

あれから1年と8ヶ月。
ようやく重い腰を上げ株分け出来ました。
元親は1本仔付きになってもこんな姿です。


そしてこんな仔も何鉢か出来ました。
とはいえ増やしてももうすでに時遅しでしょう。
実生で似たような姿の木が増え過ぎましたから。

今はホンチャンの欲しい奇特な方が買ってくれるくらいかも。


そうはいっても数年作りこめばこんな立派な姿になりますから
その潜在能力にはまだまだ捨てがたいものがあります。
何鉢かになった割り子もこの姿を目指して作に励みたいものです。




あれから3ヶ月。
冬の休眠を挟んでですから姿にほとんど変わりありませんが
以前の



没にするのももったいなくて・・・。


それでもイの一番にルビー根が出てくれてまずは目出度しです。
建国の縞の場合、必ずしもルビー根だけ出るわけじゃないので
その分、出会いの喜びは一入です。



そしてこの木から出た覆輪からも新根が伸び出し

昨年に引き続きルビー根が・・・。

羆覆輪とそんなに変わらない柄なのになんでルビー根がと思っていたのですが
葉表から見るとクッキリしているものの

葉裏は柄と紺地との境界線がぼやけています。
これが決め手で建国殿の柄に通じるような感じかも。


因みに羆覆輪は葉裏の柄もくっきりと分かれます。
もしかしたらこれを聞いて棚の建国殿覆輪を見に走る方がいるのかも~




あれから1作。
一昨年、芯痛になり肝を冷やしました。
その分、仔でも出てくれるかと期待しましたが
相も変わらず花芽ばかり。

その上、下葉がぼろぼろ落ちみすぼらしい姿になってしまいました。

しかし、昨年の葉繰りは2枚半。

ちょっと木勢に向上の兆しが見えてきました。

思えば11年前に仔が出て以来アタリは皆無。
それを思えば姿の悪さなど我慢できるというものです。

稚葉風の短い葉の上からはずらっと仔が出てくれるかもとか
淡い期待を寄せています。

それにしてもずいぶん長丁場な木になって仕舞いました。
同じ品種でもバカスカ増える木もあればこんなのもあって
実に不思議なものです。




あれから4年。
株分けしなければと思いつつしばらく時間が経ち
持ち崩してしまいました。

そこで遅ればせながらざっくりと株分けすることに・・・。
さすがに持ち崩しただけあって下葉はぽろぽろこぼれ落ち
しかも上柄の木はほとんどありません。
ちょっと派手過ぎるせいでしょうか。


といっても地味な中斑になってしまったのも葉持ちはイマイチ。
結局は手入れ不足だったのですね。



いつ枯れてもおかしくなかった覆輪も無事に救出。

こちらはまだ完全覆輪じゃないのか仔は縞で出ています。


もう1株あったのはどうやら完全覆輪のようです。
縞から変わった覆輪の割には紺地が広く
絶えずに育ってくれそうな気がしています。
なにしろ株の中に埋もれてひもじい思いをしながらも残っていた木ですから
これからは伸び伸びと育ってくれることを期待しましょう。
独特の後冴え柄は魅力も十分です。



あれから3ヶ月。
無事に冬を越し新根が出始めました。
出だしは好調。

前の作者との作場環境がうまく合致すれば
蘭も上機嫌のようです。

その機嫌の良い木をつらつら眺めていたら
不思議なことに気が付きました。

金牡丹の仔だから仔も当然金牡丹だろうと思っていたのですが
この仔は生育を始めているはずなのに天葉の柄がなかなか冴えてきません。

ということで黒牡丹なのでした。

しかも縞が少しありますし。


その上から出た仔は紺縞を流していますからちょっと黒牡丹寄りかも。

更にその上から出た仔はアントシアニンというより紅縞芸とでも言えそうな
べったりとした冴えた赤が曙斑に重なって流れ目を引きます。


こっちの仔は墨が多いのか同じ木から出たと思えないほど小型化し
ちんまりとまとまっています。
というふうに一株でいろいろなキャラが垣間見られる楽しい株立ちではあります。
忘年会での余興の交換会とはいえ
こんな面白い株を譲っていただき何やら申し訳ない気持ちですが
せめて罪滅ぼしに精一杯楽しみたいと思っています。




あれから5ヶ月。
一見地味ではありますが盛り上がるような紺覆輪は特異で
つい手に取って眺めてしまいます。

そこで眺める回数が多くなるように株分けしました。




1本仔付きが2鉢。
これなら木勢も十分でしょうから
今年もすくすく育ってくれることと思います。

ところでこれだけ木勢が良くて2年で3倍ペースを維持するなら
10年で729鉢になってしまいます。

2倍ペースでも100鉢近く。
ちょっと計算してしまいました。
でも、そんなに増えたらうんざりしちゃうかも。

アマミが安くなるわけですね。


あれから4作。
全体的に立ち葉じゃなくなってきましたし
それとともに興味を失うことしばし。

目肥が行き届かないと姿も崩れてきます。



やっちゃったと思いつつ目をやると1本だけ立ち葉の仔が・・・。

10数年前の姿を思い出しちょっと嬉しい気分になりました。

そこでこれを取り出すべく植え替えしてみました。
しかし一口に植え替えすると言っても
株分けし、枯れた葉柄や根をきれいに取り除き
一番上のような寄せ植え3鉢作るのに小1時間。

コストが掛かっていますから
また立ち葉の仔が株の中から復活してくれなきゃ困ります。




あれから7ヶ月。
待ちに待ったきれいなルビー根が出始めました。

思うところがあって少し柄を冴えさせてみようと
日の良く当たる所に置いたら早速反応してくれました。
紫外線を通さないポリカの中ではダメかなとも思いましたが
案に相違して日が強ければ柄は冴えて来るようです。
それでもこれぐらい柄が冴えても
ちょっと日を弱くすると紺地を戻すのが建国殿の良いところです。


上から出た仔はパイナップル芽ではありませんでしたがとりあえず芸は続いています。

仔から出た孫仔も最上柄。


その後出た仔もこれから中透けになります。


それと同時に出た仔も同芸のようです。
が、この仔の居場所は狭いし暗いし窮屈そうでちょっとかわいそう。

いずれまた株分けして何とかしようとするのでしょうが
しばしの間、豪華な株立ちを楽しみたいと思っています。





こちらも同じく日の当たる所に置いていますが
若木というか根の少ない分、更に柄が冴えました。

これだけ冴えるとちょっと怖いのですがまあ、大丈夫でしょう。

3本の仔はそんなに急に木勢は付きませんが
親木と繋がっていますのでまさか枯れることはなさそう。
辛抱してじっくり仕立てたいと思っています。



こちらは同じ系統の株分け木です。
以前、仔を外していますがその後なかなか増えません。
しかし脛をかじられない分、葉肉を増し充実してきました。
木勢は十分で、いくら柄が冴えても恐いもの無しといったところです。
でも、やっぱり仔の出たほうが嬉しいかも。

何しろ柄の継続率パーフェクトをまだ堅持していますから。

それにしても秋口ならともかく
春の今からこんなに柄が冴えたらやっぱりこれから先が怖そう。
いくらきれいでもほどほどのところでやめておかなければ~。

さて、4月になりました。
冬のどんよりとした鉛色の雲は去り
この頃はお天気続きです。
風蘭も新根が出揃いいよいよ目の離せない季節になってきました。
幽谷錦はあれから1作。
昨年の大株をばらばらにしたのですが
分ける際、どうしても古根にテンションが掛かりますのでそれが痛んでしまいます。
そこでミズゴケやピートの状態は良かったのですが植え替えることに。
これで数年は手入らずで過ごせることでしょう。
冬のどんよりとした鉛色の雲は去り
この頃はお天気続きです。

風蘭も新根が出揃いいよいよ目の離せない季節になってきました。

幽谷錦はあれから1作。
昨年の大株をばらばらにしたのですが
分ける際、どうしても古根にテンションが掛かりますのでそれが痛んでしまいます。
そこでミズゴケやピートの状態は良かったのですが植え替えることに。
これで数年は手入らずで過ごせることでしょう。



元親はハデというか深覆輪を維持。
柄の良い仔が出てくれないといずれはご臨終となりそうです。



こちらはちょっと派手目ながら遠目に目に付く柄です。
古い品種ながら斑の色合いがきれいですし
立ち葉のキリットした姿と相まってやっぱりイイ感じ。


しばらく素立ちのままの老木でしたが株分けが利いたのか
上の方から柄の仔が顔を覗かせています。



こちらはやや地味柄というか幽谷としては上柄なのですが

やはり呼応するのかこの上ない最上柄の仔が出ています。

昔の銘品の人気が落ちてしばらくなりますが
近頃、何やら復活の兆しがあるような気がします。
そうなってもいまさら上柄、上作品は急には入手難かも。

せめて大事に育ててその魅力を伝えていければと思っています。