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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

狼と羊皮紙 第7巻 感想: どうやらこの先コルによる宗教改革とロレンスによる新大陸開発を一気に描く物語になっていくみたい!

2022-02-20 19:03:11 | 狼と香辛料/羊皮紙
謎の錬金術師による地球儀のような物体をコルが目にして、その意味を探り始めた前巻。

それを受けて、今回は、どうもコルの中で、新大陸への冒険、というオプションが、教会と王国の間の紛争を解決する手段として大きく浮上してきた感じだった。

その一方で、

薄明の枢機卿の列聖の話とか、

印刷術による俗語訳聖書の大量頒布など、

明らかに宗教改革をイメージした展開がはっきりしてきている。

そういう意味では、大航海時代と宗教改革の中世から近世にかけての西欧史の偽史を、ファンタジーの形で書こうとしているみたい。


で、思ったのは、これ、ぼちぼちロレンスとホロが合流する可能性も高くなったんじゃないかな、ってこと。

だって大航海時代って、要するに東インド会社とか造った時代で、まさに商人の算盤勘定によって、開拓事業として冒険が進められた時代だから。

でもさすがに、その事業化の部分ではコルがやれることは少ないはずで。

もちろん、すでに、かつてのロレンスの好敵手たる商人エーブは登場しているので、彼女が、大航海時代の幕開けに一役かむ、という展開もあるとは思うけれど。

でも、やっぱり、その役は『狼と羊皮紙』の時代に、「稀代の大商人」という通り名を得ているロレンスが引き受けるべきだと思うのだよね。

だって、どうやら、この先、コルの決断いかんで、コル自身が宗教改革の推進者として「聖人」になる可能性もたかまってきたわけだから。

もう片翼の、新大陸開発という大事業をロレンスが牛耳る可能性は高いと思うのだよね。

というか、ここまで来ると、「稀代の大商人」ロレンスがもう一旗揚げるためにむりやり新大陸開発のネタを打ち込んできているようにしか見えないしw

それに、例の「月を狩る熊」という存在は、賢狼ホロにとっても因縁の相手であるわけだし。

なにより、新大陸が、ホロたち異形のものたちにとっての楽園であるのなら、そこを目指さない道理もないでしょ。

多分、ゆくゆくは、コルとミューリの旅に、ロレンスとホロの旅が合流することになるからこそ、わざわざ、ロレンスたちをニョッヒラから旅立たせたのだろうしw

きっと、地球儀とか羅針盤とか、そのあたりで、錬金術師とかも再登場するのだろうと思っているし。

ということで、俄然、面白くなってきた!

こうなると、問題は、作者がどれくらいペースを上げて、続きを書いていけるのか、にかかってきた気がするw
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