地平」をさまよう存在が存在=人類と無=フェストゥムの間に誕生したファフナーという存在なのだろうな。

そして、一騎や総士のザルヴァートル・モデルが単騎(スタンドアロン)で実現してしまっていた、その「地平」での存在を、竜宮島ぐるみで可能にしたのが、カノンが最後に見つけてきたエインヘリアル・モデルだったのだろうな。

新OPを見る限りでは、既存のファフナーもエインヘリアル・モデルに変えられるようだし。

で、先に新EDに行くと、操だけでなく甲洋も再登場しそうだしね。
まぁ、H&Eのラストを見ると、操と甲洋が融合して新たなフェストゥム個体に転じている、ということかもしれないので、一人の登場で二人分、ってことになるのかもしれないけれど。

あと、ドライツェンもちゃんと稼働しているしね。
新EDの、一騎、総士、カノン、甲洋の揃い踏みって、そもそも全員「地平」に存在するもの、という意味かもしれないけれど。

それで、ようやく今回の話だけど、竜宮島も派遣組も物語が動いたね。

あのリヴァイアサン型とダニ?型のフェストゥムが、カノンが探していた「本当に倒すべき敵」ということだったのだろうか?
今のままだと正直、絶望的な状況だけど。

でも、EDの連想で言えば、竜宮島自体が、浮遊城のように、空を飛びそうな勢いにあるから、きっと、島の変容で対処できるのだろうな。

そして、そのきっかけとなるのが、きっと操のミールなんだろうな。

そう思うのは二つあって、まずは、竜宮島の浮遊城形態が、どうみてもベースになにか戦艦とか空母的なものがあるように見えること。これは、操たちのミールが乗っていたH&Eの空母?だよね、きっと。

で、もう一つは、操が願っていた「青い空を見たい」という情熱。

ダニ型の攻撃を見ると、竜宮島から空を奪おうとしているわけで、この事態を操が許すはずはないということ。では、どうやって連絡をとるのか、といえば、操のミールと竜宮島のコア(=織姫)の両方に関わった朱音の存在が働くのだろうね、きっと。

OPの様子を見れば、今までのファフナーの全ての記憶(エピソードや登場人物など)は、この先、全て投入するよ、という宣言でもあるように思えるから、朱音もきっと何らかの役割を果たすでしょう、きっと。

にしても、リヴァイアサン型、絶望的に巨大だけどね。

あと、ミールが海になった、という展開は、竜宮島のミールが大気になった、というH&Eのラストからすれば理解できるし。

で、同様の変貌を、派遣組が見つけたフェストゥムの森でも見いだせたわけで。

これは、どうやら、フェストゥムも、地球の生命体に学んで、個体としての生物種の群棲からなる生態系をつくりだす方向に動き出した、ということだよね。

そういう意味では、もはやフェストゥムも一枚岩では全く無いわけで。

で、そうなると、人類軍がひたすらヘイトを集めていることもわかる。要するに、人類だろうがフェストゥムだろうが、悪いやつは悪いし、善いやつは善い。種としての区別がそのまま憎悪の発生原因にはならない、ということを暗に示しているのだろうな、と。

そういう意味では、一騎に「永遠の存在にならないか」という問いかけは、「地平」に存在する、というファフナーの位置づけも含めて、最後まで引っ張る話になるのだろう。

その点で、既に半分くらいはフェストゥムのような存在と化している総士が、「人間としての生を全うする」ことに、ことのほか執着していることと対比的に描かれるのだろうな。

14話の、総士、一騎、真矢の会話の中で、一騎がフェストゥムの世界について総士に問いかけたように、一騎自身は、フェストゥムの世界、無の世界を触れてみたいと思っている節があるから。それに、カノンもそちら側に行きかけているからね。少なくともカノンや甲洋が存在する「地平」を一騎が垣間見ることはきっとあるのだろうな。

そして、一騎をギリギリのところで、こちら側につなぎとめる「地平」の役割が、真矢だと。

今回、容赦なく密偵を撃ち殺した真矢の決断は、後から見れば、地平としてあり続けるという決断でもあったのだと思う。


ともあれ、ようやく物語が終幕に向けて動き出した、という感じ。

カノンの復活には、もちろん、まだ期待しているけど、もはや物語の攻勢を考えると、単純な復活という形ではありえないのだ、と思ってきているので。その点ではエインヘリアルというのは、当然のごとく、希望であると同時に呪いだよね。

しかし、面白くなってきたなぁぁ。

気になるのは、このペースで本当にあと8話で終わるのか、ということ。心配だよw

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蒼穹のファフナー EXODUS 第17話 『永訣の火』 エインヘリャル・モデルの役割

2015-10-26 15:25:54 | ファフナー
これもまた北欧神話からだけど、エインヘリャルは、ラグナロクの時にオーディンに加勢する、死んだ戦士たちらしい。となると、カノンはやっぱり最終決戦で再登場ってことだね。

むしろ、それを可能にするファフナーとしてカノンが設計したのが、エインヘリャル・モデルということで。

その設計に即して、残された羽佐間容子らが最終決戦前に機体を作り上げるということなのだろうね。

で、今までの流れを考えると、最後の局面で、カノンは、ゴルディアス結晶体から魂を呼び戻されてファフナーとして復活する。既に、それは甲洋がやってみせているけど。それをきちんと理屈をつけてやってみせる。

というか、総士も一騎も、H&Eで、一旦同化され消失されてから、復活してきているわけだけど。

カノンが単独で行っていた未来での戦いは、基本的には、未来が続く未来を得るための戦いだったはずだけど、同時に、16話の最後、17話の冒頭で登場していた、新型のファフナーの設計思想やスペックを明らかにすることも目的だったんだろうな。だから、きっと最後の未来の戦いを通じて、その設計方針も明らかになったのだと思う。

でもこうした変化は、今のミールになって、ファフナーがフェストゥムの能力を使えるようになってから起こっていることだから、それ以前に亡くなった人たちは難しいかもしれないけれど、カノンはもとより、広登も再登場するかもね。

それにしても、あれだけ遠方にあったはずの広登の魂までも引き寄せるゴルディアス結晶って、一体何なんだ、ってことだけど、それも、情報体だから、ってことできっと可能になるって理屈なんだろうなぁ。

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蒼穹のファフナー EXODUS 第17話 『永訣の火』 エインヘリャル・モデルについて

2015-10-24 21:12:16 | ファフナー
カノンが最後に名づけていたモデル名の「エインヘリャル」って、北欧神話で「死せる勇者の魂」ということなのね。ヴァルキリーによって、オーディンの館たるヴァルハラに集められるらしい。

だとすると、ゴルディアス結晶は魂が集まるヴァルハラに相当して、その結晶体を生み出したミールがオーディンってことなのかも?

で、オーディンといえば隻眼なので、そうすると美三香がオーディンなのかね?

ともあれ、わざわざモデル名に「エインヘリャル」を選んだことからすると、カノンは、この先の未来がどうなるのか、やはり知って理解した上で、消滅を受け入れたということなのだろう。

となると、カノンが知った未来の終幕に向けてどう収束していくのか、それを追っていくのがこれからの物語ってことになる。

あとは、その死せる戦士の魂を集めてしまうゴルディアス結晶を使ってミールが何をするのか。初期の話だと、宇宙から飛来するミールとのコンタクトに備えるということだったから、そのために利用するのか。

でも、そうすると、なぜファフナーが、パイロットともに、どんどん変化していくのか、そこが今ひとつわからない。

あと、エインヘリャル・モデルとザルヴァートル・モデルとの違いもね。
ノートゥング・モデルの変化形をただエインヘリャル・モデルと言ってるだけではないよね、きっと。

カノンはヴァルキリーとして、そして、予言者として自分の役割を全うした、ということだよね。それは、この物語の中であてがわれた彼女の役割を全うしたということで。その意味で運命に殉じた誉れある死を遂げた、ということになる。

やっぱり、復活はあるんじゃないかな。。。

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蒼穹のファフナー EXODUS 第17話 『永訣の火』

2015-10-24 17:01:19 | ファフナー
うーん、まさかの、ここでカノン退場。。。
厳しいなぁー。
一話ほぼまるまるのカノン回だったわけだけど。
うーん。

なんていうか、かなりギミックの効いたエピソードだよね。

カノンの頑張りでなんとか竜宮島全滅のバッドエンドは回避した。
加えて、島の最深部のゴルディアス結晶の成長が今後の鍵を握ることもわかった。
ファフナーへの新たな同化への対処方法の鍵も見えた。
なにより、ゴルディアス結晶こそが、敵のフェストゥムが狙っているものであることもわかった。

でも、この結晶体って、エミリーたちのミールと、竜宮島のミールのいわば合作のようなものだったはずだよね。その合作のところにやはり意味があるのだろうか。竜宮島にもともとあったミールと、北極ミールの破片だよね、エミリーたちのミールって。そして、確か、操のミールでもあったはず。

あとは、広登も含めて、そのゴルディアス結晶に回収されているということ。
そして、里奈はどうやら、ゴルディアス結晶とチャネリングできるようだ、ということ。

となると、ゴルディアス結晶は、人の魂?を囲い込むための存在なのかもしれない。

というか、今回のカノンのことばによれば、「記憶」という形で保存し再生する場である、ということみたい。なので、魂の貯蔵庫のようなものなのだろうね。

で、こうなってくると、第2クールが始まってから盛大な勢いで、広登、オルガ、カノン、と退場してしまったわけだけど(なにしろ、まだ17話!)、彼らが何らかの形で「再生」ないし「復活」してもおかしくない展開になるのかな、と思えてきた。

もちろん、再生能力はすでに芹がもっていることもあるけど、それ以前に、甲洋のケースや、総士のケースがある。逆方向のアプローチとしては操もいるしね。

なにより、すっかり作中でも忘れられているけど、新ミールが宇宙からやって来るわけで。

「存在」と「無」の地平、という表現も今回またでてきたわけで。

しかも、今回のカノンのケースは「死」というよりも「消失」に近いものだったので。
なんだろう、魂の定着先としての身体を構成する質量を徐々に剥ぎとっていく感じで、最後に、もはや「この世界」に定着させておくだけの質量がなくなったので、魂の部分が回収されたというイメージだよね。

確か総士のことばだったと思うけど、生存したという「情報」を残す、ということを14話で指摘していたはずで。まさに、その「情報」こそが、死者の記憶だし、そのための弔いという儀式であるわけで。

だから、灯籠流しの日にカノンが消えること自体、きちんと符合している。

その意味では、ゴルディアス結晶そのものが、墓碑や慰霊碑のようなものになるのだけど。

あー、これは、しかし、『2001年宇宙の旅』のモノリス、ということになるのか。
情報記憶媒体として。


あとは、よくよく見てみると、カノンの体重が、3キロほどあった状態から20グラムまで減った状態の間にファフナーに搭乗した場面、つまり、カノンの未来における最後の戦いは巧妙にカットされていた。

なので、その場面の描写が後に、本編であり得べき未来として描かれるのだろうな。

だから、鏑木母が潮の流れから海の可能性に気づいたところで、それが正解だ、というような表情を作ったのだろうし。

で、その未来を選択するためには、カノン自身が(少なくとも一旦)消失するしかなかった、ということなのだろう。でないと、あんなに清々として消失を迎えることなんてできないだろうし。

もともとファフナーはタイトル名が示す通り、北欧神話をモチーフにした構成がとられているけど、それに従えば、カノンの、ヴァルキリーとして、戦士として誉れある死を選択したわけで。

エグゾダスという表現から、すっかり聖書モチーフにシフトしたのかと思ったけど、やっぱり北欧神話だったんだなぁ、と納得。そういう意味では、カノンが見た「未来」はラグナロクだった、ということなのだろうな。神々の戦いだけど、その意味では、ファフナーを駆る一騎たちもフェストゥムも神族こそ違うけど、ともに神であることは間違いないということで。むしろ、一連の超常能力を伴う新同化現象は、ファフナーと一体化することで、人の子を神に変える手立てだったということなのかもしれない。

ともあれ、まさかのカノン退場に呆然としたけど、広登同様、あまりにも早過ぎる退場ゆえに、むしろ、この後の復活に期待したい。というか、一縷の望みを繋ぎたい。

総士の前例もあることだし。


しかし、それにしても、「永訣の火」というから、てっきりまた核による業火が描かれるのかと思っていたら、文字通り「別れの火」としての灯籠のことだったとは!

まったくもって、やられたよー。

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