

あれから7年。
当時、5鉢になったと書いてありますので
その後、寄せ植えして1鉢にし、そのまま育てているのでしょう。
現在十数本。
7年で倍にしか増えていないことになります。

本性品という事でもないのでしょうが意外に増えないようです。
こんな感じですから手入れ不足も否めませんが・・。

それでも一連のこのタイプの中では小型で引き締まったなかなかのお姿。

しばしこのまま温存しておくとして
いずれはまた素一本から楽しんで見たいという魅力を秘めています。
信ずるに値する本性品はたぶん相当入手困難かと思いますので・・・。


あのときのセルフ実生はこんな感じに。
これも寄せ植えしていますが
それぞれから仔が出て株になる雰囲気ではなさそうです。
セルフですから本性品と同じような姿になるはずなのですが
葉がアッチへ行ったりコッチに来たり。
いつまで経っても落ち着きがないようです。

とはいっても混ぜたらそのうち区別は出来なくなるはず。
分別はしっかりしようと思います。



あれから半年。
というかその物件はお嫁に行き
棚に残しているのがこのタイプです。

軸太く、葉丈短く、いかにもずんぐりむっくり。
最近運動不足ですのでその姿は少し先の自分を見ているよう。

鈴虫剣も顕著ですしこれで葉持ちがよければ理想の姿。

幸いまだ花芽は付かず仔ばかりのようですから
またがんばって株立ちを目指します。


こちらは同じ分け株の極小木。
それでも天葉の太さにこの品種の片鱗が現れています。
ところでこれはセルフ実生ではありますが
轡虫と違う姿は大評価に値します。
たぶんいろいろなタイプがあると思われますが、
親木に近くなると小さなうちは判らなかった本来の性が見えてきます。
これは鈴虫剣を愛らしく表現していますので結構お気に入りです。
お値段に関係なく楽しめる品種かと。



あれから半年。
まだ早いかなと思ったものの
つい出来心で仔を外してしまいました。

仔の根は十分ありましたし次の仔が控えています。

それに親木のほうも早く大きくなってくれるかと・・・。

本当はもう1作付けといたほうが良かったのですが
外せる理由も探しとかないと。


次の仔は勢いよく伸びてきそうですが
くれぐれもその邪魔しないでもらいたいものです、新根さん。


しかし、この品種は上から見たら面白くもなんともありません。

吊り枠に入れて見上げるには打ってつけですが。


外した方の仔も次の天葉が見えてきましたし
新根も勢いよく伸び外したショックは無さそう。
それに小さいながらも芸は最上です。
2鉢有ればどっちかが枯れても安心ですね。
アマミに関してはその程度の栽培環境ですので。




あれから5ヶ月。
無事に冬を越し、新根が伸び出してきました。
天葉も動き出している様子です。



その天葉は下の派手柄を全否定するような
いまだかつてないほど紺地たっぷりで伸びています。

それにしても不思議といえば不思議。
理屈で整理は付いているつもりですが
手にとって見ると感動すら覚える変身振りです。
この柄で続いてくれたら更に木勢は向上してくれることでしょう。



派手な柄の葉も目に眩しいとはこのこと、
黄金色に冴え渡って輝いています。

と、余裕で見ていられるのも天葉に紺地が戻ればこそ。
3枚続けて派手だったら心配が募り、
涙で枕をぐっしょり濡らしたことでしょう。


ところで仔のほうは親木のように真っ黄々には冴えませんが
さりとて紺地も見当たらず。

でも欲張って期待しないほうが良いのかもしれません。
そんなに着々と個体数を増やすタイプじゃないということで・・・。

その反対側に付いている芽は花芽でした。
これも木が充実しつつあるという良い方向に捉えましょう。



割り仔のほうも無事に冬を過ごし天葉は付けを見せています。
このまま派手になって終わるはずはないと信じつつ
次の天葉を待つこととします。

さっき、欲張るなと言ったばかりですが・・・


昨年の根の先の灯りがいかにも命の灯火という気がします。

試みに1日2回


元のペースに戻します。




蘭国さんからいただいた天龍冠。
律儀にも天龍錦とセットでいただきました。
うれしいご配慮です。

一般に縞から変わった覆輪は紺地が少なく生育困難なものですが
この木は紺地が十分、今後の生育に期待が持てそうです。
それに新根の出足も好調、早くも棚慣らし終了といった感じではあります。

それにしてもこのやさしい色合いは魅力的。

これがあればこそ縞のほうの面白さも一段と増しているような気がします。
この覆輪もグリグリッとした姿に変身するのでしょうか。
なんか想像するだけで夢に出てきそう。




蘭国さんからいただいた天龍錦です。
ボリューム感たっぷりの葉姿(になる予定

何ともそそられるような色合いの縞を持ち
魅力度満点な品種ではあります。
その縞も最上柄。

グリグリッとした葉姿にするためには
まずは棚慣らしと根作りで準備に3年くらい掛かりそう。
気の長い話ですがその分、楽しみも長く続きます。

和泉牡丹
2016年04月09日 | 虎



あれから2年半。
もちろん、これもピートモスに植え替えています。
木勢は増し、元親が仔の中に埋もれてしまうぐらいになっています。
ただ、柄に輝くような黄色味がなくなり、葉も緑一色。

外棚で育てていたあの頃の野趣溢れる斑色と葉姿が懐かしく思い出されます。

昨年は夏も蘭舎内でしたが
その蘭舎はポリカの複層パネルと熱線カットの波板で覆っています。
確かに温度の急激な上昇や下降がなく蘭にはやさしい環境です。
しかもポリカは紫外線を通しません。


紫外線で活性酸素が出すぎると有害となりますので
それを防ぐべく坑酸化作用のあるアントシアニンを発生させます。
それで葉に紅を差したりルビー根が鮮やかになったりするわけですが
下葉の老化は早くなりますし、ある意味エネルギーの無駄使い。
それでは環境の負荷が少ない蘭舎で育てたほうが良いのかというと
そうともいえないのが古典園芸の面白さです。
例えばいくら増やしたにしても芸のくすんだ木は売れませんしね。

枯れたら困る木や増やしたい木は蘭舎内で
柄を鮮やかにしたい木や姿作りをしたい株は外棚でと
そんな使い分けが肝要かもしれません。



あれから3年半。
月日の経過とともにいくぶん力強さは増しているものの
本数はさして変わらず。
派手仔が多出するためなのでしょう。

ブログに

そうでなければとっくに枯らしている木なのかもしれません。

外し頃の大きな仔は紺地も広くいけそうかも。


でも、その柄が仔にはなかなか伝わらないようです。

白柄に緑のゴマ斑を散らす独特の風合いを特徴としますが
いかんせん小さすぎて魅力が発揮できていないのが残念です。
もっと大きくして魅力を引き出すには派手仔を枯れるまでそのままにしないで
柄の状態の良い素一本で作を掛けるべきなのかもしれません。
といいつつ大きくしても裾物の何かに似てくるような気がして期待感ゼロ。
結局はこのままで年に数回見るだけになってしまいます。




あれから1年と3ヶ月。
派手だの何だのと言ってきましたが
枯れてしまったら身も蓋もありません。

・・・親木は下葉3枚残すのみ。


下の仔は親木の運命を辿るかのように
派手な天葉となったようです。
早急に上柄の仔が欲しいのですが思うようには行かなさそうです。

その上の仔も今は上柄っぽいのですが派手になりそうな怪しい雰囲気が漂います。

縞物はその消長を見守るだけしか出来ませんが
枯れるときには枯れるそのはかなさも魅力のひとつかもしれません。
でも、棚の木からタダで出たからいいようなものの
買った木がこうなったら余裕で見てはいられないでしょうね。

さて、次はどうなっていますことやら。




そういえばこれは何年か前の交換会で何かを落札した際、
抱き合わせで付いてきた木でした。
たぶん下葉3枚がそのときの名残。
その時は、地味な柄でしたし姿も貧相、
しかもおまけの木ということで良さがぜんぜん判りませんでした。

しかし、こちらに来てから出た葉はちょっと派手目な最上柄。

目にもまぶしい純白柄です。
さしずめ天照大神が岩戸を開いて顔を覗かせたといったところかも。


望外な幸運でしたが出た仔は地味な柄。

やっぱり親木の下葉の地味柄を引きずるようです。


あれから3年と10ヶ月。
その後、ピートモス植えにしたりしましたが
置き場が過密状態のため棚下に置いたりして
結局痛めてしまいました。



そこで気合を入れなおして株分け。

1~3本ずつ植え込んだら8鉢になってしまいました。

しかし、根痛みさせてしまったとはいえ
丈夫な品種なら2~3作で立ち直るのが富貴蘭の良いところ。
回復したらそれぞれが株になり
またかわいらしい姿になってくれることでしょう。

元の羅紗覆輪に戻ることがあるとも言われますが
葉に長短織り交ぜながらも意外に小型のままでいてくれるようです。



これが何かと言われて判る方はいないと思いますが
もうタイトルに書いていますからクイズになりませんね。

棚の青光墨の中から出たものでもちろん青軸青根。

極細葉でフリルのある覆輪が特徴となっています。
覆輪柄と青獅子とあと何か一芸加わったような大珍品。

それも3本同芸ですから固定しているのでしょう。
長年、富貴蘭をやっていても
従来の銘品から新種が出ることは滅多にありません。
それならば出会いを喜ぶべきなのでしょうが
さすがにこれは姿がいかにも貧相。

これで運を使い果たしてしまっていないだろうかと
思い悩んでしまいます。

それともしばらく作を重ねれば立派な姿になるのでしょうか。




あれから1作。
ちょっとピンボケ気味ですみません。
墨が強く出ると生育も遅々としてくるのか
葉繰りは1枚ちょっとといったところです。

まさか寄せ植えしているせいじゃないと思うのですが・・・。

そういえば寄せ植えを解消しようとして忘れていました。
もう、新根が伸びていますので、またしばし忘れることにします。


それにしても墨が強すぎると厄介で
コルク質がいっぱい出来るとそこから先の葉がポロリと取れてしまいます。

以前、根腐れさせてしまったこともありますし
丈夫そうに見えて意外に弱いのかも。
卵をひとつの籠に入れてはいけないというし
やっぱり危険分散の意味でも何鉢かに分けておかなくっちゃ。




あれから1年と5ヶ月。
ようやく機嫌が直って葉繰りは年に2枚半。

しかし、さあこれからという割には花芽が2個付いちゃってますし
いきなり泥根がズドーンと出ています。


それでもこの柄ですからそれなりにルビー根も出るんですけどね。
ただ泥根が出ると木の勢いが増すことは確かにあります。

ところで建国の縞は葉の柄は良く見えなくても
軸というか付け付近にきれいに浮き上がっていることが良くあります。


実物を日にかざして見たりすると本当にきれいなのですが
写真ではなかなか良さが伝わりません。




逆光にしたりして光の加減を変えてみたのですが
それでもきれいさはイマイチ。
まさか、展示会やお店で自由に手に取るわけにもいきませんから
これはやっぱり自分の棚に置くしかありませんね。



あれから1年。
やはり今年の春は暖かかったのか立ち上がりは早いようです。


昨年の仔は結構な生育振り。
1作で割れるような葉繰りです。
それだけ親木に力があるということなのでしょうか。


が、以前の仔は芯が引っかかったのか芯痛気味で
変なところからようやく出てきたところです。


そういえば親木も芯痛気味からまた復活といった消長を繰り返しています。

気を取り直してもう1個付いたアタリは
かつて無いまぶしいほどに輝く白柄。

大きく育ったらさぞきれいなことと思います。
ルビー根は一過性ではなく毎年のように出てくるようです。
狂い葉、曙芸、ルビー根と芸達者なのですが
品数が多いのか乗ってくる方が居ないのか
人気の無い不思議な品種ではあります。
