採集生活

お菓子作り、ジャム作り、料理などについての記録

ウィーン2014:自然史博物館~海のいきもの

2015-03-26 | +海外

自然史博物館の写真、これでおしまいとなります。

オーストリアは海がない国ですが、だからこそ?、海に関する展示もしっかりありました。
 

NaturhistorischesMuseumWien

大きなシーラカンス(ホルマリン漬けでしょうか)。 

NaturhistorischesMuseumWien

マンボウ☆
魚とは思えない変わった形で、昔から憎からず思っていました。
海面に横倒しに、ぷかぷか浮かんで、流れてきたクラゲを食べると聞いて尚更(ホントかは不明)。
おさかな界のカウチポテト族では。
生まれ変わったらマンボウもいいなあ、なんて。
(でも1億個の卵のうち99,999,999個は大人になれないのよね、確か。狭き門だわ) 

NaturhistorischesMuseumWien

深海魚のリュウグウノツカイ。
最近ときどき打ち上げられたニュースを聞きますね。
なんと食べてみた方もいらっしゃるようです(日本人)。 

NaturhistorischesMuseumWien

これも深海にいるハオリムシ(チューブワーム)。
深海の熱水噴出孔などに生息していて、硫黄酸化菌と共生して養分を得ているそうです。 

NaturhistorischesMuseumWien

迫力!
ステラーカイギュウだそうです。
1741年頃に探検隊の一員ステラー氏に記録され、その後乱獲されて1768年頃、30年も経たないうちに絶滅してしまいました。
こんな巨大な海獣が群れをなしているところはさぞかし壮観だったでしょうね。
地球も寂しくなりました。 

NaturhistorischesMuseumWien

今回初めて見て、一番びっくりしたのがこちら、Sea silk 。
手袋が編み上げてありますが、その材料がシーシルク。

NaturhistorischesMuseumWien

正体は、貝の足糸!!!
生きたムール貝を買うと必ずもじゃもじゃしてキタナイ感じのヒゲ(足糸)がついてきますが、これが織物原料になるとは・・。驚愕!
(そういえば絹も動物の分泌物だけど・・・)


シーシルクについてちょっと調べてみました。

・原料となるのは、The Noble Pen Shell (Pinna nobilis L.)の足糸。
・この貝は地中海にしか生息しない。
 なのでシーシルク製品も地中海エリアで生産された。分かっているところでは、南イタリアのタラントやサルデーニャ島など。 
・20年ほども生きて巨大になる貝で、最大120cmにもなる。 
・水深40mまでの浅い内海を好む。
・足糸は、本来貝を固定するためのもので、繊維の長さは最大20cm程度になる。 

・きれいにした状態では、ふさふさとして金茶色からオリーブ色に輝く。 
・顕微鏡観察すると、この繊維は滑らかな表面を有し、断面は楕円形。
・化学構造としては絹または他の動物繊維と類似しており、赤外分光法では区別がつかない。
・窒素含有量は他の動物性繊維よりも低い。
・非常に柔軟であり、濡れたときは特にそうである。
・染色は技術的には可能なはずであるが、今日まで染色されたものは発見されていない。自然な色合いのままで珍重されてたようである。

・現存する最古の製品は、14世紀の編んだキャップである。
・歴史上の文献に、”軽く繊細で透けるような織物”がシーシルクと書かれているものもあるが、現存してシーシルクであることが確定している製品に、半透明でベールのようなものはない。
・特に古代には"byssus"(足糸)は、繊細で貴重な織物のことを指し、原料が麻かウールか木綿かシルクかシーシルクかは明らかでない場合が多い。
・中世には「海で育つ羊毛」という表現がみられる。
・17世紀には、ヨーロッパ各地の貴族の博物学コレクション(Wunderkammer)に加えられている。
・現代では、この貝が激減して保護対象になっているため、食用としても繊維用としても産業的には採取はされていない。

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ここ2ヶ月くらい、ずっと週末を潰されていましたが、義母の家の撤収もようやく終わりました。
一件の家を空っぽにするのは大変です。
自分の家じゃないので思い入れがあるものは全くないので、どんどん捨てるだけとはいえ、それでも大変です。
ぐったり、くたびれました。
ストレス解消のためおやつをばりばり食べていたら、体が重いし。ぐすん。


今週末は久しぶりに普通に過ごせるはず。

とはいえ、今度は我が家の片付け作業がかなりあります。
いまうちはひどい状態。
ひとの家をからっぽにするのにエネルギーを吸い取られ、我が家ではルーティンの作業をする余力もなく、どんどん悲惨になっていくのです。
さらに、捨てられずに持ち帰ってきたモロモロが、いまリビングに山積み。 

誰も手伝ってくれないし・・・。
あーあ。 
床が見えるようになったてモノがしかるべきところに収まったら、 ハウスクリーニングを頼もうかな。
(ここ数年来の悲願なのだけれど、未だ達成ならず) 

来週からは、旅行記ではなくて、何かの手作りとか、キノコさがしとか、普通の記事が書けるといいのですが・・。 

 



■参考情報
Sea silk Project サイト (英語)
どこかの博物館による、sea silk の歴史・生態・生産などのとりまとめ。
何ページもあり読み応えあります。
シーシルク製品の写真も多数。

sea silkで織られた宗教儀式用コートの写真、ほか(英語) 

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2 コメント

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いつか現物を見てみたい (よーせー)
2015-07-29 11:56:14
はじめまして、こんにちは

先ほどhttp://www.bbc.co.uk/programmes/p02y7yt6?ocid=socialflow_twitter
の記事を見かけてsea silk・・・初耳ですな!と思い検索してこちらの記事にたどり着きました。

・歴史上の文献に、”軽く繊細で透けるような織物”がシーシルクと書かれているものもあるが、現存してシーシルクであることが確定している製品に、半透明でベールのようなものはない。

の部分にある表現ってこのリンクの画像みたいな物だったのかな?と思いました。

こんな面白い布が存在してたことに驚いてます。
いつか現物を見てみたい。

日本語でなんていうのかなとググってみたのですが、英語wikiにある水羊、海西布、蛟綃、蛟女絹、等の漢語表現しか見つけられませんでした。
全く知られていなかったのかと考えると不思議と愉快な気持ちになります。

通りすがりに失礼しました
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さわってみたい・・ (●よーせーさま~Fujika)
2015-07-29 17:07:11
こんにちは。はじめまして。
シーシルク、私もここで見るまで聞いたこともないものでした。
中国や日本には蚕からとれる絹があるので、日本までは伝わってこなかったのかもしれませんね。
さわり心地はどんな感じなのか、気になります。
手袋にするということは、しなやかで柔らかいのかなあ。リンク先、後ほどじっくり見てみたいと思います。
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