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「エチオピア」編 古都アクスム 1 シバの女王、メネリク一世とアーク

2012年01月21日 08時28分30秒 | エチオピア

 アクスムはエチオピア発祥の地で日本でいえば奈良にあたります。伝説によればシバ(シェバ)の女王(マケダ)がBC10世紀エルサレムのソロモン王に知恵を拝借に出かけます。(この話までは旧約聖書にあります)その時ソロモン王と一夜をともにし、アクスムに帰国して産んだ子がメネリク1世で彼がエチオピアの最初の皇帝でその皇統がAD1974年まで連綿と続いたとされています。日本の天皇の皇統より長いですね。

 

 メネリク1世が成人した後、父親のソロモン王に会うためエルサレムに行きます。その帰国の際エルサレムからひきつれてきた人々が1月9日に紹介したファラシャの起源であるとの説があります。これはファラシャの起源については最も面白い話だと思いますが、最も信頼性が薄いようです。

 メネリク1世が帰国の際にアークを持ち帰ったとする説がエチオピア人には広く信じられています。アークというのはモーゼが神との契約のしるしとして与えられた「十戒」の石板を収めた箱のことです。これは旧約聖書に記載があります。ソロモン王はエルサレムの神殿に納めますが、その後行方が分からなくなりました。ユダヤ教徒、キリスト教徒にとっては重大な問題です。現在に至るまで行方に強い関心がもたれています。

 

 そのアークはメネリク一世がアクスムに持ち帰り現在アクスムの聖マリア教会の礼拝堂におさめられているとされています。現在門外不出です。写真の覆いがかぶさっているのがその礼拝堂です。老朽化して雨漏り状態だそうです。なお、聖マリア教会そのものは入室可能ですが女人禁制です。

 

 1999年イギリスのBBC放送がエチオピアの総主教に科学的調査について質問したところ「信仰と科学的証拠とはべつです。アークはアクスムにあると、私たちは信じています。それを他人に客観的に証明する必要はありません。信じたいと思えば、それはあなたの自由です。また信じないのも自由です。でも、私たちはここにあると信じています」という返事でした。