森永卓郎獨協大教授が、日経IRフェアでの講演「構造改革と日本経済の展望」で、今年の後半に株価が上がることは間違いないと説いた。
森永教授の主張の根拠は、株価が現在の経済の状態にマッチした普通の水準に戻ると言うことだが、プラス要因として次の四つを列挙した。
① サブプライム・ローンの経済的打撃は小規模であり、今度の決算で損失の確定が成されるので、ほぼ、集束する。
② 高騰を続けている原油価格や穀物価格が下がる。
③ ブッシュ大統領と日銀福井総裁が退任する。
④ 外資等外人株主の日本株買いが始まる。
ちなみに、昨年の経済が振るわなかったのは、格差拡大によって、個人消費が冷え込んだ結果で、クルマの販売不振は、購買人口減や需要の飽和などではなく、国民自身に買う経済的余裕がないからだと言う。
所得200万円以下のサラリーマンが1023万人おり、貧困層は益々増加している。労働分配率は減少しているにも拘わらず、経済成長による成果は、総て、株主への配当と大企業の経営者たちの報酬に回っており、経済格差は増大の一途で、これでは消費が増えて経済が活性化する筈がないと言うのである。
このあたりの問題意識は、国や経団連にもあって、余裕のある企業は賃上げを考慮せよと言う指令が出ており、今年の春闘を多少明るくしているが、あまりにも深すぎたデフレ不況の後遺症と、市場原理主義的な経済政策の結果であろうか。
企業に十分な体力をつけてから賃上げを実施しようとする経営の立場と、応分の分配を実施すべしと言う労働側の対立はあるが、かって日本は、成長路線にあったことにもよるが、労資平行して分配されていて問題はなかったが、今後、日本の文化構造や価値観を変えずに、アメリカ型の競争重視の格差型社会へと方向転換させることが良いのかどうか問題があろう。
サブプライム問題については、森永氏ほど、楽観は出来ないと思っている。
サブプライムの実体よりも、諸般の事情が増幅してアメリカの実体経済が、近年始めて減速傾向にあり、実質経済成長がマイナスに転じるとリセッションだと考えられており、今現在その瀬戸際に立っていて危機意識が非常に強くなっている。
ディカップリングが盛んに議論されているが、アメリカ経済の実力は今尚甚大で、世界のマネーの行き場がなくなると、その影響は計り知れない。
原油価格については、例えば、原子力や風力や水力など代替手段があるので、発電における火力発電価格だけが鰻上りに高騰して行く筈がなく、また、原油の供給も十分にあるので、今のような投機目的主因の高騰は集束すると言う。
原油1バーレルの製造原価がたった3ドルだと言うが、これに100ドルの高値がつくなどマネーの狂奔は計り知れない。
森永教授が指摘した外資による株式投資の拡大だが、私は、単純な株式投資ではなく、日本企業のM&Aが拡大すると思っている。
例えば、BRIC's 特に中国企業の場合であるが、これからの中国の製造業の国際競争力の強化の為には、抜群の技術と工業力を持った日本の製造業はキャッチアップのためには格好のターゲットであり、現在、株価は正にバーゲン価格である。
タタがジャガーを買収し、ミタルが新日鉄を狙っており、インドが、先にこの動きを加速する勢いである。
中国やインド企業の時価総額、企業価値の増大は驚異的で、今後この勢いが続けば、三角合併の可能性は極めて強くなる。
中東やロシアは、何時までもオイルマネーが潤沢である筈がないことを知っているので、国家ファンド主導で日本企業の買収に走るであろう。
マイクロソフトがヤフーを買収しようと言う時代である。世界の富の偏在は計り知れず、何が起こるか全く未知数であり、おかしな税金の帰趨ばかりに明け暮れるバカな政治を続けていると、世界の列強に漁夫の利をさらわれてしまう。
国際感覚の希薄な日本人が、世界の趨勢を知らずに、如何につまらない目先のことばかりにうつつを抜かして惰眠を貪り太平天国を決め込んでいるか、心配しているのだが杞憂であろうか。
森永教授の主張の根拠は、株価が現在の経済の状態にマッチした普通の水準に戻ると言うことだが、プラス要因として次の四つを列挙した。
① サブプライム・ローンの経済的打撃は小規模であり、今度の決算で損失の確定が成されるので、ほぼ、集束する。
② 高騰を続けている原油価格や穀物価格が下がる。
③ ブッシュ大統領と日銀福井総裁が退任する。
④ 外資等外人株主の日本株買いが始まる。
ちなみに、昨年の経済が振るわなかったのは、格差拡大によって、個人消費が冷え込んだ結果で、クルマの販売不振は、購買人口減や需要の飽和などではなく、国民自身に買う経済的余裕がないからだと言う。
所得200万円以下のサラリーマンが1023万人おり、貧困層は益々増加している。労働分配率は減少しているにも拘わらず、経済成長による成果は、総て、株主への配当と大企業の経営者たちの報酬に回っており、経済格差は増大の一途で、これでは消費が増えて経済が活性化する筈がないと言うのである。
このあたりの問題意識は、国や経団連にもあって、余裕のある企業は賃上げを考慮せよと言う指令が出ており、今年の春闘を多少明るくしているが、あまりにも深すぎたデフレ不況の後遺症と、市場原理主義的な経済政策の結果であろうか。
企業に十分な体力をつけてから賃上げを実施しようとする経営の立場と、応分の分配を実施すべしと言う労働側の対立はあるが、かって日本は、成長路線にあったことにもよるが、労資平行して分配されていて問題はなかったが、今後、日本の文化構造や価値観を変えずに、アメリカ型の競争重視の格差型社会へと方向転換させることが良いのかどうか問題があろう。
サブプライム問題については、森永氏ほど、楽観は出来ないと思っている。
サブプライムの実体よりも、諸般の事情が増幅してアメリカの実体経済が、近年始めて減速傾向にあり、実質経済成長がマイナスに転じるとリセッションだと考えられており、今現在その瀬戸際に立っていて危機意識が非常に強くなっている。
ディカップリングが盛んに議論されているが、アメリカ経済の実力は今尚甚大で、世界のマネーの行き場がなくなると、その影響は計り知れない。
原油価格については、例えば、原子力や風力や水力など代替手段があるので、発電における火力発電価格だけが鰻上りに高騰して行く筈がなく、また、原油の供給も十分にあるので、今のような投機目的主因の高騰は集束すると言う。
原油1バーレルの製造原価がたった3ドルだと言うが、これに100ドルの高値がつくなどマネーの狂奔は計り知れない。
森永教授が指摘した外資による株式投資の拡大だが、私は、単純な株式投資ではなく、日本企業のM&Aが拡大すると思っている。
例えば、BRIC's 特に中国企業の場合であるが、これからの中国の製造業の国際競争力の強化の為には、抜群の技術と工業力を持った日本の製造業はキャッチアップのためには格好のターゲットであり、現在、株価は正にバーゲン価格である。
タタがジャガーを買収し、ミタルが新日鉄を狙っており、インドが、先にこの動きを加速する勢いである。
中国やインド企業の時価総額、企業価値の増大は驚異的で、今後この勢いが続けば、三角合併の可能性は極めて強くなる。
中東やロシアは、何時までもオイルマネーが潤沢である筈がないことを知っているので、国家ファンド主導で日本企業の買収に走るであろう。
マイクロソフトがヤフーを買収しようと言う時代である。世界の富の偏在は計り知れず、何が起こるか全く未知数であり、おかしな税金の帰趨ばかりに明け暮れるバカな政治を続けていると、世界の列強に漁夫の利をさらわれてしまう。
国際感覚の希薄な日本人が、世界の趨勢を知らずに、如何につまらない目先のことばかりにうつつを抜かして惰眠を貪り太平天国を決め込んでいるか、心配しているのだが杞憂であろうか。