採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

小豆島のオリーブ

2012-10-30 | +野菜系保存食

縁あって、小豆島でオリーブを栽培している方(お店)からコメント頂き、生オリーブを購入してみることになりました。
(購入先の連絡先は一番下に)

国産生オリーブを買うのなんて、初めてです。ドキドキします。
粒の大きさや状態も、全然想像がつきません。

ひとまず3キロ注文してみました。
どんなオリーブが届くかしら???わくわく。


数日後、クール便が到着!

小豆島オリーブ新漬け

なんと綺麗なグリーン!
一層ずつ段ボールでしきりがしてあります。
とても大切に扱われている様子が分かります。 

小豆島オリーブ新漬け

小粒でツヤツヤの、綺麗なオリーブです。
(アルファさん、素晴らしいオリーブをありがとうございました!)

小豆島オリーブ塩漬け

半分(約1.5kg)は、以前成功した漬け方にしてみます。
なんと言っても簡単なので。
10%の塩水に漬けるだけ、というもの(保存は念のため冷蔵庫。でもイタリアの人は常温みたい)。
気長に待って、いわゆるオリーブの味になった頃が食べ頃(そらそうだ)。
2ヶ月後くらいからチェックがてら食べてみるといいようですが、冷蔵庫で1年ほどおいても全然問題ありませんでした。塩分濃いめは安心です。
 

 

残り半分は、ちょっと複雑なやりかたを試してみたいです。
成城石井などに出回る商品「小豆島のオリーブ新漬け」は、苛性ソーダを使ってアク抜きしているようです。
折角なので、その方法を試してみます。

売っているのに近いものが作れちゃうかも?
2ヶ月も待たず、1週間以内に食べられるようになるのも魅力です。


何しろ初めてなので、全然自信はありませんが、次のような手順でやってみました。

■■オリーブ新漬け
(参考サイト:http://www.pref.kagawa.lg.jp/shozu/nokai/topic/olivecook.htm
■材料・道具
ミッション種グリーンオリーブ   1.5kg(カサで約2リットル)
苛性ソーダ       
水            
アク抜き用容器(プラスチック、ガラス、瀬戸物、又は木製。金属は不可) 今回は約2リットル入りのプラスチック容器
 (透明なガラス容器の方が観察しやすいし、写真にも撮りやすかったかも。でも落としぶたのはまる適当なサイズがなかった)
落としぶた(プラスチック、ガラス、瀬戸物、又は木製。金属は不可) 今回はお皿
落としぶたの補助としてリードクッキングペーパーみたいなもの
完成品を詰める容器(ガラス瓶など)


■作り方
(1)オリーブを計量し、下漬けに使う予定の容器に仮に詰めてみる。
落としぶたも嵌めてみて、治まり具合をチェックする。
最終的に詰めたい容器にもオリーブを仮に詰めてみるといいかも。
詰める際にまごつかないです。

(2)オリーブをアク抜き用容器に詰めてみて、水を注ぎ、ひたひたになるには何リットル必要か計ってみる。
(今回は1リットルちょいでした)。

(3)まずは生オリーブを1粒犠牲にし、中の色を見て、舐めて味見もしてみる。
表面は濃いめの緑色、中の方に行くにつれ緑が薄くなり、白っぽくなっていました。
そして舐めてみたところ、雑草の茎のような渋苦い味。ひゃー。
(渋柿みたいに口の中に貼り付く感じはなかったです)

(3)苛性ソーダ溶液を用意する。
ミッション種  2% 漬け込み時間 12時間
マンザニロ種 1.8%          11時間
というのが目安のようだが、仕込量、漬け込み容器の形状(溶液オリーブ比)、オリーブの状態にもよると思います。
今回は最初なのでマニュアル通り、2%にしました(次回は1.8%でもいいかなと思っています)。
ガラスのボウルまたはどんぶりなどに計量した水を入れ、苛性ソーダを落とし、割り箸でよくかき混ぜる。
直後はほんのり熱くなるので、しばらく冷ましておく。

(4)苛性ソーダ溶液で漬け込み。(木曜夜)
洗って水気を切ったオリーブをアク抜き容器に入れ、ここに静かに苛性ソーダ溶液を流し込む。
(水で崩れないタイプの)クッキングペーパーでフタをし、更に落としぶたもする。
この先オリーブを空気に触れさせないことが色鮮やかに漬け込むコツなのだとか。
夜に漬け込み、朝にチェックする、というパターンがお勧め。
今回は、木曜日夜12時頃漬け込み開始し、翌朝9時にチェックしてみました。

(5)漬かり具合のチェック。(金曜朝)
一晩経つと、漬け液が茶色に変わっています。
オリーブを割り箸で一個取り出しさっとゆすぎ、ナイフでカットしてみる。
表面から3分の2くらいまで、クリーム色に変色していれば、苛性ソーダ漬けは終了。
ホースなどで水を容器の底まで送り込むようにし、茶色い液体を流し出す。
廃液は、十分希釈してから排水口に流すようにする。

(6)時々水をかえながら水に晒す。(金曜朝~日曜夜)
最初の3時間程度は、割とこまめに水を換える。
(どこから色が出てくるのか分からないけれど、溶液はすぐにまた茶色~黄色っぽくなります)
その後は朝・晩(もしくはそれ以上でも。気づいたときに)水を替え、2日ほどおく。

(7)渋の抜け具合のチェック。(日曜夜)
水の色が変わらなくなったらアク抜き終了、とあるけれど、2日経過した時点で、味見もした方がいいように思います。
金曜朝に水に晒して2日半経った日曜の晩になってもまだ水に色がつくので、味見してみることにしました。
この時点で青臭い渋い味はなくなっており、水っぽいながらもナッツのようなコクのある味。
これ以上晒すとオリーブの味がなくなっちゃいそうなので、水に晒すのは終了。
下漬け容器から水を捨てる。

(8)塩漬け第一段階。(日曜夜)
最初から濃い塩水に漬けるとオリーブにしわがよるらしいので、段階的に塩分濃度を上げていくとのこと。
最初は2%塩水(水1リットル、塩20g)を下漬け容器に流し込む。
これで24時間程度おく。

(9)塩漬け第二段階(月曜夜)
新たに塩水を作って漬け直すのかもしれないが、あまり味が抜けすぎても・・・と思って2%溶液とオリーブが入っている下漬け容器に、塩を直接振り込みました。
塩20g追加。
都合4%の塩水ということになる(水1リットル、塩20g+20g)
(反省:塩が底に沈んだような気がする。水に溶かしてから混ぜればよかった)

(10)この日は気温が上がりそうなので、冷蔵庫にしまう(火曜朝)

(11)時々味見しつつ、更に20g塩を足した。のべ6%。
なお、大きな容器で漬ける際は、下の方が塩分が濃くなりがちなので、時々容器をゆすってやるといいです。
塩分濃度の目安は、冷蔵庫で密封保存するとして、
 1) 短期貯蔵(12月まで) 4%
 2) 中期貯蔵(翌年2月まで) 6% 
 3) 長期保存(翌年4月まで) 8~10%
とのことです。

(12)冷蔵庫に入っているのでそのまま放置してしまおうかとも思ったが、
大樽をしょっちゅう開けて取り分けるよりは小分けしたほうが痛みにくそうです。
という訳で、ようやく瓶に詰め直して出来上がり。(翌週火曜)
ダラダラ作業したので瓶に入れて片付くまで10日以上かかってしまいましたが、漬け込みから6日目くらいから美味しく食べられます。


作業風景はこんな感じです。

オリーブ新漬け

まずは1個犠牲にして、生オリーブのチェック。
断面はこんな感じです。
表面は濃いめの緑、中は白っぽい緑色。
これをちょっと舐めてみたところ、
雑草の茎のような渋苦い味!
オリーブ漬けらしい味は全然しません。 

オリーブ新漬け

丁度1.5kg分のオリーブが収まるぴったり収まる大きなタッパーがあったので、これで漬け込むことにします。
オリーブの容量は約2リットル、これをヒタヒタに覆う水量は約1リットル。 

オリーブ新漬け

アク抜きが終わったら、500cc入りのガラス瓶4つに分けて保存する予定。 

小豆島オリーブ塩漬け

苛性ソーダはドラッグストアで買ってきました。
印鑑が必要です(置いていないドラッグストアもあるので要注意)。
ほんの30g使うだけなのですが、450g入りしか売っていませんでした。
 

小豆島オリーブ塩漬け

水酸化ナトリウムの結晶はこんなフレーク状になっています。
取扱注意です。

余った水酸化ナトリウムはどうしよう?
手作り石鹸でもやってみるかなー。

1リットルの水に20グラムの苛性ソーダを溶かし、しばらく置いて冷まし、それをオリーブを入れた容器にそっと注ぎ込み、一晩おきます(夜12時)。
 

小豆島オリーブ塩漬け

翌朝8時37分。
最初は無色透明だった漬け液が、こんな茶色に!
(渋皮煮のゆで汁みたい) 

小豆島オリーブ塩漬け

オリーブを1個犠牲にし、切ってチェックしてみます。
表面から3分の2くらいまで、クリーム色に変色していればいいそうなのですが、種のところまですっかり変色しているように見えます。
あらま。
マニュアルには2%溶液で12時間漬けるとありましたが、9時間弱で終了とします。 

小豆島オリーブ塩漬け


たらいに水を張り、少量ずつ水道水を流して、苛性ソーダ液を希釈しながら捨てます。
本当は蛇口にホースを嵌め、それを樽の底に誘導して水を流すとよいらしいのですが適度な長さのホースはありませんでした。
仕方なく、ストロー的なもの(底をカットした温度計のケース)で底まで水を送り込むことに。
(オリーブが空気に触れないほうがよいらしいので、なるべく気泡も入らないようにしてみました) 

小豆島オリーブ塩漬け

10時12分。
暫く水を流し続けると、こんな風に透明になります。
これでしばらく放置。
(漬け込み容器がガラスだったら、中のオリーブが観察できて楽しかったかも) 

小豆島オリーブ塩漬け

11時04分。
40分後くらいに見てみると、また底の方から茶色く水が染まっています。
最初の3時間は、30分おきくらいに水を交換するというのをどこかで読んだので、この日は気づいたときに水を交換してみました。
翌日以降は、朝・晩2回程度、水を交換。

水に色がつかなくなるまで、2~3日水に晒すとありましたが、例え色が多少出ていても、1~2日後から味見した方がいいです。
渋さがなくなったら水晒し完了。 

小豆島オリーブ塩漬け

出来上がり!
漬け込み容器が不透明だったため、途中ほとんど姿を拝めませんでしたが、青々と綺麗な新漬けが出来ました。

出来たてオリーブ漬けの味ですが、塩分濃度が低いとき(4%)は特に、いわゆる市販の缶詰オリーブとは違い、クルミみたいなナッティな味が目立ちます。ほんのり甘くも感じるくらいです。
食感も、松の実や胡桃を思わせる、引き締まったコリコリ感があります。
ナッツみたいですごく美味しいです。

これが(新漬け)オリーブの味なのか!?と、目からウロコでした。
渋抜きする前のあの青臭い渋さはどこへ行っちゃったんだろう!? 

小豆島オリーブ塩漬け 4%では塩気をほとんど感じず、心配なので塩を追加してしまいました。
6%にするとちゃんと塩味がつき、おつまみとして美味しい味になります。
でもナッツ風味はやや抑えられてしまいます。

薄味のときに食べるのが、手作りの醍醐味かもしれません。

 
粒によって、よく塩味が沁みているものと、そうでもないものがあります。
(漬け込みタッパの下の方は塩分濃度が濃かった可能性が・・・)
柔らかさも粒によって微妙に違って、食べるのが面白いです。


生まれて初めてのオリーブ漬け作り、堪能しました。

来年も作りたいです。
来年は(やや早生の)マンザニロ種にも挑戦してみたいです。 

 


■参考情報
(1)以前オリーブを漬けたときの記事(2010年12月)
この時は、10%塩水に漬けるだけ!という簡単方式でした。(美味しくできました)
漬け込み方も色々調べました。

(2)今回オリーブを購入したお店
このブログにコメントを頂き、購入させて頂きました。
基本は洋品店で、生オリーブはホームページ内にはありません。
問い合わせフォームから連絡を入れるとよいと思います。

(3)オリーブ新漬けの作り方
苛性ソーダを使う漬け方は、こちらを参考にしました。

(4)オリーブの品種 香川県農業試験場小豆島オリーブ研究所

(5)Olive Gardening★26品種38本のオリーブを育てている方のブログ

(6)オリーブ新漬け製作(ブログ)


コメント (8)
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