BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

英雄教室 第6話 『将軍と怪鳥』 感想

2023-08-15 19:42:30 | Weblog
うん、なんかいい回だったなw

ディオーネのようにかつて勇者だった頃のブレイドを知る人物が物語に関わると、ブレイドが素直に自分の心情を吐露できるのがいいw

しかも、今回の怪鳥の卵を守るように、ブレイドが、今の仲間たちと共同作業をする場面でね。

当然、ブレイドは、以前の自分と今の自分を比べて、今がどれだけ幸せか、としみじみと噛みしめることができるから。

原作も、後半になると、今回の騒動のように、皆で協力して苦難に立ち向かうことになって、それがまたどれもこれもいい話になるんだよねw

で、その合間合間に、アホなコメディネタが散りばめられるという。

コメディとペーソスと英雄劇が、いい塩梅でブレンドされて。

ということで、今回みたいな展開がいいな、やっぱり。

しかも、今回久しぶりに作画もヘタれてなかったw

制作陣も力の入れどころ、よくわかってるじゃないw

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七つの魔剣が支配する 第10巻 感想: シリーズの折返しとしてオリバーの過去をはじめ様々な秘密が解禁された重要かつヤバい巻!

2023-08-15 13:55:35 | 七つの魔剣
前巻の最後で魔に飲まれかかったカティをどう守るか、その検討を始めるところから始まった第10巻だったけど。。。

冒頭のカティの幼少時のエピソードも凄ければ、終盤のオリバーとシャーウッド兄妹の話も凄いw

魔法使いという存在が人外であることを示したエピソード。

ていうか、両腕を餌の代わりに魔物に差し出したカティって、幼少時においてすでに片足、魔に踏み込んでいるようなものじゃないの?

いくら魔法で「手が生えてくる」からといって。。。

やっぱりこれはカティが真っ先に魔に呑まれるんだろうなぁ。

でもきっとそれを救うのはオリバーではなく・・・となりそうで、今から切なくなる。


で、そのカティの逸話を軽く一蹴する後半のシャーウッド家のエピソードの凄惨さといったら。。。。

これはもう、Fateの間桐家そのものじゃないかw

魔道に堕ちた一族の末路。

シャーウッドのお館様とその奥方様の非道ぶりといったらない。

いま、常軌を逸している、と書こうとしたのだけど、でも、どうやら彼らには「常軌」なんてものが最初からないのだろうなと気づいて書くのをやめた。

それくらい、めちゃくちゃ。

忘れないうちに書いておくと、シェラの実家であるマクファーレン家も似たりよったりなんだろうな、きっと。

エルフの血をとりこむくらいなのだから。

とにかく、「血筋」に対する執着が凄い。

今で言えばその実体は遺伝子/DNAってことになるのだろうけど。

お館様の執着もとどのづまり、それに帰着する。

その結果、歴史によくある近親相姦ってことになってシャノンの悲劇が繰り返される。

ただ、ちょっとだけ疑問に思ったのは、あんなお館様の下で育ったにもかかわらずグウィンとシャノンが最初からオリバーに好意的だったのが不思議だった。

彼らが、それこそ常識的に人権派になっていたところがね。

自分たちがお館様の暴挙を受けたからなのか、

それとも、身内に、クロエという自由な魔法使いの象徴のような存在がいたからなのか、

あるいは、そのクロエの両親の代で、個々の魔法使いの尊厳や人権に配慮する必要が説かれる何らかの歴史的事件があったのか。

そのような魔法使いの世界を震撼させる出来事があった、お館様の代との間に断絶をもたらすような出来事でもないと、ちょっとあのグウィンとシャノンの常識人ぶりは逆に理解しにくいかも。

まぁ、オリバーの父のエドガーが謀反を起こす際の組先に親戚の人たちもいたということだから、お館様夫妻が狂人過ぎただけなのかもしれないけれど。

ともあれオリバーが幼少期を過ごしたシャーウッド家が生地獄であったことはよくわかった。

クロエがいたらどうなっていたのだろう。

逆に、あの場にシャノンがいなかったらエドガーとオリバーは門前払いで終わってたんだろうな。

魂魄融合の恐ろしさ。

さっきFateの間桐家って書いたけど、この魂魄を扱うあたりは、むしろ『魔法科高校の劣等生』の四葉家の方が近いのかも。

そう思うとオリバーって意外とお兄様たる司波達也に境遇がちょっと似てる。

となると、オリバーもいつか達也みたいに、超凄い魔法使いに目覚めたりするのかな?

つまり、これまでの魔法使いの尺度としては測れない存在として。

ナナオがそうなるとばかり思っていたけど、このあたりのオリバーの動きからすると、そうした超変化もあるのかもw

今回、デメトリオを倒すこともできたし。

エンリコを倒したときのように、次巻以降、またオリバーの基礎能力が底上げされる描写があったりするのだろうか?

まぁ、あったとしてもそれは、前回の経験から、今度は黙々とオリバーが自己調整を図るだけかもしれないけれど。


それにしても、VSデメトリオ戦は、実質的に、オリバーの過去を明らかにすることに使われてしまった。

しかも決着自体、ユーリの助力という裏技をつかっての勝利だったし。

ちょっとエンリコのときとは違った。

もちろん、同志の間でまた貴重な先輩たちを失う羽目になってしまったわけだけど。

今回、ミリガンとカティの名が、同志の勧誘先として挙がっていたけど、どこかのタイミングでそれもあるのだろうな。

だってこのままだと同志だってどんどん死んでしまうだろうし。

てか、前から思っていたけど、教師への復讐の際、これだけ在学生の同志がまとまって亡くなったら、学園側もおかしいとは思わないのだろうか。

一応、全員、迷宮に潜って未だ帰還せず、という失踪者扱いされるだけなのかもしれないけど。

そのあたり、グウィンがどうやって学内情報を操作しているのか、ちょっと気になってきたw

もちろん、それ以上に、どうやって勧誘しているのかも。

だって、ルルーシュみたいに、オリバーが直接、幹部候補を勧誘しているわけでもないじゃない?

となると、勧誘の殺し文句は何なのか?

しかも命を散らすことも辞さずに超格上の魔法使いである教師たちに挑むとか。

死にたがりの集まりでもないとそれは無理なんじゃないかな、と。

それくらい、魔法使いの社会が歪んでいて、そのことに心底辟易としている学生が多い、ということなのかね?


それにしても、今回はいつものほぼ倍近くのページ数があったので、中身も濃かった。

特に中盤の、オリバーとナナオをめぐる剣花団の面々のエピソードや、敬愛する君主を汚されたと激怒したテレサの暴走とか。

そりゃ、相手がナナオじゃ、テレサの敗走の一択だよねw

でもまさか、ここで意気消沈するテレサの前に現れるのが、リヴァーモアと例の亜霊体生命体、どうやら「ウーファ」という名をつけられたようだけど、その「半霊」だったとは。

この出会いは全く想定外だったので、この先、テレサとサイラス&ウーファの繋がりにも注目だな。

でも、ウーファって、絶対「ファウ」の裏返しだよねw

サイラス、おまえさー、意外と可愛い所あるじゃないw

それに、サイラスがやたらとテレサのことを「小さな肉」と呼んでいたところは相変わらずだな、と思って笑ってしまったw

そういう意味ではサイラスにも何らかの心境の変化が起こっているのかもしれない。

とまれ、テレサが、オリバーでもグウィンでもなく相談する相手が出来たのは面白い。

まさか、こんな形でリヴァーモアがオリバーの圏域に入ってくるとは思わなかったけど。


で、そのオリバーの圏域ということでいえば、今回は今後の剣花団を占う大きな動きが目白押し。

まずは、肉食系女子であるナナオが遂にオリバーを射止めた・・・といいたいところだったけど、シャノンとの間の意識のない不幸な初体験で性交に対して過剰にピュアになっているオリバーとは、最後までは行かず、オリバーとナナオの距離は縮まり、安定化したけど夜伽の話はまたこれからということで。

ただ、この二人の行く末を思うと、それが最後までお預けのまま進みそうな気がとてもする。

そして、そんなナナオとオリバーの危うい関係をなんとか維持しつつ剣花団を守ろうと誓い合うシェラとピート。

確かにピートはちょっと暴走気味だけど、リバーシという両性具有的存在の彼/彼女が、今後、オリバーとどういう距離をもつかも注目かも。

ていうか、すでにオリバーも魔に半分くらい堕ちてるでしょ。

考えることが過剰なまでに合理的すぎる。

同様に、シェラもね。

彼女についてはおいおいマクファーレン家の闇とともにあれこれ明かされるんだろうな。

友愛こそを大事するにするシェラはシェラで、愛情の向かう先や表現方法が少しズレてる感じがするし。

一方、オリバーとナナオの接近にヤキモキするカティとをそれをなだめるガイ。

ピートがリバーシというレアキャラになってすっかり霞んでしまってモブ落ちしそうなガイだけど、ここに来てチームのまとめ役として良心の塊みたいになってきたけどどうなのだろう。

それ普通に考えたら、イイ人属性からの早死にフラグだよね?

この作品に限って、そんなテンプレ展開はないと思いたいけど、だったらガイはどういう役回りになるのだろう?


ということで、内容が濃すぎて本巻は困る。

まだまだ書き足りないこともあるし、そもそも本巻は、ユーリが登場した6巻以後の展開をまとめる「中締め」的役割も濃い。

なので、ちょっとまた思いついたら別途書くかも。

ということで、デメトリオを討った後のオリバーたちを描くであろう11巻へ。

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七つの魔剣が支配する 第9巻 感想: とにかく最後の「異界」にすべて持っていかれた!

2023-08-15 12:32:47 | 七つの魔剣
前巻では一休みしたオリバーたちの決闘リーグもいよいよ決勝リーグへ。

その全てで示されたのがオリバーの非凡な能力。

ユルシュル=ヴァロワといういかにも目がいっちゃってるクーツ流の騎士の猛攻を、彼女のクーツ流の根幹を見極めるまで耐えに耐えて、最後はむしろそれに合わせて斬り伏せた。

しかも「見極め」に重点を置いた結果、「情報戦」とまでいう始末。

つまり、オリバーの視点にたてば、彼自身もまた板状の駒に過ぎない、ということで。

戦局を見極め、最終的には勝利する、ということは、「決して負けない」戦略を遂行する。

それも半ば体に染み込ませた習慣として、無意識のうちにも。

同じことは、決勝のアンドリューズ戦でも起こっていた。

ただし、こちらはアンドリューズが終始、そのオリバーの「不敗の剣」に痺れながら、とにかく一太刀入れたいという思い(想いw)でいっぱいのラブラブな剣筋だったw

ヴァロワの剣がずっと、最強の流派クーツ流を極めた天才のアタクシが、凡夫のくせに何故か人気の地味男オリバー=ホーンを今すぐ潰したくて仕方がない、という逆恨みで駆動されていたのとは正反対w

こういう対象的な描写も面白かった。

まぁ、ヴァロワ戦を経てのアンドリューズ戦、という流れで行けば、ヴォロワ戦の狂信ぶりは、続くアンドリューズ戦をより尊いものとして演出するための布石だったようにも思えるけどw

でも、とにかく、このVSヴァロワ戦ならびにVSアンドリューズ戦を通じて、オリバーは彼の剣技がいぶし銀のものであることを示したわけで。

その「老練ぶり」は、多分、一流の魔法剣士でしかわからないという点で、教師であるルーサー=ガーランドやセオドール=マクファーレンには気づかれてしまったようだけど、この気付きは、例の「ダグラス/エンリコ殺害犯」探しにおいて何らかのヒントになってしまうのだろうか?


・・・と、もっぱら、オリバーのいぶし銀の勇姿が描かれた9巻だったのだけど、そうしたオリバーの姿にもう体が火照って仕方がない、という反応をダイレクトに示してきたのがナナオw

そりゃ、目の前で「相愛の剣w」を交わしているオリバーとアンドリューズを見たら、いてもたってもいられなくなるよねw

真剣の殺し合いを半ば性交のように甘美なものと感じているナナオからすれば、オリバーとアンドリューズの剣技のやり取りは、もう目の前でBLがくりひろげられていたようなものだったのだろうな、とw

ある意味、ナナオ、台無しだろ、それじゃあw

と笑うしかないくらいの、ナナオの肉食系女子的なオリバーへの接吻攻撃だったw

これ、単純に猛烈な壁ドンだし、さらにいえば半分くらい逆レイプに及んだようなものだけど、大丈夫なのか?

どう考えても、この後、ナナオとオリバーの間で一波乱は避けられない。


・・・と思っていたのもつかの間、このナナオの蛮行wを覆すように起こったのが、異界からの襲撃と、その異界からの「渡り」とまで交流を図ろうとフラフラとその「渡り」との接触を断行したカティの狂気w

いやいやいや、そこまで追い打ちかけるか?というほどの急展開で。

しかも、そのカティをギリギリのところで救ったのが、本巻の冒頭ですっかりオリバーにたらしこめられてしまった、女装癖のボクっ娘で毒殺魔という多重属性持ちのティム先輩だったというオチ。

そのティムから、気をつけろ、魔に呑まれるぞ、と警告されることの恐ろしさ。

しかもそのカティを案じて箒でタンデムを決め込んだオスカーが耳にした、カティの「神様の声を聞いた」という一言。

確かにその時、カティがどんな顔をしていたのか、直視しなくてすんだのは、カティとの関係を継続させていく上では、偶然とはいえ決定的だったことだろう。


ということで、決闘リーグすげぇ、オリバーすげぇ、と思っていたのは、いわば本巻の盛大な長い前フリに過ぎず、その後に、ナナオとカティからの猛攻と追撃が待っていた、という超展開w

最後にカティが魔に飲まれる可能性が言及されていたけど、見かたによってはナナオの死合い待望ぶりも、すでに魔に片足持っていかれているようなものだよね。

となると、オフィーリアとサイラスの2つの事件を経て、いよいよ剣花団も魔に呑まれる危機に直面していく、という流れなんだろうなぁ。。。


あ、そうそう、決闘リーグの祝勝会で、テレサたち二年生たちも参加していたのだけど、彼らもこれからオリバーたちと学園でやり取りするようになるのだろうか?

特にテレサは、隠密であるにもかかわらず表舞台でもオリバーのそばにあるというのはどうなのか?

テレサはテレサで異様なまでにオリバーを慕っているのが気になる。

これまではシャノンとグウィンが緩衝材になっていたけど、直接オリバーとつながるとなると暴走しそうだよな。

まぁ、テレサの同級生チームもオリバーたちとお近づきになったので、今度は彼らが緩衝材になるのかもしれないけれど。。。

ともあれ、いよいよ魔に呑まれる頃合いか・・・

という怖さをつのらせながら、10巻に向かう。

いよいよユーリとの対決?みたいだけど、どうするオリバー?!

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七つの魔剣が支配する 第8巻 感想: サイラス=リヴァーモアが意外と信念の男だった件w

2023-08-15 11:42:44 | 七つの魔剣
前巻の引きで、まんまとゴッドフレイから胸骨を奪い取ったリヴァーモア。

今巻は、そのリヴァーモアの計画の追求が中心となる回。

なのでオリバーたちの決闘リーグは一旦おやすみ。

こういうところ、ホント、物語の構成がうまい。

決闘リーグだけ続けたら、物語が単調になることは必至なので、一旦、それは棚上げにして、学生の総力戦でリヴァーモアが奪ったゴッドフレイの胸骨を奪還する作戦が組まれる。

もっとも、総力戦といっても、ゴッドフレイを慕う者たちだけなので、この奪還作戦への参加を通じて、親ゴッドフレイ派と反ゴッドフレイ派の色分けもされる、という展開。

こういうところもうまいよね。

学園モノでの生徒会選挙って、あまりにも定番で、それだけで退屈になるところなのに、この作品では、決闘リーグという祭りを被せることでその退屈さを払拭している。

それだけでなく、決闘リーグを通じて、主には旧家系の学生の家の事情を明らかにすることで、彼らが年齢とはあまり関係のない強欲や狂信を帯びていることもわかって、彼らがただのガキではないことがわかるのも面白い。

武家生まれのナナオに合わせて言えば、多くの学生がすでに元服済みの新成人のような存在で、だから、多くの学生が、生き急いでいるように描かれる。

でもその、若干背伸びした大人ぶりっぽさに違和感を感じないのがいい。

そういう存在の典型が、実は今回の主役?であったリヴァーモアということ。

本巻を通じて描かれるサイラス=リヴァーモアは、ひたすらリヴァーモア家の悲願を達成させようとする老人のようでw

いや、彼もまだ10代のはずだけどさw

それでも家の悲願を背負い込むとそれだけで言動がすべて老けてしまうという不思議w

しかもその悲願は、リヴァーモア家の悲願だけでなく、どうやらサイラス個人の願いでもあった、という、まさかの純愛展開w

まぁ、そうは書かれてないけど、でもそうだよね。

かつての古代魔法文明の知恵の継承のために、若くして殺され、そのまま一種の死霊として数千年?を超えてきた女子「フォウ」に対して、彼女の責務をきちんと果たさせ、それによって笑って成仏させる、というのが、ファウの眠る棺を継いだサイラスの願いだったという話。

他人の骨を奪って回るというサイラスの蛮行もそのための所業であったということ。

それが判明したことで、あれ、こいつもしかしていいやつ?とか思ったし。

実際、サイラスの行動を見て、最終的にサイラスの儀式の死守を誓うオリバーというのが、まさに読者の印象の代弁で、これはそれだけで燃える場面w

あ、そうそう、今回の胸骨奪還作戦では、ゴッドフレイの腹心である上級生たちが、オリバーたち下級生にメンターとして付く、というチーム編成をしていたのだけど、それによって、上級生と下級生の間の交流が自然に描かれていたもうまい。

しかも、その交流を通じて、オリバーは上級生、特にティムまで魅了してしまうのだからw

オリバーという人物がどれだけ人たらしの、その意味では生粋のリーダータイプであることもついで描いてしまう。

そんなリーダー体質だからこそ、裏稼業である復讐劇で上級生を従える「ロード」までできてしまうのだな、と思う。

要するにオリバーにはカリスマがあるということで。

そして、その魅了の能力は、どうやら最後にはサイラス=リヴァーモアにも有効だったようだしw

これはゆくゆくサイラスがオリバーに力を貸す、という展開もあるなぁ、とw

憎まれっ子だったと思われたキャラが改心して主人公サイドに付くというのは、少年漫画の王道だけど、まさにそれを地で行ってる感じw

実際、本巻のロッシやアンドリューがそれだったしw

彼らもなんだかんだいって、もはやオリバーに口説かれ落とされるからねー。


ともあれ、そんな感じで、最初はサイラス=リヴァーモアの討伐として始まった物語が、いつの間にか、サイラス=リヴァーモアを救う話になっていたw

多分、これは、オリバーたち的には、3巻のオフィーリア戦のやり直しなんだろうな、とも思ったり。

あのときは、未熟ゆえオフィーリアを救うことはできなかったけど、その後の経験を経て、今回のリヴァーモアについては救うことができた。

それもまたオリバーたちの成長を示している。

なにしろ「魔に呑まれる」はキンバリーでは当たり前のことだから。

「魔に呑まれる」危機をいかに救うかは、キンバリーで経験する最大の試練。

で、今回はその試練に勝てたということ。

それにしても、異界に続き、古代魔法文明まででてくるとはw
盛りだくさん。

その古代魔法文明の生きる異物(いわばオーパーツ)で、サイラスとフォウの子どもwである「亜霊体生命体(アストラルライフw)」は、間違いなく今後の物語の鍵を握るのだろうな。

どう見てもこれ、魂魄融合の魔法と近い存在でしょw

霊体だし、アストラルだしw

こういう物語の「運命」を導く存在が、ああいう形で登場するのはロマンだよねw

そういう意味では、その運命を切り開いたのが、オリバーの決断だった、ってこともw

あのオリバーの徹底したギリギリまでの寛容の精神は、正直化物じみてきたけどw

でも、すでに復讐劇を通じて少なくとも2人も殺めているのだから、オリバーもすでに「魔に呑まれる」瀬戸際にいるのだろうな。

それもきっとこの後の物語の鍵だよね。


ということで、決闘リーグからの逸脱も含めて、全く予想を超えた一冊だったw

ともあれ、決闘リーグが描かれるという9巻に臨むw

なんかこのサクサク読める感じにちょっと感動してきているw

ホント『エイティシックス』とは大違いだw

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七つの魔剣が支配する 第7巻 感想: ハリポタ世界の天下一武闘会、遂に開催w

2023-08-15 10:54:40 | 七つの魔剣
前巻でも予告されていた、剣花団以外のオリバーの学生仲間を、決闘リーグという、なんちゃって天下一武闘会wを通して紹介していくシリーズの第1段w

どうやら9巻までこの決闘リーグ・シリーズは続くようだけどw

で、この決闘リーグでは、剣花団の面々が微妙にシャッフルされたのも見どころのひとつw

オリバーとナナオのペアは盤石として、そこに今回は家族の事情から強者の学生とは組めないという判断をしたシェラが抜け、代わりにて、胡散臭い転校生のユーリが加わった。

といってもこのユーリ、前巻である6巻の最後で、デメトリオの分魂、つまりは「密偵」であることが判明していたので、いやがおうにも緊張は高まる。

といっても、ユーリの場合は、本人にスパイをしているという意識がないので、密偵というよりも「隠し撮りカメラ」のようなもののようだけど。

それがあとあとどう効いてくるのかw

で、では、今回、オリバー&ナナオの剣花団実力者組から抜けたシェラはどうしたかというと、血縁上の妹のステイシー&フェイ組に合流。

で、このチームでの戦いを通じてステイシー&フェイのバックストーリーに触れていく流れになる。

こういう自然な流れで背景情報を明かしていくところが、この作者のうまいところなで、設定情報を地の文でダラダラ書き連ねるし脳のない『エイティシックス』の作者とかは、爪の垢を煎じて飲ませてもらうべきw

あと、今回もうひとつ面白かったのは、剣花団の残りの3人、カティ、ピート、ガイが、オリバーたちとは別口でパーティを組み、決闘リーグにエントリーしたこと。

そして、意外なまでにカティたちも善戦したこと。

まぁ、この物語がハリポタも参考にしているというのであれば当然といえば当然で、それは、オリバーやシェラ、ナナオの勇姿に惹かれてモチベが上がっている3人が、彼らの背後でちゃんと成長していく、その様子を描くのも大事だということ。

で、それとの兼ね合いで行けば、キンバリーはあくまでも魔法学園であって、魔剣学園ではない、ということ。

そのため、決闘といっても魔法剣士のように、魔法を使いながらも最後は剣で切り合うのだけが主流なわけではなく、とにかく剣を使おうが使うまいが、魔法を使って相手をねじ伏せれば価値である。

だから、決闘リーグの半分以上は、いかに自分たちの魔法を使って戦局をうまく進めるか、その戦略性にかかってくる、ということ。

まぁ、要するに、いわゆる異能力バトルでかまなわない!ってことで。

当然、ちゃぶ台ひっくり返し系の戦略もあるわけでw

その点で、カティ組の戦い方はユニークだった。

そういう意味では、魔法の幅の広さを伝える回でもあった。

まぁ、オリバーとエイムズの剣闘は完全に達人どおしの対決だったけど。

で、その過程で、オリバーが、母クロエの教えを思い出して視覚を捨てて相手の攻撃に合わせるところは、いかにも魔法剣士っぽかったけどw

てか、ここだけみると『ハリポタ』というよりも『ネギま!』っぽかったけどねw

そうやってとりあえずオリバーたちの予選が終わって、次は、え?同じペースで上級生の決闘リーグも描くの、それはさすがにたるいなぁ、って思ってたら、最後に一波乱あって次巻に続くw

リヴァーモアがゴッドフレイから胸骨を抜き取って終わり、というびっくりな終幕w

まぁ、リヴァーモアの所業については、本巻の冒頭でエピソード的に描かれていたので、いきなりというわけでないのも、作者のうまいところなんだけどw

ホント、構成が上手だよね、この作者は。

なので、サクサクと読み進められる。

ということで、8巻に進む。

ホント、ページターナーとして出色な作品w

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狼と羊皮紙 第9巻 感想: 終わってみればコルが自ら「薄明の枢機卿」の大役を引き受ける立志伝編だったのねw

2023-08-15 09:52:04 | 狼と香辛料/羊皮紙
前巻の8巻で、多分、後の「新天地を目指す大航海編?」のきっかけとなる「地球球体説」の探求については、「賢者の狼」たる狼の化身ルティアに一任したことで
当面の間、コルは、宗教改革の鍵となる公会議のほうに集中することになった。

それを受けての第9巻は、終わってみれば、そのコルがいよいよ「薄明の枢機卿」の大役を自ら引き受ける決心をする回だった。

要するに、コルが一皮むけて、少年から大人の男の顔をするようになった回。

その分、エーブが嬉しそうだったのは置いておくとしてw

なので、9巻の宣伝文句としての、「偽の薄明の枢機卿が現れて・・・」という問題についても、その解決はあっさりしたものだった。

というか、その解決のために、むしろ、聖堂都市エシュタットの大司教を含めて、皆でコルが聖人のように奇蹟を起こした!といわれるような、大掛かりな芝居を打つことで終わっていた。

なにしろ、わざわざ川の堤を狼になったミューリに破壊させて、人為的に洪水を起こす!なんて力技まぜやってしまったのだからw

もう完全に「やらせw」による、なんちゃって解決w

一応お話的には、教会を一度は非難した市民たちを、何事もなかったかのようにエシュタットで受け入れるための口実として必要だった、ということではあったのだけど。

つまり、エシュタットなりにセキュリティ保全案件だったということでw

しかも、そうすることで、薄明の枢機卿との表立った対立構図を作らないための配慮だったということでw

もう完全にこの世界の支配者階級の思惑による茶番w

にしても、それで人為的に災害を起こす、というのはどうなんだ?とは思ったけどw

まぁ、だから、その、人為的な洪水の発案者は、騎士物語脳wになっているミューリだったのだろうけどw

それがコルを含めて大人が真顔で取り組むのだから、ちょっとねw

いくらコルが自分に求めれている「薄明の枢機卿」という英雄の役を引き受けるための儀式回だったとはいえ、仕掛けも解決方法も大味だったかなぁ、と。

コルの決意の重さを描く、ということなら、途中で、エシュタットとオルブルクの間で小競り合いくらいは起こして、多少の死傷者を出した程度の「惨劇」くらいは必要だったんじゃないかな。

なんていうか、周りが作ってくれたお膳立てにしたがって、コルがしぶしぶ自分の役を引き受けたくらいにしか見えなかったのは、正直、残念だった。

宗教改革や大航海時代など、参考にした史実をみながらプロットの調整をしているのだろうけど、ちょっとねw

多分、聖堂都市エシュタットにしたって、史実的には、神聖ローマ帝国の選帝侯としての大司教を擁したケルンとかがきっとモデルなんだよね?

で、そうなると、コルたちがやってきた島国のウィンフィール王国ってイギリスがモデルだったんだとか今更ながら気づくわけでw


ということで、今回は、とにかく公会議に向けてコルが決意を新たにし、晴れて「薄明の枢機卿」になることが全てだった。

次回はそうなると、いよいよ公会議が開催されるのかね。

それはいいのだけど、できれば平行して、ルティアに託された地球球体説の進捗も描いてほしいのだけどw

でも、それはもしかして別シリーズになるのかな?

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