BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

七つの魔剣が支配する 第6巻 感想: ダークなハリポタ世界が舞台であることがはっきりした回

2023-08-06 19:32:12 | 七つの魔剣
引き続き『七つの魔剣』を読んでいて、6巻を読了。

5巻で広げられた風呂敷があまりに大きすぎて、その展開には大いに巻数がかかる、ということを思い知らされた回。

ひとつには、前巻のエンリコとの決戦における魂魄融合で心身ともにボロボロになりながらギリギリのところで死の淵から生還したオリバーが、しかし、その後遺症で、もしかして魔法使いを廃業?というところまで追い詰められたエピソード。

今ひとつは、そのオリバーの対となる存在であるナナオが、箒競技のエースとして学内はもとより他校も含めて活躍していくのが確定したエピソード。

この2つが織りなす物語、というのが第6巻の構成。

正直、当初、箒競技の話は、その競技内容も含めて今ひとつわかりにくかったのだが、最後まで読むと、なるほど、箒競技とナナオの関係は、復讐劇とオリバーの関係とも対になっているんだな、と。

オリバーが復讐劇の中でもがき苦しみながら、まがい物のクロエ・ハルフォードを目指していくのに対して、

ナナオは、まさに天賦の才に導かれて、クロエの再来となる道を歩んでいく。

ナナオがクロエの再来だというのは、クロエの相棒であった箒がナナオを選んだと頃でもわかるし、クロエの箒がナナオと飛ぶ様子を微笑ましく眺めるエスメラルダの姿に象徴されている。

つまり、ナナオは天然の原石。

対してオリバーは、ただクロエの魂魄を使ったまがい物、というのがエンリコの評価だったわけだけど、今回、オリバーを襲った心身の急変化をみると、本当にそうなのか?と疑問に思えてくる。

もちろん、心身の急変化は、オリバーが魂魄融合でクロエの技能を取り込んでいくために不可欠だと、彼自身の魂や体が判断したからで、そのために寿命という名の彼の生命エネルギーを前借りして心身増大が図られた、ということなのだけど。

でも、この解釈って、単に自己評価の低いオリバーがそう思っただけなんだよね。

だから、可能性としては、実は、魂魄融合を繰り返すうちに、スタート地点では凡夫だったオリバーが、実は少しずつ本当にクロエのような才人へと、自己を改造している、という解釈も可能に思える。

要するに、成長している、ということで。

で、そう考えたほうが、物語の結末に用意されている、ナナオとオリバーの一騎打ちにかなうと思うのだよね。

どちらもキンバリーでの生活を続けていくうちに成長し、ともにクロエの再来と呼ばれるに近い存在になっていく。

もちろん、ナナオは天才として、オリバーはドーピングの果ての身体改造の果てに、ということになるだろうけど。

でも過程はどうあれ、同等の能力をもった二人として対峙する。


なんかそういう展開が待っていると思うのだよね。

そう思うと、箒競技は、ナナオにとって、まさにオリバーたち以外の人たちと修練を積む場になる。

オリバーについても、鬼滅における柱たちの痣のように寿命を縮めて極限の力を得ている、という形にはならないんじゃないかな、と。

まぁ、そうでないとさすがにすくいがなさすぎるからなのだけど。

てか、シャノンの回復魔法こそが鍵になっているように思えるのだけどね。

むしろ、寿命を削ってるのはシャノンではないかと。。。


ということで、勢いに任せて7巻に進むつもりw

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