現在は大切に保護され、観光客も決められた道を通るように定められています。種が落ち、幼木が芽を出すと写真のように囲いをして保護されています。ここは世界遺産に登録されています。面白いことに自然遺産ではなく、文化遺産の登録です。
レバノンといえばレバノン杉が有名で国旗のデザインにも用いられています。紀元前フェニキア人の繁栄の原点になりました。(フェニキア人についてはこのブログの5月19日の項を参照してください)彼らは、当時レバノン山脈全域で自生していたレバノン杉からガレー船を始め、船舶の建造材として使用し、木材や樹脂をエジプトなどに輸出していました。古代には中近東一帯に広く自生していましたが、長年の伐採がたたり現在は1200本程度が残るだけになっています。なお、レバノン杉の枯渇が洪水を引き起こすようになり、それが旧約聖書のノアの洪水伝説に投影されているという説があります。
その残り少なくなったレバノン杉の森に行きました。