先に感想を書いたコミックの42話がおおむね原作の3巻までの内容だったので、そのまま原作に移行w
で、読んでみたら、どうやら5巻が序盤の区切りだったように感じたので、ひとまず、ここまでに思ったことをまとめておくことにする。
ていうか、それくらい5巻が物語の設定や背景を語る場面が多かったってこと。
5巻までに、オリバーは母クロエの仇として、ダリウスとエンリコを討ったわけだけど、その背景となる事情が、クロエが存命中のエンリコとのやり取りを含めて、あれこれ書かれていた。
で、先に一番大事だなと感じた思いつきを書いておくと、
多分、ナナオは、今現在エスメラルダ(学園長)の中に取り込まれている亡きクロエの魂を移し替えるための「器」として、シェルの父セオドールによって見出されて、学園にまで連れてこられた、ってことなのだろうな、ってこと。
どうしてそう思ったかというと、一つには5巻のオリバーVSエンリコ戦で描かれたように、いくらクロエの遺児とはいえ凡夫のオリバーでは、千年の一人の超天才魔法使いクロエ=ハルフォードの魂を降ろす先としては、絶望的なくらい矮小だから。
裏返すと、クロエの魂を移すには、クロエに匹敵するくらいの天賦の才を持った逸材を見つけるしかなく、その逸材が、どうやらナナオだったということ。
だから、エスメラルダとクロエの先輩で両者と親しい友人でもあったセオドールは世界中を旅して、東方の地でイノセントカラーの素養のある侍ナナオを見出してきた。
セオドールからすれば、クロエの殺害の際にその魂と融合したエスメラルダを、魂魄融合の苦しさから解放してやりたいということなのかもしれない。
だからこそ、4巻で、セオドールは、入学後1年経ったナナオの「器」としての成長ぶりを試すために、わざわざ人斬りを用意して、ナナオの腕を試すようなことをしたのだろう。
で、こうなってくると、どうしてエスメラルダたちはクロエの殺害を計画したのか、ということになるわけで、そのことはおいおい語られることになるだろうと思うけど、5巻の内容をみる限り、それは、異界(水金地火木土天冥)の神に帰依した異端の討伐の中で、たた討伐するだけではだめだと考えたクロエへの対処であったことは間違いなさそう。
で、エスメラルダがクロエを慕っていた後輩ちゃんだった、ってことからすれば、他のものにクロエが討伐されるくらいなら、自分たちの手で討ちたいと考えたとしてもおかしくない。
そうはいっても、クロエの才能は失うにはあまりにも偉大だったので、だったらその「魂」を奪い取ることで、クロエの才を後世に伝える機会を残したいと考え、そのための魂の器としてエスメラルダが名乗りを上げたということなのだろう。
で、それならクロエ討伐を言い出したのがエスメラルダだったというのも納得できる。
同時に、ただ殺害するだけでなく、クロエに考えつく限りのありとあらゆる拷問を尽くした上で殺したのも合点がいく。
というのも、5巻で、オリバーがクロエの魂を受け入れる際には、事前に父によって心身ともに擦り切れるほどまで痛めつけられたところで、そこまでいってようやく生じる魂の引き合い?によって、母クロエの魂との融合をようやく始めることができたから。
同様のことは、魂を引き剥がされるクロエにとっても必要だったのではないか。
そして、そうなると、クロエの魂を受け止める器として自らを差し出したエスメラルダにしても実は、ほぼ死に体の状態にあったのではないか。
だから、むしろ、状況的には、エスメラルダが、エンリコにように後にクロエの殺害者・拷問者として名を連ねるものたちによってまさに殺害されようとしている場面に、そのエスメラルダを救済しようとクロエが駆けつけ、エスメラルダ解放の条件として、自らが痛めつけられる方向を選択した。
裏返すと、エスメラルダは、自らを餌にしてクロエをおびき出し、自らの解放のために、クロエに魂を献上せよと交渉したのかもしれない。
クロエからすれば、そうしたエスメラルダの意図を組んだ上での殺害(実質的な自殺?)だったので、その超天才性によって、魂を分割し、残りの魂が後にオリバーのもとに届くようにしたのかもしれない。
・・・って具合に、クロエ殺害の真相が、いずれは明らかにされるのだろうな、と期待している。
同時に、こういうことなら物語の最後では、エスメラルダからクロエの魂を譲渡されたナナオが、同じくクロエの魂をもつオリバーと真剣勝負を行う場面もあるのかもしれない。
で、それは、とてもドラマティックだなーと。
と、こんなことを5巻読了後に思いついてしまったので、とりあえず書き留めておこうと思った
なにはともあれ、業の深い物語だよ。
表向きのハリポタ的魔法ファンタジーとしても、その裏にあるオリバーの復讐譚にしても、そのままでは物語としては終わらないのは間違いなくて。
なんだったら、「クロエの悲劇」が、ナナオに対して、オリバーやシェラ、ガイ、カティ、ピートたちによって繰り返される、という惨劇による終劇もあるかもしれない。
『アルデラミン』の作者だったら、それくらいのバッドエンド、なんの痛痒もなく描ききってしまいそうで怖い。
でもだからとてもこの先が気になるw
ということで、6巻に向かうことにするw